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コメディ・ライト小説(新)
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- 二次元ウォーカー
- 日時: 2020/02/29 20:53
- 名前: 塩辛太郎 (ID: Hh73DxLo)
その日、彼は妙な異能を手に入れた。秋がもうすぐで始まりそうな、そんな日に。真っ赤な夕日を眺めていたら、天啓のように降って湧いたのだという。彼の二つの腕手を持ってしても、まだ有り余ってしまうような、そんな膨大な異能。これを使えたならば、世界が変わるような、そんな異能。作家であり、漫画家でもあった彼は、異能をいたく気に入った。早速それを使ってみようと、彼は、唯一無二の親友である私を呼びつけた。
「素晴らしいモノが手に入った。これさえあれば、僕はもう一度、溢れんばかりの感動を世界に届けることができるよ。」
「…随分な自信だな。いきなりどうしたんだい、昨日までは、次の日には首でも吊っているのではと思うような顔色であったというのに。」
酷い言い草だな、と彼は朗らかに笑った。それから、私は急かすように彼に経緯を聞いた。何故って、本当だなんて、その時は思ってもいなかったから。てっきり、新しい小説の一端だと勘違いしてしまっていたのだ。そんな風に親友を無下にしていたものだから、きっとバチが当たったのだ。あの時、もっと話を聞いていれば。あの時、異能が危険なものだということをしっかり理解出来ていれば。
数千回も死に至るような、そんな体験は、この平凡な人生において、あるはずも無かった事なのだ。
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