コメディ・ライト小説(新)
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- 抗うカケラ 〜第1章〜
- 日時: 2020/03/08 20:18
- 名前: 凪海 (ID: D.48ZWS.)
____……アンタは壊すこともできるし、変えることもできる。それが超能力に目覚めてしまった民の定めなんだよ。運命に争うんじゃない。己を出しなよ。…____
…ある日。各地で超能力に目覚めた人間達が多数発見された。
それはいつしか“魔法使い”と呼ばれる…。
その、魔法使い…その人間達は…。運命に争うシリアスあり、涙あり、学生達のストーリー…。
クリック有難うございます!そして初めまして。凪海と申します。
小説投稿は今回が初めてなので、まだまだなところもあると思いますが(もしかしたら文才0かも…)暖かく見守っていただければ嬉しいです^_^
スレッド作成日 2020/03/04
プロローグ >>01
登場人物>>02
episode1 被験者とその組織
(1)>>03
- Re: 抗うカケラ 〜第1章〜 ( No.1 )
- 日時: 2020/03/06 17:16
- 名前: 凪海 (ID: D.48ZWS.)
プロローグ
「…痛っ」
何と言うか…妙に細いナイフで刺されたような痛みが…来る。
何処とか何故とか考えるたびに、この痛みは倍増している気もする。
漆喰なのか。
砂埃が付いた薄汚い壁と、黒くて錆び付いた檻の様なものに挟まれ天井には換気扇。
____……ここはどこ…?でも。何も思い出せない…。家族も友達も…。
周りにも、私と同年代の子供達。
皆気絶しており、助けろと泣き叫ぶ者は誰1人いない。
そう言えば最近。
子供の誘拐事件が増えている。
もしかして…それ…いや、これの事…?
右腕には…注射器。
左腕には『1005』と書かれたリストバンド。
その下には、生々しい文字で『実験対象』…。
唖然とした私の口に挟むべきものは、もう何も無かった…。
- Re: 抗うカケラ 〜第1章〜 ( No.2 )
- 日時: 2020/03/08 13:51
- 名前: 凪海 (ID: D.48ZWS.)
〈1章の主な登場人物〉
・宙
主人公。消息不明の双子の妹がいる。
・文実
チームメイト。目がキツい
・紫苑
怒らせたら怖い、学年一の問題児という噂も。
・澪
根暗。学校全体の過去を握る。
・麗音
帰国子女。左手に大きな傷跡が残されている。
・ナナ
今時のゆるふわ系女子。
・千歌
生徒会副会長。
・凛生
口数が少ない。どうやら澪とは気が合うらしいが…。
・仁
THE.チャラ男。
・日向
男子だか、女子のような趣味ばっかり。
・未藍
記憶のほとんどが消えている。
・時雨
大企業の息子。プレッシャーを持ち抱えている。
- Re: 抗うカケラ 〜第1章〜 ( No.3 )
- 日時: 2020/03/08 20:17
- 名前: 凪海 (ID: D.48ZWS.)
episode1 被験者とその組織
「…本当に被験者なんですね。」
「そんな疑わないでもさ。一応仲間でしょ、仲間。」
「っ仲間!?そんなっあなたと契約を結んだことなんてありませんっ。」
困ったように眉を曲げる文実と、横断信号を待つ。
まだ…春。厚手のブレザーでは、少し暑さを感じるがスカートが翻るような柔風が冷たさを誘う。ネクタイが揺れる程の緩い風が一旦通り越すと、また暖かい空気が波を立たせるのである…。
「あの…。」
「何?」
「花弁…付いてますよ。」
「ああ…。なんか私、静電気強いから付き、やすいんだよね…。」
____…居心地悪い…。
沈黙…か。
沈黙の“春”って、まさにこれを表しているのかもしれない。
ただでさえ隣に人が居るってのに、ただため息を付いて参考書をなれた手付きでめくっている彼女。細長い睫毛と滑らかなセミロング。少し茶色い黒髪は、光に照らされて爛々としている。
とっさに気まずい空間を繕おうとするが、何も言葉が思いつかず頭を回っている憂鬱が微かに膨らんでいく。喉におかしな力が加わったのか、しょうもない啖が絡まって季節外れに咳き込む。「青信号なった。」それだけで沈黙は閉じ込める事が出来たと思ったが、また気まずい空間が作り出されたのだった…。
「でも、私達こうなるなんてね…。」
「被験者って辛いですよね。」
「えっ、急に…。」
「自分の家族も友人も、記憶も取り返す事が出来ない。これが本当の悲劇のヒロインと言うものでしょうか。…私は愛なんて感じた事ないので分かりませんが。」
悲しそうだった。
消しゴムでも消せそうな、掠れた声。
じっと見つめる事が出来ないような、哀愁に埋もれた表情。
繊細で…今にも散りそうで…。
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