コメディ・ライト小説(新)

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♢訳ありな蒼い星
日時: 2020/03/29 18:34
名前: 霞 (ID: HPUPQ/yK)

風稜高校に進学した柚音。
そこで出会った人々が、運命を狂わせて行く…。
記憶が少ない女子生徒…いつも笑ってばかりいる男子生徒…
それは一体なんなのか。
そして…組織。
裏に眠る黒いモノとは…?
笑いあり、恋愛あり、シリアスあり。
青春ストーリー。




初めまして〜かすみと申します!
今回が小説投稿初めてという事で、いろいろと足りない部分があると思います(汗)
長編なので、ゆっくり更新していきたいと思います。ぜひぜひ暖かく見守っていただければ〜^_^




記念!スレ作成日:2020/03/09

誰得?作者の誕生日:3/20(あつまれどうぶつの森の発売日だった!)


[偉大なるお客様方]
・シナメさん  ・雪林檎さん ・めるさん







[あらすじ]
数年前、風陵高校で、事件が起きた。
しかし、それは外部に知られる事無く闇に葬られた…。
被害者家族である少年少女達は、それを知り風陵高校で『チーム』を結成し、真相に近付いて行く…。




キャラ紹介 >>01



【閲覧数記念】

閲覧数200突破 裏エピソード#1>>19
閲覧数300突破 キャラ紹介#1>>26


1章 運命までの紡ぎ合わせ…

episode1 横断信号 >>02 episode2 影日>>03 episode3 ホームルームと淡い期待>>04
episode4正体>>05 episode5似た者同士>>06 episode6提案>>07
episode7保健室登校>>09episode8理由>>10 episode9 止めた手>>11
episode 10 見る力>>12 
episode11 夜にささやかのものを__>>15
episode12 スカウト>>16 
episode13 不安感を抱きしめて>>20
episode14 手がかり >>21 episode15 余命>>22
episode16 裏を操るモノ >>25

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.2 )
日時: 2020/03/29 17:20
名前: 霞 (ID: HPUPQ/yK)

episode1 横断信号


「風稜高校第一学年 友寄 柚音。…なんかピンとこないよね。」



切れ目の無い雑踏で賑わうスクランブル交差点。
アスファルトの上の水。それが時折、車のヘッドライトで輝く。
『新学期』…と言うのに、朝から降る雨が春の陽気を封じ込めていて鼻につく湿ったような臭いが、目蓋をこじ開けさせる。


そして、春の…アオい雨。
季節感がなく、冷たい。
この全てを無視したのか、躊躇なく雨は降り続ける。そして…限りなく透明に4月模様を消している。
この倦怠感に反応したのか、リュックの持ち手がすたれる。そして体を1回揺さぶると黒い地面と対照的に、透明な
糸がゆっくり雨傘に落ちた。

「そう言えば…茜元気にしてるかな?」



気になってスマホを取り出す。


 _____懐かしいな…中学生時代。

少し地味なブレザーが、頭の中に浮かび上がる。
まぁ…灰色で、『ネズミ』みたいだったけど。




 ピコン




『ユズ!制服見たよ。すんごい可愛ぇー。祝、ネズミ脱出!』


慣れたような文章が送られてきた。
そこに添えてあったのは、おどけたような…スタンプ。

「よかった。元気そうみたい。」


明るくて眩い画面を見ると、いつもの通りの茜。
高校は離れたけれど…。友達であることは変わらないだろう。

『こっちは今から入学式。茜の方は明日だっけ?今日も寝てたかった〜』


そっか。入学式。
既読が付くことを私は願って、足早に高校へ向かった。

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.3 )
日時: 2020/03/30 20:15
名前: 霞 (ID: LLmHEHg2)

episode2 影日


____…パイプ椅子…ショボい。


『風稜高校。入学式。』

風稜区、と言う場所に位置するこの高校。
これといった著名な卒業生はいないが、一応実績はある。
偏差値67と言う、低めに見つめっても一流。多めに見積もっても一流と、ただの凡人には到底無理。と言う感じである。…言い方は悪いが。

「長いな…。」

上履きの底で、暇加減をアピールしても誰も気付かない。
これが『沈黙の春』と言うもの?いや…沈黙と言うより『暇』か。 


_________________________________________


____…進学早々から髪を染めてる人もいるんだ…。


入学式が終わった新入生達は、一気にクラス分け表に吸い取られる。
先程も言ったけれど、偏差値67の風稜はそれなりに校則が緩い。
薄いメイクを施し、ギリギリのスカートラインといった生徒はもちろん少数派だが。


しかし、その新学期のワクワク感は一瞬で灰になった。

「…ちょっと、あれって!」 

「若井…ってあの『………』の事だよな?」

「ぇえ…。」

いかにも恐ろしいものを見る声である。
ただ、人々の談話のせいで肝心な所が鈍って聞こえてしまった。
そして、クラス名簿。人だかりのせいで見えづらかったが、微かに。微かに何か見えた。



『1年B組 21番 若井 翔』

名前の頭文字が『わ』と言う事で、やはり番号は1番後ろだった。
でも…それが一体なんなんだろうか?
好奇心と疑問感が浮き出てきて不思議な思いが止まらない。

「そう言えば…噂で聞いたんだけど、“アイツ”のいたクラスって必ず学級崩壊するとか…。
怖いったらありゃしないよ、もう…。」

「なんか“御曹司”とかなんだとか…親御さんにもし言いつけられたら…。」




____…Osorosii、恐ろしい。…

そんな文字が頭に過ぎった。
もし、同じクラスだったら…?
そんなハズは…!



『1年B組 11番 友寄 柚音』




「あぁあ。ホントにB組可愛そう。ドンマイ、B組。」

知らない誰かに、鼻であしらわれたような気がした。

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.4 )
日時: 2020/03/12 14:22
名前: 霞 (ID: D.48ZWS.)

episode3 ホームルームと淡い期待

「じゃあ。ホームルーム始めちゃいます!皆起立〜!」

新卒であろうか、可愛い口調で場を和めている。
洒落た白のブラウスを身に纏って、飛んでいくようなセミロングの茶髪を見事に振り撒いている。

「えーっと、みんな!今日からキラキラな高校1年生!それじゃあ…まずは自己紹介、かな?」

白いチョークを黒板にくっつけて、いかにも女の子らしい可愛い文字を書く。
まだ使われていない円柱形のチョークが、音を立てて少しずつすり減っていく姿は春の空気を感じる一つの様だった。

『紺野 有彩』

現代風のおしとやかな名前が、彼女をよく表していて…思わず見惚れてしまう。
周りにあるぼんやりとした白い縞。その奥には、『ありがとう! 1年B組』と。きっと先輩達が昨年度描いたものだろう。

「紺野 有彩、1年B組の担任となりました!あと〜担当科目は算数です。まだまだみんなの事分からないけど、みんな1年間頑張りましょうね!」


____…やっぱりニヤついてる…!

ちょっくらクラスを見回してみると、ニヤついている男子。いや…女子も頬を赤らめているのだが…。でも、これから先先生は忙しくなりそうだな…別件で。

「じゃあ、先生プリント取ってきま…!」

その瞬間、教卓の上に置いてあった資料とかなんだとかが一気に宙を舞った。
慌てて落ちている資料を拾うと、丁度予鈴が鳴ってしまった。




____…頑張れ、先生…。


新人めいて、まだ双葉が生えそうのない彼女を見て心の中で応援をした。

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.5 )
日時: 2020/03/13 14:35
名前: 霞 (ID: D.48ZWS.)

episode4 正体

「アリサ コンノ…うわぁ〜やばい気配しかしないじゃん?」

彼女は、机の上に身を任せると真新しい予感を感じた。


____…あの事件の真相は、まだ分かっていないわ。
せめて、人手が足りたら一気にボコせるのにぃ…。

「紫那野、また勝手に調べてたのか?」

「いいじゃない?生徒会管轄じゃないんだからぁ、放っておいてよ東和副会長っ。」


彼女の言葉に身を乗り出したのは、東和という少年。
なんとも言えない黒髪が、朱を溢した夕焼けを反射させていたのである。

「新しい勤めがあるなら早く言ってよ?実際私、凄腕なんだから。」

「…ったく。動き過ぎると厄介なことになるぞ。」

部屋にあった椅子に、腰を掛けると彼は忠告を溢した。

「俺も真相は知りたいが…。」

数年前に起こったあの事件を思い出す。
結局、何もかも消されてしまったが…。

あの悲惨なモノがリフレインする。
何人もの生徒が犠牲になったのか…それも消されて____隠蔽されている。

「東和。…ホントになんかあったら言ってよね。」

「何が。」

「あたしだって知りたい。…姉のことも。」

悲しそうな目が、過去の思い出を映し出す。
…でも。でも。誰にも言えない…誰にも相談できないから。東和にだけは分かって欲しい。
彼にはそう聞こえたらしい。

「…分かった。捜査のことを部外者に言わなければ。」



____…いつか暴いてやるんだから。
高校生のやることじゃないし、探偵ごっこでも無いから…。
油断は許されないっ。


ココの裏を…私は見つけたいから。

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.6 )
日時: 2020/03/14 12:09
名前: 霞 (ID: FpNTyiBw)

episode5 似た者同士


「新入生テスト。やっと終わった…。」

学校の屋上で、安心した笑みを広げる。

風陵は、やはり校則が緩い。
屋上は土日以外開放しており、コンクリートに居座って昼食を食べる生徒は数知れず。
風陵の一種のデートスポットとしても知られている。
…そこまでカップルは居ないが。

「サンドイッチと、麦茶…。なんか物足りないけど。」

袋から取り出したのは、3個入りのフルーツサンドイッチと水筒に入れられた麦茶。
華が無いが、昼食としては最適な量だ。




______…あそこ。私の他にもう1人いたんだ。






目線を横にズラすと…不良。
しかも金髪だし、髪に隠れてピアスもさりげなく付けている。






______…あっ。




目が合うと、乾いた春風が流れ込む。
罰の悪そうな顔を彼はすると、ようやく口を開いた。

「なんだよ、お前。」

「えっ、あっ、昼食とか…食べないの?」

負けるもんか、こんな不良に。
負けじと強気な姿勢で話を進めると、彼はまたこう言った。

「無い。」

「えっ、無いの?」

「…つーか。何が悪いんだよ、無くて。」

そう言うと、しかめた顔でネクタイを翻した。
このままじゃ、あんまりにも情けないので私は透明な袋からサンドイッチを2個取り出し、その余った1つを彼の膝に軽く乗せた。

「何だよコレ。」

「サンドイッチ。食べなよ、お腹空いてるだろうし。」

「…。」

彼は無言でサンドイッチを口に投げ入れると、口を拭った。

「コレ、フルーツサンドイッチかよ。卵の方が食べてえのに。」

「えっ、でも、これも美味しいじゃん!フルーツだよ?」




______…不良のクセに卵なんか食べるんだ〜。






それから何分か後、あの不良はバッグを背負って何処かに向かって行った。
その横姿…いや、バッグの横にあるものを発見した。

『若井 翔』


「っ。」



______…あの子って、あの騒がれてた問題児なんだ…。





予鈴が鳴るまで春風を感じながら、私は思いにふけていた。






__________________________________________________

そう言えば今日ホワイトデーですねっ!


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