コメディ・ライト小説(新)
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- 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方
- 日時: 2020/04/06 20:36
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: siKnm0iV)
皆様初めまして!迅です!
初めての小説なので若干たどたどしい所があると思いますが、皆様に楽しんで頂ければ嬉しい限りです。精進して参りますので、気長に見守って頂ければ幸いです。
アドバイスや感想なども常にお待ちしておりますので、気軽にお願いします。
ファンタジー成分多めのハートフル(!?)ストーリーになりますが、後半に行くにつれシリアス成分も増えていく…はず。
登場人物
>>1
第零話
>>2
第一幕
第壱話>>3・第弐話>>4・第参話>>5
第肆話>>6・第伍話>>7
- Re: 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方 ( No.1 )
- 日時: 2020/04/08 19:38
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: rd7NbV2E)
常盤・春兎(ときわ・はると)
人物紹介
・文芸部と言う名の帰宅部に所属している高校3年生であり、大人っぽい雰囲気かつ背の高い女性が好み。地理学を得意としており、将来の夢は地理学者。
とある日の夜にユノと出会い、運命を感じちゃった年頃の男子。
梔子・柚乃(くちなし・ゆの)
人物紹介
・背が高く大人っぽいナイスバディな高校3年生。ある夜に春兎と出会う。よく寝ているが低血圧だからでは無いらしい。肉好き。
夜になるとテンションが上がる謎の体質の持ち主。
ー主要人物ー
浅緋・諫(あさひ・いさむ)
人物紹介
・ぱっと見頭にヤの付く自営業のお兄さん。しかし見た目に反して面倒見は良く料理好きで、春兎とは良く連んでいる。
特殊体質の幼馴染がおり、その体質が表に出ないよう成る可く気をかけている。
若苗・天音(わかなえ・あまね)
人物紹介
・諫の幼馴染の少女。聴覚に優れ、31000Hzもの広域を聞き分ける事が出来る。パンクでボインな姉御肌。
柚乃と同じく普通の人とは違う秘密を(ry
洗柿・空(あらいがき・そら)
人物紹介
・若くして生徒会長に就任した逸材。春兎や柚乃の幼馴染で、小さい頃は良く3人で集まっていた。春兎に恋心を抱いているが、虚しくも気付かれてない。
視力に優れ、普通の人とは(ry
渋紙・桜華(しぶがみ・おうか)
人物紹介
・ギャル。ツンケンとした態度が目立つが、本来の性格は人懐っこく甘えん坊。春兎には牙を剥いていたが、今じゃ多分一番デレてる。
常人離れした身体能力を持ち、普通の(ry
常盤・隆二(ときわ・りゅうじ)
人物紹介
・春兎の兄。基本家にいないが、料理上手で両親の死後も男手一つで家族を養って来た。学生時代に両親を亡くした為、学校を辞めてバイトに明け暮れている。彼女はいない。
柚乃達の体質に何やら勘付いている模様。
常盤・茜(ときわ・あかね)
人物紹介
・春兎の妹。中学1年生とは思えない程しっかりしており、隆二がいない場合は料理以外の家事は全てこなす(料理だけ春兎任せ)。
極普通のJCだが、他の人より鼻が利く。
- Re: 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方 ( No.2 )
- 日時: 2020/04/06 23:02
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: siKnm0iV)
第零話
「月下美人」
「さて、かなり走ったし帰るとするか!」
ペットボトルのスポーツ飲料を飲み、常盤春兎は暗い夜道を走り出した。街灯に照らされながら家に帰る途中、ポケットのスマートフォンが唐突に震え出す。春兎が出ると、少し焦った様子の春兎の妹・茜が問い詰めてきた。
『お兄ちゃん!』
「茜か、どうした?」
『今どこらへん?』
「今どこら辺って言われてもな……」
春兎はスマートフォンの地図を広げ、自分が今いる場所を確認する。場所は家から数キロ離れている国立公園、歩けば80分、走れば40分で往復出来る距離だった。
「国立公園、後20分くらいあれば帰れるよ」
『なら良いんだけど、夜道は危険が危ないから気を付けてね!』
「分かってるよ」と茜に告げ、通話を切りいつの間にか市街地に入った事に気付く。そして春兎は背後から気配を感じ取り、足音の方へ振り向く。そこには、春兎が通う高校を身に纏った少女がフェンスの上に立っていた。その少女に見覚えがある春兎は、フェンスの上に立つ少女に声を掛ける。
「梔子!?お前、梔子…だよな!?」
「!?」
「!危な………!」
梔子と呼ばれた少女は振り返ると同時に、バランスを崩してフェンスから落ちてしまう。春兎が受け止めようとした刹那、彼女は体を『猫のように』翻し、春兎に覆いかぶさる形で落下した。
「いつつ……だ、大丈夫か梔子ィアッ!?」
目の前に広がった不可思議な光景に、春兎は思わず奇怪な叫び声を上げかけるが、咄嗟に口を塞いで声が漏れるのを防ぐ。視界に飛び込んで来たのは、まるでたわわに実ったメロンのような双岳。そして春兎は誤って双岳に触れてしまい、梔子は反射的に飛び退く。
「あ、わ、悪い梔子!決して態とじゃ…」
「大丈夫?」
問いかけて来た彼女に、春兎は「お前こそ大丈夫だったか?」と逆に問いかける。すると、少し頰を紅潮させ頷いた彼女は、春兎が礼を述べる前に走り去ってしまった。
「あの頷き…大丈夫って事で良いんだろうか」
無事に家に帰る事は出来たが、風呂に入る中で春兎は不可抗力とは言え高嶺の華と言われている梔子に触れる事が出来た筆舌し難い高揚感と、一つの疑問に明け暮れていた。何せ普通の『人』なら、『あの高さかつ幅数cmのフェンスの上を全力疾走する』事など、到底出来るものではないのだから。
次回
第壱話
「黒豹の少女」
- Re: 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方 ( No.3 )
- 日時: 2020/04/07 08:33
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: siKnm0iV)
第壱話
「黒豹の少女」
「ふーん、で?お前はランニングの途中で梔子と会い、そんで声を掛けたらまさかのラッキースケベったと…」
「そうなんだよ諫!ここまで言ったら信じてくれるだろ!?」
諫と呼ばれた少年は、「ただ、一つだけ言える事がある」と付け加える。春兎は興味津々な表情で諫を見つめる一方、諫は春兎を呆れた表情で見つめ
「お前馬鹿だろ」
と、一言だけ告げる。
諫の口から唐突に放たれた強烈な罵倒に春兎はボクサーのパンチを食らったような顔をしていたが、すぐ様反論する。
「いやマジなんだって!」
「じゃあ何で梔子って分かったんだよ」
「そりゃウチの制服着てたからだろ!?」
「じゃあ梔子だわ。疑って悪かったな」
「罵倒した事については言及無しか」と春兎は怨みがましく呟き、それを聞いていた諫は「ならハンバーグやるからこれで手打ちにしよう」と、自身の弁当箱から手作りのハンバーグを春兎に食べるように促す。無論、春兎にこの誘いを断る理由は無く
「ラッキー、棚ぼたって奴だな」
と嬉しそうな表情でハンバーグを頬張る。
差し出した諫本人も、しばかり渋い表情をしていたが、観念したのか美味そうに食べる春兎を見守りながら「よく噛んで食えよ〜」と呟く。いや保護者か。
「お、いたいた!梔子ー!」
「ブッフォ!」
するといきなり諫が梔子に手を振り出し、春兎は思わずお茶を吹き出す。梔子と諫にはかからなかったが、こちらに歩いて来る梔子の険しい表情に狼狽えていた。
「何?諫」
「相変わらず殺気ビンビンだねぇ、とは言え今回君に用があるのは春兎だからさ」
「は!?何で俺に振るんだよ!?わ、悪いな梔子!諫が揶揄っちまったみたいで!」
「そう、なら良いけど」
梔子はそう呟き、教室を後にした。
「ふぅ…てか諫!お前なんd…痛ァ!?」
唐突に殴られる。少し涙目で諫の顔を伺うと、彼の表情は今にも噴火しそうな勢いで顔に出さないまま怒っていた。
「な、なんだよ」
「豹に噛まれて死ね」
次回
第弐話
「少女の真実」
- Re: 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方 ( No.4 )
- 日時: 2020/04/09 15:47
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: rd7NbV2E)
第弐話
「少女の真実」
現在の時刻は午後16時10分。
梔子にあの事故の事を謝罪する事が出来ず、挙げ句の果てに友人の諫に「豹に噛まれて死ね」などと、訳の分からない言葉を吐きつけられた春兎はただ今憂鬱街道真っしぐらだった。
「はぁ…………」
「ハルじゃん、どしたの?」
「うお!?小野寺さん!?」
春兎の問いに「へへへ、そだよー」と答え、クラスメイトの小野寺はピースする。普段彼女と絡む事はないのだが、珍しい事もあるものだと思い二人は窓の外を見つめながら、一通りの少ない放課後の廊下を歩く。生憎、天気は春兎の心境を表すかのような土砂降りの雨だった。
「……雨だな」
「そうだねぇ、まだ5月なのにもう梅雨入りしたのかな」
「あ、いた!ミカ!早く帰ろうよ〜!」
「ありゃりゃ、呼ばれちゃったみたいだね。じゃあね、ハル」
そして、小野寺は自身を呼んだ女子グループの輪の中に行こうとした刹那、突然振り返り春兎の耳元で囁ささやきかけて来た。
「(梔子って無口で無愛想だけどいい子だからさ、ちゃんと隣に居てあげなよ?)」
「は……?」
「おーい、ミカー!早くしないとおいてくよー!」
グループのリーダーと思われる女子の叫び声を皮切りに、小野寺は優しく微笑みながら春兎を見つめる。そして、彼女は無言でグループの中へと入って行った。
彼女が言った事は全てが正論だ。
「……分かってるよ、ンな事」
それ故に、小野寺と違い梔子の事をあまり知らない春兎の口からは、あたかも負け惜しみのような言葉しか出て来なかった。
***
「誰も…いないよな…?」
忘れ物を取りに教室まで戻った春兎は、ゆっくりと扉を開け周囲を確認する。そこで春兎は、自分の机に突っ伏してすやすやと寝息を立てている梔子を発見した。
「おいおい、こんな所で寝てたら風邪引くだろ…。外も雨だし…」
「思えば昼休みとか結構寝てるよな」と考えながら、春兎は寝ている梔子の隣に万が一の為に持参した折り畳み傘をそっと置く。「こりゃあずぶ濡れだな…」などと呟きながら再び梔子の方へ目を向けると、梔子のぱっちりと開かれたアーモンドのような瞳と眼がばっちり合った。
「おぉぉぉ!?」
「常盤くん…?」
寝起き直後のせいか、梔子は涎よだれが垂れるのも御構い無しに眠たげな瞳をゴシゴシと拭う。見兼ねた春兎はそっとハンカチを渡し、涎を垂らしてる事に気付き少し赤面させながら梔子はハンカチを受け取り、机を濡らしていた涎を拭き取る。
「あの、ありがとう…」
「いや、いいよ。ていうかお前って昼休みは愚か放課後でも偶に寝てるよな」
「その、雨の日は……眠くて……」
余程眠いのか、梔子は舌ったらずな口調で再び眠りに落ちるのを必死に堪えている。そして春兎が置いた折り畳み傘に梔子の目が届き、梔子は折り畳み傘を手に取る。
「これ、貴方の?」
「別にいいよ、俺は走って帰ればいい話で…」
「ねぇ」
「あ?」
「昨日の事…皆には黙っててくれる?その、月が綺麗だったから、昂ぶっちゃって…」
春兎の眼は、梔子の純粋無垢なカシス色の瞳を捉える。
「(元々誰にも言うつもりはなかったけど…昂ぶるってどう言う事だ?)分かった、だけど一つ条件がある」
「条件?」
「俺と……付き合ってくれ」
梔子は頬を赤らめると同時に、春兎の顔面の毛穴という毛穴から脂汗が滝の様に溢れ出る。梔子はしどろもどろしているが、春兎はもっとヤバい状況にあった。
「(………俺は何言ってんだ!?幾ら何でも付き合ってくれる訳がねぇ!)いや、さっきのはほんの冗談で…」
「良いわよ」
「……は?」
春兎は少しばかり混乱し、恐る恐る梔子の表情を伺う。彼女の表情はいつも通り澄ました顔だったが、頬はほんのりと赤く染まっており、まるで気まずさを隠すように両手で顔を少し覆っていた。
「だから、その……付き合っても良いよ?」
「マジっすか………」
高校最後の春、遂に彼女が出来た。
次回
第参話
「彼女と妹」
- Re: 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方 ( No.5 )
- 日時: 2020/04/09 16:49
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: rd7NbV2E)
第参話
「彼女と妹」
「常盤くん…いる?」
春兎の家の前を通りかかった梔子柚乃は、玄関のドアをノックする。「コンコン」と小気味好い音が鳴り、中から寝間着姿の常盤春兎が現れた。春兎は眠そうな眼をこすりながら、何故か家の前にいる柚乃に質問する。
「なぁ梔子、何でここにいるんだ……?」
「偶然通りかかったの、それよりも学校行かないの?」
「学校って………」
梔子の一言を皮切りに、徐々に春兎の顔から血の気が失せて行く。梔子を尻目に春兎は無言で家の中へ戻り、誰かと口論をし始めた。
『ちょっと春兄ぃ!なんで起こしてくれなかったの!?』
『うるせぇな!こっちだってさっき起きたばっかなんだよ!てか何でお前俺のベッドで寝てんだよ!?』
『そ、それはお布団の誘惑に負けて…』
『な!さてはまた夜更かししたな!?これだから最近のガキンチョは!』
『春兄ぃだって寝てたじゃない!』
「だ、大丈夫なの……?」
今、彼の家の中で起こっている事態を心配していたが、ようやく制服に着替えた春兎が出て来る。そして彼の隣には、中学一年生くらいの少女がちょこんと立っていた。
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