コメディ・ライト小説(新)

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今、君に
日時: 2020/04/14 14:41
名前: 刹那 (ID: fqNLaQl7)

いつ見ても同じ天井、窓の景色。自分の体が朽ち果てるのを待つだけの日々。
色のつくことがないと思っていた人生に色をつけてくてたのは君でした。

「終わってしまった…」
多くの小説家の中で一番のお気に入りである[白華]さんの小説を読み終えた僕はなんとも言えない喪失感に襲われた。とりあえず本を棚に戻そうとして立ち上がると病室の扉の奥で母が何か話していることにきずいた。
「あの子は…あの子はどうなるんですか?この先何もできないんですか?」
母は担当医さんに病気について質問攻めにしているようだった。
【破壊連鎖症候群】 それは10代から20代の若い世代が稀に発症する難病だ。身体の細胞が白くなり、最後は粉となってしまう。 発症するのは10万人に1人の確率で治療法はまだ見つかっていない。
僕は2年前発症し本当なら約1年ほどで朽ちるはずが病状が進行することなくほぼ健康体で2年もたっている。
そろそろ退院してもいいんじゃないかと思っているがいつ病状が悪化してしまうかわからないので余命ゼロ日状態で入院生活を続けている。この病気については本当に何もわからないため医者は何も言うことができないのに母は心配性なため毎日ここにきては担当医さんを質問攻めにしている。
病室の前で騒がれるのは嫌なので止めに入ろうと扉の前に立つと、いきなり扉が開いた。
驚いた僕はおもわず尻餅をついてしまった。
「ああ、ごめんごめんノックしたほうがよかったね。立てる?」
僕の前に包帯で隙間なく巻かれた手が差し出された。誰かわからないし怪我をしているような手を掴むのは気が引けて自分で立った。
「この手のこと気づかって掴まなかったの?別に大丈夫なのに。」
僕の前には僕よりは背の低い制服らしき服を着た包帯だらけの女の子が立っていた。

1話完


続編は4月16日ごろ投稿予定です。