コメディ・ライト小説(新)

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バタフライ・エフェクト【第一章二話 国立魔法学校】
日時: 2020/07/13 16:52
名前: 心 ◆sjk4CWI3ws (ID: cl9811yw)

 
────これはとある暗殺者達の人生を大きく変化させた、けれどたった数年間分の物語で。ほんの少しの事が、大きく変わる要因となり得ることの証明である。

────────────────
 こんにちは、心です。またお前かと思う方も居るでしょう。
 初めましての方は初めまして。

 いいかげんどれかは完結させろよ、と言う言葉は……まあ、書きたいのを書きたい時に書く主義なので、と言い訳をします。息抜き程度に書いていくつもりです。(宵はく完結後、メインに昇格の予定)

 よろしくお願い申し上げます。コメントなども気軽にどうぞ。

 私の執筆中作品など
・宵と白黒  (ダーファ)
・宵と白黒 外伝 (複ファ)

執筆開始 2020.5.16 
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世界観をちょろっと説明

・魔法があります。
・魔法使いがいて、「普通の人」はいません。
(皆魔法を使えます。でも、その使える強さには違いがあります。)
・魔法学校があります。

・詳しくは作中で。

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目次  まとめ読み  >>1-6
    最新話    >>6



第一部  統一戦たいいくさい編入生あんさつしゃ

第一章  春学期スプリングターム   >>1-6
一話   少年と少女    
     >>1
     >>2
二話   国立魔法学校プラエス    
     >>3
     >>4
     >>5
     >>6

Re: Assassins school lifes ( No.1 )
日時: 2020/07/10 07:20
名前: 心 ◆sjk4CWI3ws (ID: cl9811yw)

第一部 統一戦たいいくさい編入生あんさつしゃ
第一章 春学期スプリングターム

一話  少年と少女

「エル! どうするの、このまま師匠のうちに戻る!?」

 夜に溶けるような服装をした少年の方が、少女に緊迫した面持ちで問いかける。夜に沈む街のなかで、彼女たちだけが動いている。いや、さらにもう複数人。後ろから追いかけて来る者たちがいた。石畳を踏みつけて、乾いた靴音を立てながら彼らは走る。だが、不思議と少年と少女の靴音はしない。淡い魔法陣が彼らの足元を照らしながら防音壁の効果を伴っているのだ。その魔法を発動している本人であろう少年が、少女の方へ問いかける。
 エルと呼ばれた少女は、小柄な身体を駆使して少年と比肩するスピードで走りながらも小声で答えた。

「ルーク、貴方は何を言って……追いかけている分は倒します、それにまだ顔は割れていないでしょう! 顔割れたら私達、怒られますからね……!」

 師匠と言う人物がよほど恐ろしいのか、肩を震えさせてそう言ったエルは真っ直ぐ前を見た。閑静な夜の街、一直線の通り。隠れる場所、曲がれる路地も何も無い。ショーウィンドウに映る己らは、凄まじい速度で走り抜けていく。やりようはある、と少女は思う。あちらから私達が見えている様に、私達からも追手あちらは見えているのだ。そう思考したエルが隣を駆けるルークに指示を飛ばす。


三秒スリーカウントで行きます、合わせて!」
「了解!」

 ふわりと黒のローブを揺らし、ルークと呼ばれた少年は右腰へ手を伸ばす。そこにあるのは、レイピアの柄。防音の魔法を作っていた魔法陣が溶け崩れ、ブーツの靴音が明確になる。等間隔で並ぶ街頭の光が、ぱちぱちっとまばたいた。
 二人の口から、微かに息が漏れる。冬の寒さの中で、白く尾を引くその息は、息ではない。

 ワン、と微かにエルが吐く。2人で幾度もおこなってきた合図だ。レイピアをルークが引き抜き、エルもまた両腰から二本、逆手に短剣を引き抜く。しゅらん、と音を立てて抜かれたそれらから、夜の闇に銀の光が踊った。
 トゥー……、とルークも息を吐く。りぃん、と音を立てて二人の手に光が集まる。魔法陣を描く為の魔力、その体内から漏れ出ている分だ。そして最後の一歩の右足を踏み出して、それを軸にくるりと回転。追手の方へ振り返る。その青い目で少年は真っ直ぐに敵を睨みつけ、最後の合図を叫んだ。

スリー!」
スリーッ!」

 二人の言葉が被る。そして、ルークのレイピアが光を纏ったまま、真っ直ぐに突き出される。風を裂き、細剣は舞う。エルは双剣を振り上げ、思い切り地面へ突き立てた。刺さるはずも無いが、刺さらなくとも構わない。肝要なのは、自分が地面と繋がっていると言うイメージだから。

 ルークのレイピアに魔法陣が描き出され、そこから迸った風の槍が、数メートル離れ追って来ていた敵を纏めて薙ぎ倒す。絶好のタイミングだった。風の余波が、ルークの茶髪を揺らす。そして、地面へ突き刺さったエルの双剣が再び煌めいた。

 涼やかな音を立てて広がった魔法陣から、追手の足元を割り砕いて土の茨が現れる。あっという間に彼らを縛り上げたそれに、僅かながらも時間稼ぎとなることを期待して、すぐさま短剣二本を鞘に納めると走り出す。ルークもまた、レイピアを鞘に納めると走り出した。


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