コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

よくある異世界ものだと思いましたか?YES、その通りです!神
日時: 2020/05/25 22:28
名前: 多寡ユウ (ID: NqZUFIjv)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi

電話口から、彼女の愚痴が絶え間なく聞こえてくる。

最近は就活に関する愚痴がほとんどだが、
たまに最近の唸るような暑さに関する愚痴も多い。
困った話である。

「あああああ、ネット広告業界の志望動機考えるか、いきたくないけどぉ」
  
「なんかさ、地方に飛ばされんのが嫌だなあ」

「わたし、都会じゃないとむりぃ」


彼女が今日もうめき声をあげながら就活をしている。
かわいそうに。
外では蝉のなく声が聞こえてくる。まだ6月になりたてというのに、お盛んなことだ。
さて、こいつを就活させないと、俺に寄生するパラサイトになりかねない。


「そんなこと言ってもしかたないだろ。やれ。」

「はあーい。でもさああつーい。裸になりたーい」

「それとこれとは関係ないだろ、ほらやれ。」

「蝉きらーい、うるさーい。から、就活できなーい」

「うるさい、とっととやれ。」


まったくやる気がないうちの彼女に、就活をやらせようと、
必死こいて電話で急かす。


「はぁーい。カタカタカタ・・・・・」


お、珍しく聞き分けが良い。関心。


「♪差し出す手にィ・・、♪触れていいかなぁ・・、♪迷いながら・・」

「歌ってんな。やりなさい。」

「うげぇー、いいじゃん歌ってても!」

「歌ってると、歌うことしかしないでしょう、あんた。」

「それはそうかもしれないけどぉ・・ぶぅーーーーーーーーーーーー。」


全く、珍しく聞き分けが良いかと思ったら、全然聞き分けが良くねぇ。


「うし、俺も授業受けなきゃ。」


彼女のモチベーションを挙げながら、自分でも受けなきゃいけない大学の授業を受ける。
今のこのご時世、例のコ●ナウイルスで、完全リモート授業の真っ最中。

というわけで、パソコンの電源をつけたら、




目の前が、真っ白い光に包まれた。




Re: よくある異世界ものだと思いましたか?YES、その通りです! ( No.1 )
日時: 2020/05/25 21:02
名前: 多寡ユウ (ID: NqZUFIjv)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi

「まぶしっっっ!!!!!」

パソコンから真っ白い光が放出されている。
あーー、まぶしいぃ!ここ最近の人生で一番まぶしい瞬間だ。

多分、リゼロの最初の方にスバルが浴びた光みたいな・・・・

これって異世界に飛ばされるんかな・・。

こういう時って意外と、好奇心とかワクワクが勝つと思っていたけど、


不安しかない。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



今度は、目の前が真っ暗になった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「大丈夫か?君」



”気が付くと俺は”状態とはこのことか。
目の前にいたのはいかにも屈強な男だった。

体長3mはあろうかというその巨躯から見下ろされている、生きた心地がしない。
チワワの気持ちってこんなんだったのか。

日本帰ったら、買っとこ、『犬の気持ち』

その屈強な男が、俺に手を差し伸べてきた。
遊戯王に出てくるモンスターのような腕をしているのに、ひねりつぶすつもりかコイツ。

エグゾディアと心の中で名付けよう。




「おい、どうした起き上がれないのか?」

「いえ、全然大丈夫です」




大物を前にすると、ヒヨってしまう俺の悪い癖が出た。

あかん。ここはクールに、冷静に。

違う世界の住民だってバレるのは、
通常の異世界アニメの場合、

確かもう少し後のタイミングのはず。
だから、ここでバレるのはだめだ。
このエグゾディアとのフラグが完成しちまう。

まるでこの世界の住民がごとくふるまうんだ。

俺はできる。
僕はできる。






「あの、ここはどこですか?」






結論から言う、ぜーんぜんできなかった。

Re: よくある異世界ものだと思いましたか?YES、その通りです! ( No.2 )
日時: 2020/05/25 22:26
名前: 多寡ユウ (ID: NqZUFIjv)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi




「ん?どういう意味だ?」




エグゾディアが怪訝な顔をして言う。

そりゃあそうか。『ここはどこですか』なんて突然言い出すやつ、いないもんな。



「えっと、俺。旅人なんですけど、どこまで来たか分からなくなってしまって」

「旅人なのに、自分がどこにいるか分からないって、

 君、もしかして、痛い子なのか?」

「いえ、痛い子ではないです」



そりゃそうか・・・。旅人で今いる場所がわからないって、ありえないか。

10歳から旅をしているマサラタウンのサトシも、
ちゃんと毎回自分のいるタウン分かってるしな。

俺もこの世界でポケモンゲットできるんだろうか。




「まあお前、この島では見ない顔だし、観光客かなんかと見た」

「そうです。観光客。」

「どこから来たんだ?君」

「日本です。」

「二ホン?」

「日本です。」

「それはどっかの国なのか?俺は聞いたことないが」

「島国です。」

「おお、てことはこの国と同じだな」

「世界のGDP三位の国です。」

「じぃー、ディー、ぴぃー?」

「世界のトヨタの国です。」

「とよた?」



くそ、刺さってない。多分これは日本を知らないな。
てことは、ここは異世界である可能性が高い。

日本語が通じるのは、わけわからんが。



「まあ、俺が知らない島もあるってことか。勉強になったぞ、君」

「いえいえ、どんでもないです。」

「で、そんな二ホンから来た君は、なんでアレス島にやってきたんだ?」

「気まぐれです。」(アレス島っていうのか。よし、情報入手。)

「へぇー、モノ好きな観光客もいるもんだな」



「こんな、クソみたいな島に。どんな要件だ?」

Re: よくある異世界ものだと思いましたか?YES、その通りです!神 ( No.3 )
日時: 2020/05/26 00:45
名前: 多寡ユウ (ID: NqZUFIjv)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi



「いや、特に明確な理由があって、ここにきたんじゃないんですけど。」

「そうしたら、本当に物好きだな、君は」

「はぁ・・。」

「まあいいや、そこのベンチに座ろうや」

「えっ、ベンチなんて」


あった。



なんでこんな町中にベンチがあるんだ。
てか突然出てきたぞこのベンチ。
どこのラノベの主人公だ。

環境設定ガバガバじゃないか?この小説。
作者は何してんだ。
仕事しろ、仕事。

・・・。


町は、閑散としている。町というか村なのか。

ちょうど、中世ヨーロッパ風の、くたびれた村って感じだろうか。
村のにおい的に、貧乏の匂いがする。

なんだか薄気味悪いなあ。ラスボスを倒しに行く流れは死んでもごめんだ。

だって、特殊能力を授かった気配ないし。

勝てないし。


てなわけで、なぜか、超絶でかい図体をしたエクゾディアと、

なぜか白塗りのベンチで、まるでカップルかのように座る、


俺こと、出井尾メル(でいお める)。 



まったくラノベの主人公らしからぬ、

普通じゃない名前をもってしまったもんだ。





悲しい。もっと、キリトとか、カズマ、ナオフミとかそんな名前が良かった・・。

あ、読者のみんなは、KADOKAWAさんっていう偉い会社には内緒にしといてほしい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「この国は、戦闘神アレスが統治する、アレス島っつう島だ」



出だしからぶっ飛ばしているエグゾディアの発言、

お前が一番、アレスっぽいぞと、

俺の中のソシャゲセンサーがアラームを鳴らしていた。



Page:1 2



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。