コメディ・ライト小説(新)

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雪の足跡
日時: 2020/07/17 21:18
名前: TAMASA (ID: arA4JUne)

1月4日、
中学2年の玉佐喜一郎が住んでる家の隣の家に、とある一家が引っ越してきた。
「藤沢と言います」
「玉佐と言います」
「3人家族でして、妻と娘がいます。娘は中学2年生です」
「うちの息子も中学2年です」
「そうでしたか」


1月8日、
喜一郎は、藤沢沙織と一緒に中学校に行くことになった。案内のためだった。
(この子、綺麗だな。そして、背、高けえ)と喜一郎は思った。喜一郎は163㎝、沙織は168㎝だった。
「玉佐君は、何か部活してるの?」
「野球部だよ。9番ライトだけど」
「レギュラーなんだ。野球上手いんだね」
「ここ、めっちゃ田舎だから、人数が少なくて2年生が9人しかいないんだ」
「何クラスなの?」
「二クラスだよ。藤沢さんは、何か部活してたの?」
「バレー部よ。でも、今からバレー部に入ったら、ウザがられないかな?」
「バレー部の2年は3人だから、大丈夫だと思うよ」
「人数少ないんだね」
「女子バスケ部は、2年生だけで12人いる。バスケ部は女子の中で1番多いけど、バレー部は女子の中で1番少ない。何でかな?」
「さあ?」


2月14日、
「玉佐君、バレンタインデーのチョコレートあげる」
「ありがとう。女の子にチョコレート貰うの初めてなんだ」
雪が積もっていた。
足跡を見ると、喜一郎の方が大きかった。
「靴、何㎝なの?」
「25㎝だよ」
「私は23.5㎝、いずれ身長も、玉佐君の方が高くなるんじゃないかな」

























15年が経った。
藤沢沙織は、玉佐沙織となった。
結婚式場、沙織の隣に立つ新郎の身長は、沙織より10㎝高い180㎝だった。
「美男美女だな」と友人たちは言った。
「玉佐って、甲子園でのピッチャー、凄かったな」
「玉佐のおかげで、初の甲子園に行けたからな」
「プロ断ったんだろ」
「何でだろうな」
「そういえば、玉佐には兄がいたな。たしか、喜一郎とか言ってたな」
「あ~、あのチビ」
「兄弟なのに、身長と才能が全然違ってたな」

「喜一郎は、来なかったな」と玉佐の父親は言った。
「仕事忙しいって言ってた」
「たかが、新聞配達員なのにな」


中学3年になった喜一郎は、レギュラーを外された。9番ライトには中学2年の弟の玉佐勇喜がなった。


勇喜は中学1年の3学期に身長が伸び始め、4月には喜一郎の身長を超した。肩が強く遠投が野球部1だった。
一方の喜一郎は肩が弱く遠投が野球部1駄目だった。それどころか、スポーツテストのソフトボール投げも学校1駄目だった。顧問は喜一郎のあまりの才能の無さと、勇喜の天賦の才能を見て、勇喜をレギュラーにした。喜一郎は誰よりも努力してたが、全く遠投が出来なかった。捕球は上手く、打撃は毎日家に帰っても素振りをしているおかげで華奢で非力だがミートが上手かった。でも足が遅くアウトばかりだった。
勇喜は全く練習してないのに、初めから遠投が誰よりも出来た。練習せずとも何をしても上手かった。夏休みにはピッチャーの練習をし、新チームでピッチャーになった。高校2年になると180㎝になりエースピッチャーとなり、高校3年生になると身長は伸びなかったが体重が80㎏となり、剛速球を投げれるようになり、甲子園への出場を決めた。
プロのスカウトも来たが、勇喜はプロに興味は無かった。実は、野球にそんなに興味は無かった。他にやりたい運動部がなかったので野球部に入ったのだった。でも、野球推薦で1流大学に行ったので野球部に入り、大学野球でも活躍し、大手企業に就職した。

沙織は、高校生になると野球部のマネージャーとなり、勇喜を支えた。イケメンで高身長で体格がよく、エースピッチャーの勇喜が好きだった。浪人し、1年後、勇喜と同じ1流大学に行き、同期生となり付き合い始めた。


喜一郎は、中学3年の164㎝で身長が止まった。高校では卓球部に入り、地区大会初戦突破がやっとだった。
その後、一生懸命勉強したもののFラン大学がやっとだった。中学では100点取って当たり前だったが、高校の全国統一模擬試験から全く出来なくなった。スーパーカブ愛好会に入り、大学時代はスーパーカブに乗って全国一周をした。
弟の勇喜は人から好かれる男だが、兄の喜一郎はなぜか人から嫌われ馬鹿にされ見下される男で、就職面接も一次面接で落ち続け就職出来ず、大都市に行き、スーパーカブで仕事をする新聞配達員となった。
(中学2年が人生のピークだったな。世の中、なんて不公平なんだ。事故って死んで、異世界転生してチートな人生を送りたい)





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