コメディ・ライト小説(新)
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- 夏の百鬼夜行
- 日時: 2020/07/25 10:04
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
今年の夏は運命の季節。
蓬莱美月は夏の夜、祭囃子の音に惹かれ妖怪たちが住まう
「かくりよ」に迷い込んでしまった。
そこで出会った妖怪たちと美月は仲を深めていく。
- Re: 夏の百鬼夜行 ( No.1 )
- 日時: 2020/07/25 12:20
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
聞こえたのは横笛や太鼓などの音、それは祭囃子。
その音に惹かれて美月は脚を動かす。
もう、元の場所へ戻ることは出来ない。
「そっちへ行ってはいけない」
美月の腕を掴んだ鬼はそう言った。
「その向こうは崖だ。人間では越えられない」
鬼は竜月と名乗り美月の手を引いた。美月にこの場所について
竜月は教えた。暗く足場の悪い場所、竜月の提灯の灯だけが頼りだ。
「もうここに迷い込む人間はいないと思っていた。人間たちは
妖怪という存在を信じなくなってしまったから」
「信じる信じないが関係してるの?」
「いや、それも一つの要素だというだけだ。他にも色々な要素があって
迷い込んできた人間がいた。両親が霊媒師だったという子ども、
お前と同じように祭囃子を耳にして迷い込んだという人間…」
提灯の光が見えた。ここはかくりよ、妖怪たちの住まう場所。
ここにいるのは妖怪だけ。人に近い容姿をしている者もいれば
かけ離れた姿の者もいる。
「わぁ!綺麗!!」
「外にはこのような街並みは珍しいのか」
「和風な街並みはもう少ないかな。京都とか奈良にはまだ残ってる
けどね」
大きな橋を渡った先には大きな建物があった。そこはアパートや
マンションに近い。シェアハウスにも近いだろう。そこに竜月は
住んでいる。
「この場に合わせた服を揃えた方が良いか…」
竜月は美月を見て呟いた。
「あら、帰っていたのですね竜月様」
長い白髪の女性が声を掛けて来た。
「吹雪、丁度いい。彼女に服を用意したいんだが」
吹雪は雪女、彼女に美月を紹介した。彼の頼みごとを聞き吹雪は
美月を部屋の中へ入れた。
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