コメディ・ライト小説(新)

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廻る世界の境界線
日時: 2020/08/05 16:35
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

こんにちは、知る人ぞ知る、むう・夢兎です。
はい、またかよと思われるかもしれません。また書きます。
またすぐに放置すんだろ? うん、可能性は捨てれん!!


 *******************

ダメダメな作者ですが、よろしくお願いします。
趣味で書いていた小説のリメイク版になります。
相変わらず妖怪幽霊のお話ばっか書いてます。
人間に幽霊に妖魔に霊能力者にと…変な人ばかり出てきます。
難しい要素は(多分)ないですのでゆっくりしていってください。

 
※ちなみにタイトルは適当に付けました←おい


 〈注意〉

・掛け持ちのため更新不定期
・誤字・脱字多め(指摘してくださると嬉しいです)
・戦闘アリ。それに伴い流血表現も多少アリ


 【目次】


□第一章 がしゃどくろ退治

第一章登場人物>>01

第壱話「出る杭は飛び出る」>>02
第弐話「図書館のサボり魔」>>03>>04
第参話「スーパーにて」>>05
第肆話「地縛霊・糸花」
第伍話「突っ込みどころありまくりです」




Re: 廻る世界の境界線 ( No.1 )
日時: 2020/08/05 16:07
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)



登場人物紹介です!!
多いのはちょっと目をつぶってください。
話数が増えるにつれて登場します。

高町筑波(たかまちツクバ) 【男】
中3。中高付属なのをいいことに、のんびりと学校生活を送りたいと思うがそうはいかず。
少し小心者で、シャイでおっちょこちょい。主人公、しっかりしろ!
ちょっと心配な主人公。オカルト部に所属している。

利犬(リケン) 【男】
黒毛の犬の妖魔。筑波の使い魔。お調子者だか真面目だか良くわからない性格。人に化けると長髪の美男子になる。由良のことをいたく気に入っている。ひょっとしてロリコン?

二階堂由良(にかいどうユラ) 【女】
中1。サボり魔で図書室によくいる。実は上手の霊能力者で妖魔に詳しい。いつもは素っ気ないけど筑波の良きサポーター。怒るとずっとグチグチ言ってくるので注意。

細波蓮(さざなみレン) 【男】
筑波の親友で異性に人気の王子様。オカルト部に所属。自分から首を突っ込みたがるトラブルメーカー。四人兄妹の長男で、妹たちとのケンカは日常茶飯事。

内海あかり(うつみアカリ) 【女】
中2。オカルト部員。明るい関西弁の少女。甘いモノが大好物、少女マンガみたいな展開にあこがれている。そのプロフィールでなぜ、グロいモノまで大好きなのかは不思議……。

福伊真琴(ふくいマコト) 【女】
中1。しっかり者、そして由良の永遠のライバル(自称)。でもアニメオタクでもある。ギャップ萌えではないと思う。アニメはみんな好きですよね。

真野翼(まのタスク) 【男】
中3、オカルト部部長。何やらなぞの多い人物。右目の眼帯も、すごく怪しく思う。いつも余裕たっぷりで、幽霊にも妖怪にも、ラブレターにだっておどろかない。すごすぎる。

真野翔 (まのカケル) 【男】
中2、副部長。翼の弟、兄とは逆に何にでもおどろく。そのせいでいつもビクビクしているので、少しかわいそう。兄弟そろって個性強め。


糸花(イトカ) 【女】
交差点で死んだ地縛霊。由良によって浮遊霊に昇格した。勝気な性格。筑波、利犬とともに行動している。見た目小学生なので、見える人には筑波の妹に見える。年下扱いが大きらいで、そんなことを言ったらひどく怒る。

ケルベロス3兄弟 【男】
利犬の配下、妖魔ケルベロスで、一つの体に3つの頭を持つ犬。
右の頭が次男の「ジオン」、熱血な性格。真ん中が長男の「シガー」、利犬とそりが合わない。左が末っ子の「ラニ」、この子が一番真面目。

ミシェル 【女】
利犬の配下。悪魔の少女で、配下の中では一番強い。背中にコウモリの羽をはやせ、口から炎を吹いて攻撃できる。性格は怒ると狂暴。普段は偉そうだが、気が強く情が熱いので皆から慕われている。

アブヴィアス 【男】
「明白」という意味の名を持つ敵の組織「ヴィンテージ」の一員。卑劣な手を使って妖魔を殺し、ボスの魔力をためる計画はこいつが考えている。

スライ 【男】
「陰険」という意味の名を持つ「ヴィンテージ」の一員。情報処理担当。ボスの次に強く、何匹もの魔物を使わしている。

スピカ 【女】
本名は誰も知らない。人間なのかもわからない少女。いつもは仮面をつけていて、紫色の長い髪をたなびかせながら、敵の情報を教えては去っていく。敵味方もなぞである。

篠月唯夢(しのづきユイム)【女】
妖魔を狩る「ハンター」。由良のいとこで頼れる助人。感情が伺えない淡々とした口調が由良とよく似ている。ひどい毒舌&方向オンチが玉にキズ。あれ? ちょっと大丈夫か心配になってきた!






第壱話「出る杭は飛び出る」 ( No.2 )
日時: 2020/08/05 16:15
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

〈学校、オカルト部部室〉

 俺は何をやらされているんだろう。
 右手にロウソク、左手に手紙の入った封筒。
 こういうことをしろと命令した、内海うつみあかりは、仁王立ちをして腕を組んでいる。

「えっと、これって、罰ゲーム、だよね。何?」

 毎度恒例、オカルト部では部活の最後にトランプゲームをして、負けた人が罰ゲームをやって解散という誠におかしな決まりがある。
 今日は俺。最後の最後でジョーカーを引いてあっけなく負けたのだ。

「ああ、折角書いた手紙が自分の手によって燃える、というスリルを味わってもらいたいんの、分からん? 先輩とウチは同志やって思うたのにぃー」

 関西から引っ越してきた彼女の関西弁は、関東で聞くと独特だ。
 テレビの向こう側で聞いていた方言が、間近で聞けるという複雑さ。

 そしてなんだよ、さっき書かされた手紙を自分の手で燃やす罰ゲームって。
 スリルどころか、虚しすぎて泣けてきそうだよ。

「やるんだったらもうちょっと、キツイ方がいいと思います」

 一年生の福伊真琴ふくいまことが、部屋の壁にもたれながら小さく手を上げる。

 おい、キツイって何だよ。怖い!
 それに、皆には見えてないかもしれないが、俺の横には黒い犬がいて今ケラケラ笑っている最中だから! 
 使い魔に笑われる主が俺だよ。

「えぇ、真琴ちゃんも分からんの?もしかするとウチだけ? ああ、皆にはわからんのや、これがラブレターだったらと思うたら寂しくなってくるこの気持ちなんかぁ~!」

 あかりがずっとワアワア喚いている。
 それは少女マンガみたいな展開にあこがれているお前と、恋をしているリア充にしか分からないと思うぞ。

「わあ、あかりちゃん泣かないで。じゃあ僕と外行って話そう? ね☆」

 きた。異性に人気なモテ男で、ついでに俺の親友、細波蓮さざなみレンの必殺技、甘い笑顔と口説き口調。これでコロッといかれる女は多いと聞く。悪魔だ。

「あのー、手紙もうもう燃えたので、上がります」
「はい、お疲れ様」

 いつも余裕、右目の眼帯がなぞな部長、真野翼まのタスクがのんびりと言う。
 うーん……もうちょっとなんかリアクションあってもいいんだけどな。

 もう付き合っていられないので、さっさと帰らせてもらおう。
 俺こと高町筑波たかまちつくばは黒毛の犬の使い魔・利犬りけんを引き連れて、部室を飛び出した。



第弐話「図書室のサボり魔」 ( No.3 )
日時: 2020/08/05 16:22
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 〈図書室〉

 少女は図書室の中で、脚立に腰かけて本を読んでいた。
 ここは静かで誰もいない。実に落ち着く。

 そう思っていたら、騒がしい音を立てて入り口が開いた。
 誰? 
 本を閉じて、肩に力を入れて身構えると、何やら話し声がする。

「まさかあんな罰ゲームだとは、俺も思わなかった」
「お前笑いすぎ! ホント躾がなってねえよ!」

 読者にはもうわかっただろうか。
 中に入ってきた無礼者は、何を隠そう高町筑波とその使い魔、利犬である。

 今は人間の姿の使い魔は、俺より十センチくらい低い背丈で、腹を抱えて笑い転げている。

 ここ、本当に誰もいないだろうな。
 あの部室に居たくなくて逃げて来たんだが、利犬は霊感が強い人には見えるかもしれないから、大声で騒ぎ立てるのはちょっとダメだな。
 注意しようと口を開きかけたとき……。

「ここは図書室です。騒ぎ立てるなら帰ってください」

 涼やかな声音が聞こえると同時に、一人の少女が姿を見せた。
 うちの学校の制服の、セーラー服っぽい黒いブレザーと、灰色と黒のチェックのスカート。

 上履きの色から、一年生だと分かった。
 黒い髪をショートボブにした、長い前髪とまつ毛が特徴な少女だった。

「ごめんな、お前は見える系か。こいつ、色々とうるさくってさ。ごめんなちゃい」

 両手を合わせて謝ると、少女の眼が鋭くなる。

 うわ、警戒か軽蔑されているな。
 ひょうひょうとしていたのがマイナスだったかもしれない。

 少女は脚立に腰かけると、抱えていた本を読み始めた。
 随分分厚い本だ。

 その姿を見て、はたと思い当った。
 学校で噂になっている、一年生の女子がいる。
 なんでもサボり魔で、授業に出ないだけではなく、図書室に引きこもっているとか。

 もしかしてこの子のことか?

「こんにちは。俺は利犬という。君の名前は?」

 おい利犬! しれっと、一年生ナンパしてんじゃねえ!
 しかも少女の右手をそっとつかんで、何しでかす気だ! 

 こんなんじゃ俺の使い魔は誰にでもナンパする奴だと思われても当然だ。

「……二階堂由良にかいどうユラです。あなたはかなり強い妖気を持っていますね。そちらの方とは、どういった関係で」

 由良は、鋭かった眼を少し丸くした。

第弐話「図書館のサボり魔」 ( No.4 )
日時: 2020/08/05 16:26
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 そりゃあ、正面に妖魔がいたらなあ。
 見える人は慣れているんだろうが、このありさまだからな。

 俺は利犬の頭をぺシッと叩いた。

「お前何してるんだ、変態ッ!」
「ちょっとやめろよ。
 ほら、純粋な少女には俺の魅力が引き立って見えるんだよ」

 俺には全然、全く、一ミリも見えないよ!!!

「こいつとは主従関係だよ。
 俺が主で、こいつが使い魔。
 まぁ、使い魔っていうより、友達の感じが強いけどな」

 使い魔って言っても、言うこと聞かないし。
 勝手に変なことするし。

 出会ってすぐの、あの渋い印象は跡形もなく消え失せて、今はお調子者っぽさが滲み出ている感じですかね。

「友達…ですか。いいですね」

 由良は本のページもめくりながら、そっと呟く。

 この子は、あまり人に興味がなさそうだな。
 ちょっと冷たいし、口調に抑揚がなく淡々としすぎだ。
 そんなんだから、人と壁をつくっちゃうんだろう。

「ほら、笑えば誰だって親しみやすくなるもの。思い切ってスマイルやってみなよ」

 俺は自分の頬を両手の人差し指で押して、口角を上げた。

 多分今の表情、とてつもなくヤバイな。
 変顔だよな、笑顔ではなく。

「……ふざけているんですか」

 ふざけてねえ!!! と言いたいところだが、ふざけています。ハイ。

 でもなんか、この子面白いな。
 素っ気なさを装っているけど、結構かまってもらいたそうだ。
 で、かまってやると今度は距離を置いてくる。

 こういうのを最近はツンデレって言うんだよね。
 まだまだお子様だな(←お前もだろ! というツッコミは無しで)

「ほらほらぁ、年下には優しくだろー」

 利犬が俺の背中をバンバン叩く。
 バッシイイィ!! という快音が図書室に響いた。

 おまえな……。主にも優しくって教わらなかったのかァァァァ………!!?
 

「この、駄犬!! ドックフードやらねえぞ!!」
「え、それはやめてゴメン俺が悪かった、由良ちゃん助けて!」
「出会ってすぐの他人に助けを求めんじゃねぇぇ!!」


 アーメン。

第参話「スーパーにて」 ( No.5 )
日時: 2020/08/05 16:32
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

〈街中、スーパーにて〉

 一度家に帰って、荷物を置いてから、俺は利犬と一緒に近所のスーパーへ来ている。

 いつものことだが両親が夜遅く帰ってくるので、普段は自分で夕食をつくるのだ。

 まあ、夕食をいつも作っているとはいえ、家庭科の成績はいい方ではない。
 不器用だから、一品作るだけでもキッチンは乱雑してしまうのだ。

 今日は、何にしようかな。
 確か昨日は肉料理だったから、魚でもいいかもしれない。
 無難だし、もうさばいてある奴を買えば、手間も省けるし。

「おい利犬、そんな目で見るなよ。そりゃあお前は犬だから、肉好きだろうけど、今日は魚だ、フィッシュ! 二度は言わないからな」

 目を潤ませる犬を見て苦笑い。
 ホント犬だな(いや、人間の姿にもなれるんだけど、相変わらず魚は好きじゃないみたい)。

 と、

「あれ、筑波! お前も買い物?」

 振り返ると、後ろには右手に籠を持ち、隣にいる三人の妹の頭をなでている蓮がいた。
 確かチビッコたちは、長女が小6の空ちゃん、次女が小3の陽菜ちゃん、三女が小1の美穂ちゃんという名前だったはずだ。

 陽菜ちゃんや美穂ちゃんはともかく、反抗期の空ちゃんは頭をなでられるのを猛烈に嫌がっている。

「でっかくなったなー。前会ったのって、俺たちが小学生の時じゃん」

 小さいころは良くお互いの家を行き来していたが、中学生になると部活などがあって、あまり遊べなくなったのだ。
 このチビッコたちを見るのも三年ぶり。

「こんちゃ」

 空ちゃんは軽く頭をさげると、いつまでも頭をなでてくる兄の手を振り払って怒鳴った。

「やめてよ、この馬鹿兄。アホ!!」

 うわー。年頃の小学生って、怖ぁ……。
 そして妹を三人も持つ親友も苦労人だな。
 俺も妖魔を引き連れてはいるが、最近の女子ってうるさいからな。

「お前、人が親切にやっているのに、その言い方はないだろ!」

 蓮も負けずに怒鳴り返す。
 学校にいるときの、キラキラとした王子様オーラはどこ行った! 
 お前に恋している奴が今のお前を見たら、ショック受けそうなほどの変わり身。

「その親切が厚かましいって言っているのよ。ていうか親切なんていらない!」

「ヒドッ。うちの妹はいつの間に口が悪くなったんだよ、なあ筑波」

 俺に聞かれても。
 人様の家の情報をなぜ、他人が知っていると思えるんだよ。

 隣を見ると、利犬が美穂ちゃんをジー――ッと見つめている。

 はっ! このダメ使い魔、またやる気だな。
 つい数時間前に引きこもり一年生をナンパしたばかりなのに、もう違う人にもやるつもりか。

 させるかよ、このご主人様が説教してやるぜ。
 俺は利犬に後ろから忍び寄ると、ゴツンとその頭を一発殴ってやった。

「痛ったぁ! おい筑波、何をするんだよ」
「……お前こそ何してるんだ。ここはスーパーだぞ。親友もいるから静かにしろよ、駄犬」

 言葉に最大級の軽蔑をはらんでやると、利犬は顔を震わせて、怒りを噛みしめている。
 そんな俺らを、チビッコたちは不思議そうに眺めている。

「高町くん、何しているのー?」
「毒でも飲んだ―? お腹壊した—?」
「「「毒飲んだら死んじゃうから!」」」

 俺、蓮、空ちゃんの声がぴったりと重なる。
 その間にも、うちの使い魔は大声で叫んでいた。

「だれが駄犬だ―――――――ッ!!!!!!」


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