コメディ・ライト小説(新)
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- 幽霊と出会った私の話。
- 日時: 2020/08/07 15:53
- 名前: 大トロ。 (ID: 3VZsLdTg)
朝起きたら目の前に、羽の生えた少女がいた____。
短編集で出そうと思っていたものですが
意外と長くなりそうなので連載小説として投稿します。
苦手な情景描写をするんでむっちゃ修正します。
書く事なくて泣きそう()
- 朝一番に少女と出会うと誰が予想した? ( No.1 )
- 日時: 2020/08/06 22:16
- 名前: 大トロ。 (ID: 3VZsLdTg)
『じゃじゃーん!!!』
寝起きに聞いた第一声がこれ。
普通、鳥のさえずりとか風のそよぐ音とかそういうので1日が始まるよね?
あー...木の葉がそよいでんなぁ...とか思って起きたかったんだけど。
前方に見えるは顔を覗き込んでる少女ひとり。
こんな一日の始まり方があってたまるか。
ていうか目の前にいるこの少女は誰?
白い髪に白い肌。どこも痛んだりしていなくて、とても綺麗だ。
透明感という言葉をそのまま再現したような子。
プラスで白い羽根。頭に輪っか。
こんな子と知り合いだったっけ。
...とりあえず無視してみるか。
私は黙って少女の横を通り過ぎた。
『ちょっえっなんで?!』
なんでって何、こっちがなんでなんだけど。
ここは私の自室。家族はともかく、知らん子がいるとは考えられん。
まぁうちは代々「みえる」家庭だから、一日のはじめに見るものが
「天井」ではなく「天井にめり込んでる霊」ってことはあるけど。
霊だと仮定して、話しかけてきたのは君が初めてだから
どう対応していいのか分からないんだよ...
『もしかして...ボクが見えてないのかな...』
まさかのボクっ娘なのね君。うん。私はそういうの嫌いじゃないけど。
『おーいお嬢さーん。ねぇー聞こえるー?』
面白いなこいつ。
でも関わるのは面倒くさそうだと思った私は、黙ってドアノブに手をかける。
キィィ...と音を立ててドアは開く。
『ばぁ!』
「うわぁ?!」
目の前にはさっき部屋にいた少女がいた。
さすがに驚いて声を出してしまった。
まぁそっか。幽霊なら壁を通り抜けることくらいできるか...。
『うふふふ♫驚いたー♫』
フワフワ浮いている少女は、手が見えないくらいに長い袖を口元にもっていって笑っている。
なーんか悔しい...
『よかったぁーボクが見えないのかと思ったよー』
見えないっていうか見たくなかったというか...
私は大きくため息をついた。
『えっなんでため息ついたの?』
「あの...私に何か用かな...?」
少女睨みあげて話しかけてみる。
『もう!睨まないでよ!そんなボクのこと嫌い?』
そんなテンションで話しかけてきた時点でもう苦手な子だって思ってたよ。
私はクラスの端の方にいる、いわゆる陰キャだから
こういうテンションにはついていけない...
「何か用かって聞いてるんだけど。」
『...あの、もしかして、ボクのこと覚えてない?』
「覚えてない。用がないなら行くから。」
『.......。』
黙った少女の横を通り過ぎ、廊下に出た。
我ながら冷たい態度をとってしまった。
「ボクのこと覚えてない?」ってなんのことだろう。
霊と関わりなんてあったっけ。今までになかったはず...
良心が痛むけど、こんな冷たい態度とったら流石にもう関わってこないでしょ。
もうあの子の事考える必要は無い。
気にしない。
そんなことを考えながら1階のリビングへと向かった。
- Re: 天使と出会った私の話。 ( No.2 )
- 日時: 2020/08/06 22:16
- 名前: 大トロ。 (ID: 3VZsLdTg)
あぁ...しまった。
リビングに入った時のお母さんの反応を見て思った。
目がキラキラして、イキイキしてる。
それがなんでか、予想はつく。
後ろに、あの少女がいるからだ。
うちは代々「みえる」家庭。私含め家族全員がそう。
だからお母さんがそんな反応するのも無理はない。
だって幽霊でこんな美形居ないし!!
ていうか、なんで着いてきてんのよ。あんな言い方したじゃない。
冷たい態度とったのになんで。これじゃなんか凄い罪悪感が...
「キャー!何この子!!可愛い!!!」
初めて聞くほどの甲高い声が家中に響いた。
「幽霊ちゃん?可愛いねぇ!どうしたの?」
もう可愛い連発し過ぎ。ってかそんな反応されたら、追い返せないじゃん。
『こっこんにちはー...』
さっきのテンションはどうした少女!
押しては来るけど押されるのには弱いのか...?いや意味わからんか。
『あっあの、お願いしたいことがあって...』
「うんうん、おばちゃんになんでも言って!」
もうダメだ収集つかん。お母さんがもうテンション上がっちゃってもうダメだ。
まぁ...話だけは聞いてあげてもいいか...
『ユズキちゃんと遊びに行きたいです!』
..........は?
ユズキって私の名前じゃん。なんで知ってるの?
その時、この子の言葉をまた思い出した。
「ボクの事覚えてない?」
面識があった?会話したことがあるの?
分からない。分からないよ。
「いいわよ。」
混乱している間にお母さんが返事をしていた。
...って何がいいわよだ!
「よかないわよ!勝手に決めないで!」
「だってぇ...あんたどうせこの夏休みどこも行かないでしょどうせ。
少しは外に出たら?」
そう、今日から夏休み。
私は今年も陰キャらしく家でゴロゴロしたいのに...!
「だからってねぇ...」
『ユズキちゃん!』
「ん?」
『いこう?』
キラキラした純粋な目が私を見つめる。お母さんの視線も感じる。
目は合わせないけど。
きっと嫌だって言ってもうるさいんだろうなぁ...
まぁ確かに少しは外出しなきゃだな...
「っはぁぁ...もう、いいよ。行こうか。」
これはアレだから。一緒に行ってやろうではなく
健康の為に運動しようってことだから勘違いしないでよね。
いやツンデレじゃねーし。
『本当?!やったぁぁぁ!!!』
ピョンピョンはねまわる少女を見てるとなんか懐かしい気がする。
でもなぜそう感じるのか、そこまではわからない。
ここでお母さんが話を切り出す。
「そういえば、私達はあなたをなんて呼べばいいかしら?」
「私“達”?」
「えっだってここに住むんじゃないの?」
「急に話飛ばしたな...っていうか住むってそんな話した?」
「えぇ?一緒に外出するなら待ち合わせとか大変じゃない。
あと、その子が住む場所とかあるの?」
『ないです...』
「ほら。」
「ホラじゃないの。...もういいや。どう言ったって住まわせるんでしょ。
んで名前。なに?」
半分...いや、完全に諦めて対応も適当になる。
『えっとー、つむぎって呼ばれてましたっ!』
「つむぎ...ね。よろしくね。もう私のこと呼び捨てでいいから。」
『やったー!ユズキ!ユズキ!!』
「やめて連呼しないで、」
『なぁんでー?!』
無邪気な少女...つむぎが新たに家族の一員になった。
あんまり関わりたくはなかった...けど今は名前を呼んでもらえて嬉しい自分もいる。
...できるだけ早くに宿題を終わらすようにしよう。
- 遊園地(ダンジョン) ( No.3 )
- 日時: 2020/09/03 17:07
- 名前: 大トロ。 (ID: 3VZsLdTg)
『ユーズーキー!!!早く行こ!』
つむぎはそう言って笑う。
...外出しなきゃなって思った...でもここだとは...
この『遊園地』という名のダンジョンに行くことになるとは...!
『あのね!ボクこれ乗りたくて!!あとーあれも!!!』
「待って待って、落ち着いてよ...」
どんどんと進んでいくつむぎを追っていく
...が、相手は幽霊。人や物を通り抜けて進んでいく人?と、
それらを避けながら歩く人では歩行スピードが違う。
...くっそ...ゆっくり歩くように言っとけば良かった...
そう思っていると...
ドンッ
と男の人にぶつかった。
「っ...あ、すみません...」
謝罪の言葉。陰キャっぽいかなって思ったけど、謝る事が悪じゃないから悪く思われないよね。
すると相手は振り返って、漫画では「ギロッ」という効果音が入るような鋭い目で睨んできた。
なんで...?
まあ睨まれるのは慣れてるし...良いけどさ...
ってそれよりつむぎを探さなきゃ。
『ユズキー!!』
そう思った途端、声が聞こえた。
『もー!遅いよ...』
途中で言葉の勢いをなくした。
顔は青白く、びっくりと恐怖を混ぜ合わせたような顔。
その瞳は、さっきの男の人を見ていた。
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