コメディ・ライト小説(新)
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- 不良高校の優等生
- 日時: 2020/08/06 19:18
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
親の手回しで不良高校に入学してしまった主人公
月守星来。その高校は最近、共学になったばかりで今年の1年生で
彼女は1番浮いていた。
果たして星来は最凶最悪の不良学校で生き残れるのか!?
- Re: 不良高校の優等生 ( No.1 )
- 日時: 2020/08/06 19:49
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
朝になって星来は今まで以上に緊張した面持ちで家を出た。
不良高校「鬼頭学園」、最近共学になったことを知った両親に
いつの間にか入学手続きがされてしまっていた。
不本意ながら、しかし学校に行かなければという気持ちもあって
サボる気にはなれなかった。
校舎にはスプレーでの落書きがあちこちに描かれ、星来は隠れながら
見回る。数人の喧嘩を見ていて星来の顔は真っ青になっていく。
「…帰ったら文句を言うしかないわ」
小柄な男子生徒の動きを見て星来は焦り始める。
入学式なんてとんでもない。全生徒が集合すれば珍しい女子生徒に
全員が目を向けている。どうにか乗り切り、教室に帰るときだった。
「お前、ここが何処だか分かってんのか?」
「不良高校でしょ。分かってるって」
金髪でヘアバンドを付けた男子生徒。同じクラスの久瀬陸兎。
「舐めてるんじゃねえの?お前程度じゃここでは生きられねえよ」
「分かってるよ。でも入学早々、途中で退学する気は無いし…
あぁ、でも!あーもう、文句しかない!!なんで勝手に入学手続き
しちゃうんだろう…」
一人でにブツブツ呟き始めた彼女に彼は容赦なく攻撃を仕掛けた。
体を反らし回避した。
「ちょっと!喧嘩を売るのは自由だけど勝手にやらないでよ!それにそこ
ワックスひっくり返したところだよ」
陸兎は体勢を崩した。顔を上げた直後、彼の顔面を星来が蹴り飛ばす。
細く長い脚は彼の右頬を捉えたのだ。
「って~!!タンマタンマ、俺の負け。女に攻撃喰らったし」
「あ、ごめんね!だ、だだ、大丈夫!?」
「何真面目に謝ってんだよ。喧嘩を吹っ掛けたのは俺だし。それに
マブダチだろうが」
そんな不良漫画をたまたま見かけたことがあった。星来はフッと
微笑を浮かべた。ワンチャン、どうにかなるかもしれない。
そう思ってしまった自分がいた。
- Re: 不良高校の優等生 ( No.2 )
- 日時: 2020/08/06 20:09
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
陸兎の動きは空手らしい。
一度だけ友達が空手をやっている姿を見たことがあった。
その時と同じような動きをしていて既視感があったのだ。
「そういえばお前、よくあんな蹴りを出せたな」
「あぁ、あれね。友達がよく蹴ってたからなぁ悪戯をする男子を。
あ、勿論寸止めだから!」
「それに」と星来は続けた。
「真っ向から戦うことだけが喧嘩じゃないでしょ」
窓の外から見えたのは少年と彼に絡む不良生徒。窓から身を乗り出し
チョークを投げ飛ばした。
「年下相手に何してるの!!弱い者虐めしか出来ないワケ!!?」
ムキになり彼らが中に入ったことを確認して窓から飛び降りた。
近くの柱を伝って。
「大丈夫?何かされてない?」
「うん、大丈夫。お姉さん、ありがとう。僕ね、お兄ちゃんにこれを
渡しに来たんだ」
「…もう少し、ここから離れた場所で待っていようか。その方が
怖い人たちに目を付けられなくて済むと思う」
それから少年と別れた。その様子を誰かが見ていた。声が聞こえない、
そして途中から見ていた人物は何か誤解をしてしまったようだ。
「クソ女が…」
末継時貞、小柄だが学年最強と言われている。
「ていうか、お前さ。背、高くね?」
「そう?まぁでも、女子の方ではそれなりに高い方だったけども…」
167㎝、まぁまぁ高い方に入る身長である。そして脚も長い。
両親はそこまで背は高くないのに…。
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