コメディ・ライト小説(新)
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- 妖怪たちの屋敷
- 日時: 2020/08/06 21:58
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
それは所謂シェアハウス。
そこに住んでいるのは妖怪だけである。
大火事で家を失い、家族も失った雛月千尋は疲れから
意識を失い川へと落ちてしまった。
彼女が目を覚ますと綺麗な部屋の中にいた。その家は既に
現実とは違う世界。川へ落ちて溺死寸前の千尋を助けたのは
龍神だと住人から聞かされ彼に会って礼を言いたいと思った。
- Re: 妖怪たちの屋敷 ( No.1 )
- 日時: 2020/08/07 09:28
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
家は全焼し、一人娘を残して家族は全員死亡した。
それは雛月千尋の心に大きく傷を作ってしまった。
段々と体が重くなり千尋は意識を失ってしまった。その橋は
大きな川へと沈んだ。
賑やかな声で千尋は目を覚ました。
「おぉ、起きたようだな小娘」
赤い目をした大柄な男。人間ではない。何故なら角があるから。
名前を槐、彼は鬼だ。
「ここには人間はおらん。妖怪しかいない。お前がいた場所とは違う
場所だ」
数人も彼の声に反応して近寄ってきた。
「まぁ可愛らしい子ね。私は雪路、雪女よ。よろしくね千尋」
長い白髪が揺れた。少し涼しい。雪女である彼女から出ている冷気だ。
「それよりも今は教えて欲しい事しか無いんだけど一体何が
起こったの?家が全焼してからその場から離れて意識を失って…」
そこからの記憶は無い。それに関して槐は自身の推測を話した。
「お前をここに連れて来たのは龍神だ」
「龍神?」
「あぁ、滅多に姿を見ることは出来ない神だ。今まで誰一人として
奴を見た者はいない…お前は川にでも落ちたのだろう」
確かに意識を失ったのは橋の上…。
「じゃあその龍神が私を助けてくれたんだ!ちゃんと礼を言いに、て
そんなに珍しい神様に会えるのかな?」
「難しいと思うわ。私たちは貴方よりずっと長生きだけどそれでも
そんな沢山見ることは無いわ。運が、良かったのかもしれないわね」
「だがまぁ、どっちにせよ人間の世界へは帰れないだろう。向こうでは
既にお前は死んだ人間として扱われている」
そう言われて複雑な気持ちになった。生きているのに死んだことに
されている。存在を消されてしまったのと一緒だ。だが落ち込んでいる
暇は無い。
「一度は会えたんだから二度と会えないワケじゃない。私はここに
いる、絶対に礼は言わせてもらわないと」
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