コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

歩けない娘の百鬼夜行
日時: 2020/08/09 21:01
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

生まれつき歩けず車椅子生活を余儀なくされて来た少女

花牟礼はなむれ 綺華はかくりよにやってきた。そこは妖怪や神が

暮らす場所だった。


Re: 歩けない娘の百鬼夜行 ( No.1 )
日時: 2020/08/09 21:47
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

桜吹雪が一人でいる綺華あやかを隠してしまった。

気付いた時にはそこは「かくりよ」と呼ばれる場所だった。


「お前は歩けないのか」

赤い目をした鬼神の名は紅漸という。

「それは生まれつきか、不運だな。皆と同じことが出来ないのは

さぞ辛いだろうに」

「そんなの…慣れでどうにかしたよ」

紅漸は車椅子を押した。

彼女と共に自身が住んでいる場所へと帰っていくのだ。

そこは大きな桜の木がある神社だった。

「ここに住んではみないか。これからはここがお前の家だ」

「いいの?こんな綺麗なお社で…私が…」

自力で車椅子を動かし移動する。

「ここはもう使われなくなってしまったんだ。が、壊すのは

勿体ないと思って迷っていたんだ」

住めないほど古ぼけてはいない。少し掃除をしたりすれば十分

生活できる場所だ。それに綺麗な桜も独り占めできてしまう。

「ここは妖怪たちにとっては神聖な場所なんだ。人間と妖怪の

境目となる場所。だからこそ人間の君にここに住んで欲しい。

巫女姫としてね」

「うん!私、こういう場所に住むことに憧れてたの!」

綺華は目を輝かせていた。その明るい顔を見て彼は安心したように

笑った。

「やっと笑ってくれたか綺華。ならばこれからはお前の家だ。

待っていてくれ、服なども持ってくる」

ここまで来るのに紅漸は自身の怪力を使って車椅子ごと持ち上げて

階段を上ってきた。え、これから自力で外に出るときはどうすれば

いいんだろうか。

Re: 歩けない娘の百鬼夜行 ( No.2 )
日時: 2020/08/11 13:57
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

暫くして紅漸が戻ってきた。その手には青い袴があった。

「この服ならば外を出歩いても浮いた存在にはなりにくいだろう」

手摺に捕まり綺華は慣れた手つきで着替えを始める。

紅漸は部屋を出て戸を閉め、外で待っている。流石に異性の

着替えを見ているのは破廉恥だ。

着替えが終わって彼は目を見開いた。

「似合っているじゃないか綺華」

綺華は顔を赤く染めていた。少し照れているようだ。

「それと彼の事を紹介していなかったな」

紅漸が紹介したのは毛先が赤い白の九尾の狐、流。昔からこの

神社に住み付き今までいなかった巫女姫に代わってここを守っていた。

「さて、渡すものは渡した。俺は戻るよ、何かあれば流を

頼ればいい」

「もう、会えない?」

「まさか。たまにはフラッと来るさ」

そう答えて紅漸は階段を降りた。

「行きたい場所、とか言われても何も思いつきませんよね」

流は呟いた。この辺にどんな場所がある、そんなことは分からない。

一先ずやるべきことは神社内を掃除することだろうか。

掃除用具を手に車椅子を動かしながら掃除を始めることにした。

「あぁ綺華さん、床は俺が。車椅子じゃやりにくいでしょう」

「ごめんね流」

綺華の体を気遣って彼は率先して手伝ってくれていた。逆にそれに

対して綺華は申し訳ないと思った。

「そう気を落とさないでください」

「え?」

「別に僕がやりたくてやっているのです。綺華さんは大人しく

手伝われていれば良いのです」

流はきっぱりと言った。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。