コメディ・ライト小説(新)
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- クソゲーへ転生した俺は既に詰んでいる
- 日時: 2020/09/09 21:41
- 名前: あお (ID: ikU4u6US)
神様の手違いにより命を失った少年、木崎 浩太は神様に「お詫びに何かさせて欲しい」と言われる。そこで浩太は「ゲームの世界に転生したい」と答えた。
しかし、神様の勘違いにより、究極のクソゲー『シュリム・クエスト』の世界に転生させられてしまった!
果たして、浩太はこのクソゲーの世界で生き残ることは出来るのか⁉異世界転生ならぬクソゲー転生の物語が今、始まる──
※お試し小説投稿様にも投稿させていただいてます。
>>1 プロローグ
- プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2020/09/09 21:44
- 名前: あお (ID: ikU4u6US)
目を開けると知らないところにいた。
「えっと……。ここ、何処だ?」
辺りを見回しても何も無い。白い床がどこまでも広がっているだけだ。
「俺、何をしてたんだっけ……?」
記憶がぼんやりとしている。自分の名前は……木崎 浩二。それは思い出せる。歳は……十七。家族は四人で、顔は……。うん、だんだん思い出してきた。それで、今まで何をしていたんだっけ?
…………そうだ、確か、学校の帰りにトラックが突っ込んできて……
「俺、死んだのか……。」
「えぇ、そうですよ。」
顔を上げると、目の前に少女が立っていた。雪のような白い髪と、サファイアのような青い目。着ている服は貫頭衣というやつだろうか。
そして、何より目を引くのがその整った顔立ちだった。人形のような浮世離れした容姿に言葉を失っていると、少女は口を開く。
「フフッ。『浮世離れした容姿』なんて照れますねー。」
「ありゃ、口に出してた?」
「いえいえ、私も一応『神』ですので、頭の中を覗くぐらいはできますよ。」
「へー、って神⁉」
「えぇ、神ですよ、私。」
……普段なら笑って流しただろうが、今の俺には死んだときの記憶があった。
経験は無いがさすがにあの速度で突っ込まれたら、助からない気がする。つまり俺は死んで、ここは死後の世界ってことか?だから、神様とやらにも会えるってことかな?
「うーん、少し違いますね。現実世界とあの世の境目ってところですね。」
「また考え読まれた! まぁ、あなたが神様だとして、……俺に何の用なんですか?」
「あー、それがですね……。実は、あなたはまだ、死なない筈だったんですよ。」
「へ?」
「まぁ、何というか、私の手違いであなたは死んじゃったんですよ……。」
「え、じゃあ、俺、あんたのせいで死んだの?」
「えぇ、まぁそうなりますね……。あ、ぁ、ですから、何かお詫びがしたなー、と思ってあなたをここに呼んだのですよ!」
「お詫び……。」
あれ?これ来てない?ラノベのテンプレ展開来てませんか?
「えぇ、もちろんあなたが望むなら、剣と魔法のファンタジー世界への転生も可能ですよ。」
「マジで⁉」
「マジです。」
ヤバッ! 来たよコレ! 俺の時代来ちゃったよー‼ フォオオオオオオオオオ‼
……待て。いったん落ち着け俺。そうだ、深呼吸して……。よし、落ち着いた。
で、転生は決定として、転生先はどうしようかな。
確かにファンタジー世界で無双するのも良いが、どっちかっていうとゲームの中に転生、のほうが好きなんだよね。やっぱり知識があるほうが安心感あるしさ。
「じゃあ、ゲームの中に転生ってできますか?」
「可能ですよ。」
「なら、それで! ゲームの中に転生がしたいです!」
……だが、俺はまだ知らない。後でこの選択を死ぬほど後悔することを……。
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「さてさて、ゲームの中に転生というとやったことのあるゲームが良いですかね?」
「そうですね。RPGが好きなので、その中で……。」
「ふむふむ。浩二さんのやったことのあるRPGですと……。」
神様はどこからかメモ帳のようなものを取り出し、ペラペラとめくる。
「なら、コレ、『シュリム・クエスト』なんてどうでしょう?このゲーム結構有名なようですし、浩二さんもよく知っているのでは?」
「あぁ、何でも良いですよー。」
変に注文つけて、機嫌悪くなられても困るし、とりあえずやったことのあるゲームならなんでも良いや。
「はい、わかりましたー。それでは……。」
神様が「パチン」と指を鳴らすと、空中にウィンドウが表示される。
「えぇーっと、ここをこうして、こうすれば……。」
はぁ、まさか俺がラノベの主人公になるなんてなー。人生何があるかわからないもんだね。
で、確か『シュリム・クエスト』だったけ。どんなゲームだったかな──
「あ!」
違う、ダメなんだ! 『シュリム・クエスト』は、あのゲームだけはダメなんだよ! 確かにあのゲームは有名だがそれは良い意味じゃなくて──
「はい、準備完了です! それでは、良い人生を!」
神様の満面の笑顔と共に、目の前に円形の門のようなものが現れる。
「待っ──」
俺の叫びは届かず、門の内側へと体が吸い込まれていく。(体があるのかは知らんけど)
ダメなんだよ! あのゲームは! あの伝説の──
クソゲーだけはダメなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼
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