コメディ・ライト小説(新)

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治療薬は天使
日時: 2020/10/11 22:14
名前: ほずみ (ID: XLYzVf2W)

恋された時、僕の命は絶える。

Ⅰ目次
 >>1 プロローグ/>>2 1話/>>3 2話/>>4 3話/>>5 キャラクターなど諸情報

丨筆者の簡単な紹介
名前:ほずみ
年齢:10代
性別:秘密…
一言:語彙力をつけるため、このサイトに辿り着きました。なので表現方法が少ないです…
皆さんより劣ってはいますが精一杯更新頑張るのでご愛読いただけると光栄です、お願いします!
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エリート校への入学が決まったかがや
しかし突如、天恋病あまこびょうという病を患う。
この病気の発症原因、治療法は不明。
ただ一つわかること。それは―
 “両思いになった瞬間命が絶える”
ということ。
輝はそのため恋愛とは無縁の学校生活を送る。
しかしやっぱり恋は自然現象だった……?


スレッド閲覧数、50ありがとうございます!!

Re: 治療薬は天使 ( No.1 )
日時: 2020/09/28 21:01
名前: ほずみ (ID: XLYzVf2W)

プロローグ

きっかけはひょんな事だった。
2月の少し曇った朝。母に指摘され、初めて気づいた。
髪の先が少し桃色を帯びている。
絵の具なんて使っただろうか―。
水で流してみたが、とれそうな気配はない。
とりあえず休日だったことが唯一の救いだろうか。

「そうですね…とりあえずまだ明確ではないんですがー…天恋病の可能性がありますね。」
あまこびょう…?
「その毛先になるのは天恋病最大の特徴です。他の病気の可能性もありますが…話を聞いている限り天恋病です。」
よくわからないが、とりあえず学校に染めていることではないという書類?をくれた。
これが小学時代のある一日。これが始まりだった。

Re: 治療薬は天使 ( No.2 )
日時: 2020/09/28 21:43
名前: ほずみ (ID: XLYzVf2W)

1.好きです

あれからニヶ月。髪の色は全然治らず、小学校の卒業式の写真、相変わらず俺の毛先は桃色だった。
『桜とおんなじ色じゃん』
…ってなんのフォローにもなってないし。

結局中学校もこの色なんだな。
俺の中学校は受験先の殊叶中等学校だ。
この症状が出始めた日にはもう殊叶中に行くことになっていた。あんなに楽しみだったのに、もはや鬱な中学校生活。さっさと治ればいいのに。

入学初日から明らかに視線は俺に向けられている。
おまけにこの学校寮生活なんだよな。
同級生と関わる時間が長い。これじゃ『危ない』。
だって女子とも一緒にいる時間が長いってことでしょ?
―好きになっちゃうじゃんか。

そうやって考え込んでいるうちにも時間はすぎてく。
クラス、寮の部屋番号、おおまかな生活の紹介、施設の説明。
ぼーっとしてたら全部終わってた。
「それでは、組ごとにそれぞれの担任に従ってついてってください。解散!」
…あっ。わからない。終わった。
みんな動き始める。おどおどしてるのは俺だけ…。
じゃない?あいつも聞いてなかったのか?

そしてみんないなくなった。
さっきと同じ場所とは思えないくらい静けさが広がる講義室に後片付けをする先生達と、俺、そして聞いてなかった同士の男子がただただ突っ立っている。
困った。

とりあえず講義室を出よう。
俺は…何組だ?なにしろ四組もある、勘で当てられるわけない。
きょろきょろしていると、一人の女子がこっちに走ってくる。
「駒木さんで…あってますか?」
「へっ?あ、うん」
「駒木さんは三組です、いきましょっ」
とりあえずその女子についていく。
駆け足についていけるように早足で。
するとぞろぞろと歩く集団に追いついた。
「これが三組の人たちです。ついていったら大丈夫ですよっ。私も三組ですから。」
そう囁いてニコッと微笑む。思わずうつむいてしまった。
「あのっ…あり、がとう?」
久しぶりに女子と話したから緊張してしまう。

だって天恋病は両思いになったら

―命が絶えるから。

そうして殊叶中で初めて話したのが片野かたの
女子とは関わりを持たないようにしていたのだが…。
なんというか…惚れてしまった。
けど、両思いになったら死んでしまうから少し気になる、という関係にある。

―昔話はこれくらいに。
今俺は三年になった。これから三年生としての生活が始まる。
楽しみじゃない、怖い。もうあれ以来女子と話した覚えがほとんどない。
でも、これでいいんだ。女子を好きになって死ぬくらいなら生きたほうが絶対にいい。
そう自分に言い聞かせ、今日も一日が始まる。

Re: 治療薬は天使 ( No.3 )
日時: 2020/10/11 00:46
名前: ほずみ (ID: XLYzVf2W)

2.十九日の朝

「んっ…おはよぉ〜」
花蕾兎からいとが二段ベッドの上から眠そうな目でこちらを見ている。
「えっ、あ、おはよ。」
そっけない返事になった。花蕾兎は話を続ける。
「駒木くん起きるのやっぱ早いねぇ…」
「…そう?花蕾兎が遅いんじゃない…?」
花蕾兎はそうかなぁと言いながらえへへとでも言っているかのようなほんわかした笑顔で笑う。
これがいわゆる癒やし系男子…か。
「おにぎり美味しー?鮭?」
「え、うん。」
「そっかぁー。」
何が聞きたかったのだろう。でも全く気分を害しない。
「僕もおーきよっ。」
そう言って花蕾兎がはしごをつたって降りてきて、部屋の照明をつける。
俺は早く起きるけど照明はつけない。寝てるから迷惑だと思うし。
その照明の明かりで起きてくる寝坊組…寝坊ではないんだが。
「若葉くん、おはよぉ〜。」
若葉わかばつぐ。寝坊組の一人だ。
「あぁー、ねっむ。」
若葉はそう言って伸びをする。
次第に残りの四人も起きる。
『寝坊組』というのは俺が起きるのが早すぎるために、普通にちゃんと起きてくる奴らを遅く感じるから名付けた。

もう俺は朝食もとり、支度も終わった。
さて、残りの六人の準備を待たなければならない。
全員が支度し終わるまで部屋から出てはいけない。
それもここのルール。だから一人寝坊して遅刻しても連帯責任なのだ。
俺は部屋に出られるまでは課題をすることにした。
数学の課題。一週間で十ページすすめて提出だ。
数学だけは本当に苦手だから、みんなよりも頑張らなければならない。

そして、半ページも進められずに全員の支度が終わる。
鍵の管理は一日ごとに当番制で回ってくる。
今日は若葉だ。
部屋から出ると丁度真横の部屋からも生徒がでてきた。
「よっ、おっはよー。」
隣の部屋の人が馴れ馴れしく挨拶をしてくる。
この人は誰なんだろう。
なにしろ学年の人数がとても多い。知らない人がいても正直しょうがないのだ。

学舎につく。
花に水をやっている人、課題をやっている人。
俺も課題をすすめる。一学期の学期始めテストが間近だから。
九時までは講義室の自由席で好きなところで勉強できる。
ほとんどの生徒が講義室に毎日来る。
俺も常連だ。今日は珍しく一人で勉強していた。
席は二十列あり、一列二十五席。
俺は一番前の列で黙々と問題を解いていた。
講義室での朝学習では別に静かにしなくてもいい。
だから関係ない話をしながら勉強できる。
過半数の生徒がそうしている。
いつもは俺もそうだが、今日は一人だ、ゆっくりできるのもそう悪くない。

そして、やっと半ページ終わったときだった。
「あのぉー…お隣りいいですか?」

Re: 治療薬は天使 ( No.4 )
日時: 2020/10/11 18:56
名前: ほずみ (ID: XLYzVf2W)

3.素因数分解

俺は驚きのあまりビクッと肩をあげる。
「へあっ…隣ですか?」
「は、はいぃ」
見たこともない…ことはなさそうだ。どこかで見覚えがある。
彼女は俺と同じ数学のテキストと数冊のノートを抱えていた。テキストは付箋だらけだ。
目を合わせることはない。すぐにそらされる。
「え…っと、どうぞ」
女子とは関わりたくないけど、大人しそうだし…何より人見知り。これなら話はできないだろう。

彼女はペコッと頭を下げると俺の真横…ではなく一席開けて座った。
え?
俺…嫌い?いや、嫌いなら横に座っていい?なんて聞かないよな…
ま、いいか、隣でベタベタくっつかれるよりはよっぽどマシだ、数学やろっ

八時二十分。
騒がしい人声の中、俺は数学に夢中になっていた。
それで、一ページが終わる。
なぁんだ、俺も本気出せば早く終わるじゃん。
自分を密かに褒め称えていた。
そしてある過ちに気づく。
解答を寮においてきた。
これじゃ丸付けができない。
最悪だぁっ…
寮は一回出たら戻れない。鍵は先生が持っているのだ。
そして俺は閃く。
隣。隣の女子に借りればいいんじゃないか…?
あっ、でも関わったら…

俺は少し考えた。
そして女子をチラッと見てみる。
目があった。確実に。
彼女は俺をじーっと見つめていた。
目があった途端に俺も彼女もそっぽを向く。
なんだろう、何かもどかしい。
……もういいか、これくらいなら大丈夫だろう。
俺は彼女に声をかける。小さい声で。
「あっ…のぉー…」
彼女は気づかない。
「えっと、あの…」
こういうときに限って気づいてくれない。
俺は肩を叩いた。
すると彼女はビクッと体を動かす。
そして下を向く。少し頬が赤みを帯びている。
「えっと、答え…持ってたりしませんか?」
彼女は素早く答えを差し出す。
「あのっ…私も今から答え合わせするんです…」
「えあっ、じゃあお先に…」
こういう時は先に譲るのがマナー。いわゆるエチケット?だったっけ…
彼女は少しかぶせ気味に答える。
「いや、一緒に…見ませんか?」
「えっ…」
「いや、嫌だったら全然…」
「いやいやいやいやいや!嫌なんてこと…ないよ」
「あ、じゃあ見ましょうか…。」
彼女はうつむいていたが、確かに嬉しそうな顔をしていた。
「六ページでいいですか?」
「あ、うん」
俺はその時は気づかなかったが、今思うと二人とも六ページだったんだなぁって。十分の一の確率が当たっていた。

そうして二人で答えを共有する。
というか…一席空いてるから遠い。見にくっ…
「席…横…おいで?」
あっ…なんか変な口調になった…
しかもいつの間にかタメ口だった…!やっちゃった…!!
「あ、あの、ごm…すみません、ついタメ口に…」
彼女はにんまり笑うと
「むしろタメ口でお願いします」
と呟く。それはしっかり俺の耳にも届いた。

そして彼女は俺の席の真横に座る。
そして答えを二人して覗き込む。
顔っ…近い近い!
こんなに異性を意識するのは初めてだ。
多分俺の顔、赤いんだろうな…
「あっ…八十かっ…」
いつもの独り言がつい口から漏れる。
彼女はクスッと笑う。
でもそれは絶対に俺を小馬鹿にしたような笑いではなかった。
「間違えた?教える…よ?」
タメッ…タメ口…!
正直キュンとした。でも、だめ。
気を確かに、しっかりするんだ俺。…よしっ。
「えっとー、じゃあお願い」
俺はノートを見せる。
二十問中正解したのは驚異の三問。
正答率…えっと………十…五かな?十五パーセント。

「数学…嫌い?」
「得意ではないよね」
俺は微笑を浮かべる。彼女もふふっと笑う。
「私は…まぁまぁいけるから……任せて」
頼もしい…。
「数学、学年何位だった?」
「一応…一位」
一位の一が聞こえた時点で俺はえぇ⁉っと少し大きな声をだしてしまった。
三年生…百四十四人中…一位?
こんなの言われたら俺の順位なんて言えない…
百三十五位…負けるのは知ってたけど流石に…

その後四十分間みっちり、間違えた十七問の解説をしてくれた。
確か、素因数分解ができてないとかなんとか。
同じ数は累乗を使うんだよとか…
頭がいい人は教え方もうまいんだなぁって。
もしかしたら国語も上位にいるのかもしれない。

俺は両思いをしてはいけない。
たとえ相手が俺に好意をもっていなくとも、俺は危機感をもたなくてはならない。
だからいつも女子と話すときはぎこちなく、許容範囲で冷たく接してきたし、あと危機感だらけだった。
でも今日は……なんだか違った。
周りの女子とは違う…というか…

胸が何かを叫ぼうと、嘆こうとしている心地とでも言おうか。

Re: 治療薬は天使 ( No.5 )
日時: 2020/10/11 22:22
名前: ほずみ (ID: XLYzVf2W)

Ⅰ主な人物(随時更新)

駒木こまきかがや
ある日突然、『天恋病あまこびょう』という、誰かと両思いになったその時命が絶えるという謎の病気に晒される。その為異性とは一切関係を持たないことにしている。
本当はもっと明るい性格だったが、天恋病のせいで根暗になってしまった。スポーツ万能で顔もいいが、髪で隠している。
殊叶ことかな中等学校3年、14歳。男。

桜庭おうば空飛そら
輝の幼馴染。からかい上手でよくちょっかいを出してくるが、なんだかんだで輝ともクラスメイトとも仲良し。
愛されキャラ。笑顔に惚れる女子多数。
殊叶中等学校3年、14歳。男。

片野かたの萌羽もえは
輝に片思い中。クラス中の男子からモテモテの無自覚美人。明るく、意外と楽観的。ドジな一面がまた男子を虜にするとかしないとか。かわいい。ただかわいい。
殊叶中等学校3年、14歳。女。

犬飼いぬかい日向ひゅうが
萌羽に片思い中。これまたクラス中の女子からモテモテ。でも、彼に限っては自分の顔に自信があるそう。よく自慢はしてくる。けどモテモテ。運動神経はピカイチ。
殊叶中等学校3年、14歳。男。

花蕾兎からいと凛斗りんと
輝と寮の部屋が同じことからよく話したりはするが、いつもふわふわしていて謎に包まれいている存在。
こう見えて殊叶中入学時の成績は全体二位と、極めて秀才。
身長も少し低めで、女子に可愛がられる弟キャラ。
殊叶中等学校3年、13歳。男。


Ⅰその他重要点紹介(お話を閲覧する前にぜひご覧ください!)(随時更新)

・殊叶中等学校
受験しないと入学できない、難関私立学園。
寮があり、生徒はそこで寝泊まりをする。生徒の国際化、道徳心の育みに重点をおいた指導をしているエリート校。

・天恋病
輝が患った謎の病。両思いになった瞬間に命が絶えるという恐ろしい病気でもある。
発症原因、治療法共に不明。患者は日本でも数十人しかいないらしい。

・甘味処かたの
萌羽の家が経営する和菓子店。近所で知らない人はいない。テレビで取り上げられるほどの有名人気店。
萌羽は看板娘としてたまにだがお手伝いをしているそう。


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