コメディ・ライト小説(新)
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- ✭星屑の華永✭
- 日時: 2020/10/25 19:59
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
はうぁ…クリックどうも有難うございます!そして初めまして、夜明と申します!
長い長い長編になりますが、ゆっくり更新していこうと思いますので、星屑の華永を宜しくお願い致します(✿^‿^)。
●ご意見・ご感想頂けると作者嬉し泣きする…かも。
●ファンタジー混じりの中学生が主人公の物語です(。`-ᴗ-)✧キリッ
【あらすじ】
昔。地球と言う大地は、ニンゲンと言う存在と、天文学を愛し、魔法を操る者が居た。両者は互いに認め合い、信頼関係を築いていたが、ある日に起こった戦争で両者の交友関係は途切れてしまう___。そして現代、両者の境界に足を踏み入れてしまった松島 穂紫は魔法を操る者の世界に迷い込んでしまう___。
スレッド設立:2020年10月5日
【目次】
登場人物>>01
#1>>02 #2>>03 #3>>04
- Re: 星屑の華 ( No.1 )
- 日時: 2020/10/20 20:18
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
【主な登場人物】
・松島 穂紫
中学1年生。 授業で習った2族について興味を持つ。吹奏楽部。
・飯田 深月
穗紫の友人。ノリが良い所がある。
・松島 霞
大学2年生。穗紫の姉。
・片桐 梨央
生徒会長。双子の姉。
・片桐 玲奈
陸上部のエースであり、双子の妹。
・ノア
面倒見がよく、しっかり者。穗紫を真っ先に見つける。
・マリン
喋るのは面倒臭いので全く喋らない。
・ナナ
密かに人間界へ興味を持つ。穗紫に人間界へ連れて行って欲しいと言う。
・リル
人呼んで塩対応の塊。
・フウ
最年少。好奇心が旺盛なんだとか。
・カザネ
フウの兄。魔法の才能に長けている。
- Re: ✭星屑の華✭ ( No.2 )
- 日時: 2020/10/25 14:10
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
#1 「忌み嫌われた1つの族」
「北アメリカ州だのユーラシア大陸だの_____『地理は嫌いだ!』…なんて人も居ると思うけれど、今回の授業だけは必ず聞いて下さい。今日の授業で習う事は、これからに必要になって来る知識ですので。」
ガッ
…またチョークで黒板を叩いた。
___大木先生は、何故あそこまでチョークで黒板を叩きたがるのだろうか。
いや、そんな事は今どうでもいい。
大事なのは、今から話す内容だろう。
大木先生_____社会教師の『大木 由実』は、普段から温厚であり、顧問として担当している女子バレー部の生徒にも、手取り足取り教えているのだが、今日は今までとは違い、冷静さが出ている気がする。_____さすがにいきなり冷静になられるのは驚くのだが…。
5月下旬。
桜は既に散ってしまったが、青々と若葉が茂り、瑞々しい春がやって来ている。学校によっては体育祭が巡ってくる月でもあり、レジャー日和でもあるのだ。私だってレジャーをしたくなる季節だが…何より学生の日常は忙しい。部活も始まっており、テストだって近い。小学生の頃はもっと余裕があったのだが。
…そこはさておき、今を極端に表せば、まだまだ進学したて…と言う所であろう。そんな初々しい時期に妙で重そうな話を話すとは。こっちだってまだ忙しいのに…。
「皆さんはニュースで『両族の国際関係』について見たことがあるでしょう。…両族と言うのは『人類』と『魔族』。もちろん、両属の関係は劣悪。近年では、両族の境界線に立ち入る事は厳しく禁じられています。」
______________…魔族。
魔族。
確かニュースで見た所、魔術を操ったり空を飛んだり_______人間が出来ない事が出来るんだとか。簡単に人類と魔族の違いを言うとしたら、人類は『科学力』、魔族は『魔術』を持っていると言う事であろう。
ただ、魔族が魔術を使える…なんて、ほんの僅かな情報でしか無い。人類は昔から、魔族との関わりが非常に少ないため、魔族について書かれた本は全く無い。そのため、魔術を使えるだなんて事しか分からないのだ。どんな言語を使っているのか、どんな文化を嗜んでいるのか、どんな生き方をしているのかも…分からない。知りたくても、知る事が出来ない…。
1人で思いを巡らせていると、いつだろうか大木先生は口を開いた。
「今まで皆さんは、魔族についてテレビで見た情報しか知らないでしょう。ですが、中学生になった貴方達には『魔族』と言うものについて知る義務があります。それでは特別教材を配りますからその3ページを開いて_______」
教室がごちゃごちゃする中で、私はシャーペンを強く握った。
- Re: ✭星屑の華永✭ ( No.3 )
- 日時: 2020/10/22 19:02
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
#2 「隠されし者」
「まず…魔族と言うのは、言うまでもなく魔術を操る存在。火や水…雷など、幾つもの魔術を扱えるんだとか。」
大木先生は黒板に大きく『魔族』と書き、その下に、彼らの特徴を箇条書きにして書いていった。
黙々とノートを取る生徒達と教卓近くに立つ先生。とても静かな光景であり、見慣れている。
窓からは、5月の風が入り込み、心地よい。
そこから温かい光が差し込んで、黒板の端が光る。…やっぱり今は春なんだな。なんて感じる光景が、私の瞳には写っていた。
そんな春の麗らかさに浸っていると、先生は少し間を開けて口を開いた。
「…さらに魔族は、人類とほぼ同じような生活をしており、文化も言語も…ほぼ同じものであると公表されています。」
教室が静かな驚きに包まれる。
…まさか。
あの魔族が?あの人間に嫌われた存在が人間とほぼ同じだと?…よく分からない。だとしたら、人間達は同じような種族を忌み嫌い、争ったと言う事になるのではないのだろうか。…何だか人間の1人として、情けない気持ちが浮かぶ。
「他にも、魔族は天文学を愛し、星に願いを捧げる伝統深き祭り、祭典なども昔から根付いているようです。人間と似た所もありますが、人間とは全く異なる事も存在しています。」
教室内にはチョークの音が弾き出した。
- Re: ✭星屑の華永✭ ( No.4 )
- 日時: 2020/10/31 19:10
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
#3 「古の歴史書」
「そう言えば穂紫のクラスも今日社会の授業あったでしょ。」
ホルンを抱えながら楽譜を開いている深月は目線を私に合わせた。
「うん、そうだけど。あの…魔法使えるだとかうんたらかんたらのあれでしょ?」
私は楽器を吹く手を止めて、彼女の言葉に返事をした。
…ああ。やはりここでも話題に出た。
私が聞き慣れているのもまぁ仕方が無い。1年生のクラスでは、今日の授業の事で話題は持ち切りなのである。そりゃあ…今まで自分が知らなかった事、恐れ多き存在の事、謎深き者。これらを好奇心が起こると共に話したくなるのは人間として当たり前と言わざるを得ない事であろう。
…だが、恐れ多き存在の事を話題の1つとして挙げるのはどうかと思うが…。
私が考えを挙げていた時のおよそ数秒後だろうか。深月は慎重に、壊れぬようにホルンを床にぴたっと置いた。そして彼女は、隠れんぼで隠れている時のように声を潜めて私に話しかけた。
「そう言えば何だけど…。」
周りに聞こえてはいけない話でもするのだろうか、誰かに察されたくないのか。…さらに彼女は、私に近付いた。
「実は…うちに魔族について書かれた本があるんだよね。穂紫、何か興味ありそうだし今日うち来なよ。」
「…ま、魔族の本?」
一時、私の手は止まった。
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