コメディ・ライト小説(新)
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- 騎虎博士の発明「第一の爆弾」編
- 日時: 2020/10/31 08:15
- 名前: キンカン (ID: ZK1HP94o)
どうもキンカンです。塗るほうじゃないです。金柑です。
まずはこのページを開いてくださりありがとうございます。m(_ _)m
なんか創作したくなったので書きました。特にオチを考えずに書き始めて、勢いでオチをつけましたので、稚拙な展開になってしまいました。シリーズになると思います。コメントくださると耳たぶから髄液が出るほど嬉しいです。あ、ここでキャラ紹介とかするのか
はいどうぞ∠( ゚д゚)/
・宝生騎虎(博士) 男 24歳
水色のぼさぼさ髪でゴーグルもたまに付ける(なんか理科の実験のときにつけるやつ)
適当でノリがいいがその言動から人を尋常じゃないほどイライラさせる
味覚が少々おかしい
・水瀬紫苑 男 20歳
黒髪のしっかりもの。特に記述するほどのことはないが、酒のつまみが好き(酒は飲まない)
それでは本編、どうぞ
「あ、騎虎博士!なんですか用って。」
騎虎博士はぐしゃぐしゃで薄い水色の髪をかきあげながら、
「やあやあ!よくきたな水瀬くん!」
「ミロでも飲むかい?」
と人を小馬鹿にしたようなテンションで話しかけてきた。
「なんでミロなんですか・・・コーヒーとかお茶でしょ普通。」
「あ、そう・・・ミロいらないのね・・・」
博士はああそうそう、と思い出したように喋り始めた。
「ついに完成したのだよ・・・素晴らしい発明品がね。」
博士は誇るような満足げなような表情で続けた
「ところで君は、・・テレビをつけたいのにテレビのリモコンがどこにも見当たらないという経験は
ないかね?」
「んー、ああ・・ありますね、しょっちゅう・・・・・・・」
博士はニヤニヤとこちらを試すような目で見ている
「えっ、もしかして作れたんですか!?」
「ああ!そうだ・・・これこそが・・・
『趣味は人間観察ですと言う人間のみを選んで爆破できる爆弾』だああああぁぁぁぁッッッッツ!!」
「さっきのクダリ全然関係ねええええええええ!!!」
そう、これこそがこの博士の厄介なところ・・良く言えば天才気質。悪く言えば変態である。
それこそがこの宝生騎虎博士なのだ。
____「それで博士、マジで…これ使うんですか?」
婚活パーティー会場の端の方の席でちびちび水を飲んでいる博士に、尋ねた。
あたぼうよ、とウィンクして、
「自分は爆発したくないからな!だからこうして婚活パーティーに来てるんじゃあないか!」
「いや、どうやって入ったんですか。よくわからないまま連れてこられて気づいたら婚活パーティー
会場ですよ!?」
「簡単なことだよ。管理者に口利きして、スタッフの一員にならせてもらったんだよ。
…つまりコネさ。」
「コネかよ!」
自分は眉をひそめて、テーブルの上に置いてある…「BOMB」と書かれた、いかにもな装置を見ながら言った。
「別にそうまでして…婚活パーティーじゃなくても良くないですか?」
「・・・ふぅ」
「わかってないねぇ、君は。こういう重要な場でだね!重要な自己紹介するときに!
『趣味は人間観察です』などと言う筋金入りの野郎を、思いっきり爆破するのが
イイんじゃないか!」
「いや、分かんないし分かりたくもないですけど…。
ていうか、そんな都合よくいますかね、そんなやつ。」
「いるいる、絶対いるぞ。そこらじゅうにうじゃうじゃいるぞ」
「そもそも、それどーやって使うんですか?使えるんですか?」
「ああ、ここにあるスイッチをだね…」
____という具合の話をしていると、向こうから
「あの・・・趣味は何ですか・・・?」
という声が聞こえてきた。博士も俺も二人同時にバッとそちらの方を向き、
一斉に聴覚を最大限とぎすました。
どうやら斜め前の席で自己紹介が始まったようだ。
(おい、水瀬くん…出ると思うかね?あのワード!)
博士がヒソヒソと話してきた
(いや・・・どうでしょう。まだ一人目ですからね…出ないでしょう)
「えー?おれー?まじで?それ聞いちゃうー?!」
(てめえ以外誰がいんだよダボがあッ!)
(ちょ、博士落ち着いてくださいって。気持ちはわかりますけど!)
「んー、やっぱ?、俺の趣味って?w結構?w変わってるっていうかさ?w、
よく言われんだよねww他のやつにwwなんだそれってww」
(あぁーも…もっもうダメダァッ↑!ぶっ、ブっころしてやるぁああ!!)
(博士!オッケーです!もうやっちゃいましょう!GOGO!)
「うん、人間観察が趣味」
(出たあァ〜〜ッ!思いのほかシンプルに言ったー!博士!博士!)
(いいや!「限界」だッ!押すねッ!今だ!)
どっぐあぁーーーーーん
会場内の人間は
水瀬を除いて全員吹き飛んだ。
- 騎虎博士の発明「黒色結晶毛髪生成薬」編 ( No.1 )
- 日時: 2020/10/29 09:04
- 名前: キンカン (ID: nwHqNvdG)
___________いやっ、なんでみんな爆発してるんですか。
爆発の責任を逃れるために、婚活パーティー会場から逃げ出してきた帰り道、
水瀬は落ち着くやいなやこう尋ねた。
川沿いの土手を歩きながら。
夕方の空の、赤と灰色のグラデーションがきれいだ。
「…どうやら、あの装置の…人を爆破するか否か、の基準は結構ゆるいみたいだね。
うじゃうじゃいるとは言ったが、まさかほぼ全員とは…」
爆発で頭がアフロになった博士は、
冷静に状況を分析して、肩の黒いすすをはらいながら川沿いの土手をてくてく歩いている。
「だとしても何故博士まで…」
「んー、それはね…
あの装置を説明する時に自分も「あの言葉」を言っちゃったからだな、多分。」
「…意外と威力ちっさいですね」
「まあね。爆発の威力はアフロ頭になる程度にしておいたよ。
…実験失敗でアフロ頭… ウフフ… 科学者っぽいじゃないかぁ… フフ…」
「おーい博士!もどってこーい!…っつーか、騎虎博士の科学者のイメージ俗っぽいな!」
_____________________________________________
ピンポーン
「おじゃましま~す」
もう一つ、明日、ある発明品を見せたいからと博士に言われ、
渋々ながら騎虎博士の家にやってきた水瀬くん。
「で?今日はなんですか?博士。」
「実にすごいものを発明したのよ…
昨日の第一の爆弾は…まあ趣味みたいなものだったけどね、
これは全人類の宿願を達成する偉業なのよ!」
「どうせ大したもんじゃねえんだろマッドサイエンティストめ」(ふーん、すごいですね〜)
「水瀬くん!セリフ逆!気持ちでちゃってるわ!ていうかわざとね!」
「…ところで博士、なんでオカマっぽいんですか?」
「変かい?気分転換だよ」
「まあ博士はいっつも変ですけどね、で、なんですかその発明って(…気分転換?)」
「…毛成剤よ」
「…毛成剤? なんですかそれ」
「正式名称は『黒色結晶毛髪生成薬』。」
「???」
「本来の育毛剤、発毛剤というのは、毛髪の生産を促す存在でしょ。」
そう言いながら、博士は黒色の液体が入っている小瓶を、棚から取り出した
「でも…この薬は、この液体は、大気に触れた瞬間に結晶化する。
ほっっっっそい針状にね。つまり、この薬自体が毛髪になるってわけ。」
「…っはぁ〜…?なるほど…なんかすごいですね」
「即効性はあるんだけどね。見た目のクオリティと副作用についてはまだまだ実用段階まで至っていないの」
※副作用・・・薬を使ったときの効果で、出てほしくない方の効果。
…この人、意外とちゃんとしてんだな、と水瀬は思った
「結構ちゃんと科学者してるじゃないですか!見直しましたよ。
ところでその…副作用ってどんなのがあるんですか?」
「ああ…この薬の、じゃなくてだね…『この薬を使うための薬』、名付けて準備薬があって、それに副作用があるの」
「ふうん・・・? どうなるんですか?」
「オカマになる」
「博士その薬のんだろ」
「ハッハッハ!」
「ぜってーのんだろ!だからオカマ口調だったんかい!」
「科学者は何でも自分で試してみないと気がすまないのよ♡」
「キモッ!」
「説明するとね、この毛成剤を準備薬なしで使用すると、大変なことになるの」
「…どんなふうに?」
「頭皮を無数の針で突かれたような激痛とともに失神する」
「怖っ! 捨てろ!そんな薬」
「まあ拒否反応ってやつね。それを抑制するのがこの準備薬。」
「へえ~…でもそんなもんに需要ありますかね?」
「あるある。特に中年男性はケツから手が出るほどほしいはずよ」
「どこから手だしてんすか。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「フー、治った。」
「博士、『オカマ口調を治す薬』もあるなら早く言ってくださいよ。
一生そのままかと思いましたよ」
「さすがの自分もそこまで無茶しないさ」
「で、こんなもん作ってどうすんすか?」
「__かくかくしかじかで、この薬を売って一儲けしようっていう寸法さ」
「…なるほど。安定して生産できるようになったらワンチャンありますね。」
「うん。だから製薬会社あたりに売り込もっかな〜って。
だめだったらリー○21だな。」
「○ーブ21て。あそこは植えるの専門じゃないんすか」
「まあいいんじゃない? …ってことでしゅっぱーつ!」
_____________________________________________
「______で、あなたが今日薬を売り込みに来たという方ですか?」
…来てしまった。 よくわからないうちに博士につれてこられた…。まただ。
「はい、宝生騎虎と申します。本日は画期的な新薬を開発したので、
できれば御社のご協力を借りて商品化できないかと思い参りました。」
(騎虎博士、意外とちゃんとしゃべるな…)
騎虎博士に肘でつつかれてハッとして
「あっ、今日は騎虎博士に付き添ってきた水瀬紫苑と申します。
よろしくおねがいします。」と自己紹介した。
「えー、じゃあ早速、その新薬の説明をお願いできますか?」
「はいっ! これはオカマになる薬です!」
・・・・。
(間違えたあああああああ!!!)
(博士ぇぇ! 何言っちゃってるんですかぁああ!それは副作用でしょ!)
(しまったあああああ!)
「すっすいませぇん!間違えました!
え…えっと…この薬は!頭皮を無数の針で突かれたような激痛とともに失神する薬です!」
・・・・。
(だからそれは副作用だろ博士えええええ!)
(やっべぇぇぇぇぇ!緊張しすぎてもう頭真っ白だああああ!)
「君たち…冷やかしなら帰ってくれないか?」
「いえいえ!滅相もない!いままでのは…言い間違えました!」
「この!…この薬はですね!
中年男性のケツから手を出す薬です! .....
_____________________________________________
_____…やらかしちゃいましたね、博士。
「…そうだね。」
「僕…博士の『いい間違えました!』ってところから記憶がないですよ…」
「奇遇だね・・・自分は毛成薬が完成してからの記憶がないよ…」
「早いよ!? じゃあ製薬会社でのプレゼン無意識でやったのかよ!」
「あー、まあでも、プレゼンの最後はなんか頭に残ってるな」
「あ、自分もです」
「・・・」
「…最後の説明に至っては副作用ですらなかったですね…」
「ああ…しかもテンパりすぎて訂正してないから、『中年男性のケツから手を出す薬』っていう認識
のままだしな。あのプレゼン相手にとっては。」
一呼吸置いて、 博士は続けた
「…でも、何が一番やばかったって、 …その上で、ご購入頂いたってことだよね。」
- 騎虎博士の発明「メイドロボ」編 ( No.2 )
- 日時: 2020/10/30 16:49
- 名前: キンカン (ID: nwHqNvdG)
__________プルルルルルル、プルルル がちゃっ
「…はい、水瀬です…。」
「おっはよー!みっなせくぅーん!」
「うるさいですよ博士…今何時だと思ってるんですか…」
「12時でしょ? …あ、こっちミラノの時間やった」
「なんでだよ。 本田圭佑かよ。
…というか、早く用件を言ってください」
「いやね、急な質問だけどね? 天才科学者の自分に足りないものってなんだろうかな〜
って思って。 わかる?」
「モラルと常識」
「即答だねえ。だが不正解だね」
「博士が答え知ってるなら、電話かけてこないでくださいよ」
「まあまあ。 じゃあ正解行くよ? デゲデゲデゲデゲデゲ デンッ 『助手』」
「引っ張った割にはあっさり言いましたね。 助手?」
「うむ。 やはり、天才科学さ… てんしゃ… かぎゃ… てんさいきゃ…
助手って大切だなーって思って。」
「諦めんなよ!めっちゃカミカミじゃないですか」
「まあ、ってことで助手が必要なんだよ。 …だけど、どうしようかなーって」
「やっぱしっかりしてる人がいいんじゃないですかね。
…雇うんですか?」
「…作る。」
「へ?」
「発明するに決まってんでしょ!」
「ああ、そうなんですか。すごいですね博士。メイドロボ的な感じですか」
「うん、だからどういうロボを作るかの方針を決めたくて。
こう…いい感じの特徴を上げてってくんない?水瀬くん。」
「ええ〜… じゃあ『優しい』」
「ふんふん」
「…しっかりもの」
「なるほど」
「人間味がある」
「オッケー!ありがと!
え〜… それらの情報を総合すると…
…なかやまきんに君になるな」
「なんでだよ」
「え〜?だって『しっかりしてて』、『人間味があって』、『やさしい』だろ?」
「『しっかり』の意味履き違えてますよ。『がっしり』でしょ。あの人。
あと『人間味がある』って…人間でしょ。」
「じゃあ早速作ってくるわ」
「話聞けや!おま」ガチャッ ツー、ツー、ツー
_____________________________________________
_________「ッフー、できた!」
プルルルルルルルルルル ガチャ
「はい、水瀬です」
「やっと完成したんだ! 今から来ないかい?」
「おお、もうですか。僕も今仕事が一段落したのでいってみようかな」
「来い来い!じゃあな ガチャッ」
・
・
・
ピンポーン
「水瀬でーす。博士ー!お邪魔しますよー!」
博士から呼んだのに留守かよ! と苛立っていると、扉の向こうから
「お帰りなさいませご主人さま♡」
(・・・?)
(は?…おかえりなさいませ? ドユコト? ・・・)
(っは! …まさか博士…メイドロボを完成させたとでも言うのか?!)
期待と高揚の混じった気持ちで扉を開けると、
博士が立っていた
「博士かよ!」
「水瀬様は78回目のご帰宅ですね♡」
「めっちゃ常連じゃん! 博士の家自体そんなには来てねーわ!
あとマジで何してんの? いつもどうりの白衣じゃん!
気が狂っただけに見えるわ! 狂ったの?」
「萌えウォーター 一杯600円になります♡」
「ぼったくりじゃん! すっごいしっかり金むしりとっていくじゃん!
…いや、何これ!? 早く本題に戻って!」
「おお、わかった」
「意外とすんなり戻ったな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…これだ。これが…今日から私の助手になる…」
「こんなやつが・・・ですか!?」
目の前の光景に思わず息を呑む。
博士の助手は…
ムッキムキだった
ただただ、ムッキムキのおっさんだった。
テラテラと光る褐色の肌…
仕上がったナイスバルク…
禿げ上がったと言うより、もとからそうだったと言わんばかりのスキンヘッド。
そして200点もののポージング。
「筋肉ダルマじゃないすかこんなもん!」
「こらこら水瀬くん。ちゃんと名前で呼ばないと失礼でしょ。
そう思うよなあ、筋肉ハゲダルマ。」
「いやほぼ一緒じゃん! ひでえ名前!」
「ああ、そうそうコイツはな、目覚まし機能もあるんだぞ。」
「へえ。 …いや目覚まし時計で良くないですか?」
「ロマンだよ。ロマン。 まあ見てなって 」
ポチッ
「ピピピピピピピ ピピピピピピピ」
「おお、鳴りましたね博士」
「…こっからだぞ」
「カタニ!チッチャイジープ、ノセテンノカイ! カタニ!チッチャイジープ、ノセテンノカイ!」
「普通に嫌だよ! なんだこれ!
ボディービル大会の掛け声を聞きながら起きたくないですよ!」
「おいおい水瀬くん!そんな事言うな!筋肉ハゲダルマくんが傷つくでしょ!」
「…マッスルゥ…」
「うわ!自分で喋るんですか!? この筋肉…ハゲダルマ」
「えっしゃべれるの!? 知らん! 怖っ!」
「なんでだよ! 博士が作ったんでしょ!?」
「マッスルゥ…」
「マッスル…ササミィ…タンパクシツ…」
「え・・・? なんだって…!? 『水瀬OUT』!? 『タイキック』だって!?」
「やかましいわ! 言ってないでしょ絶対!
ていうかなんだこの筋肉に関するワードの羅列!」
「プロテイィン…」
「…? ああ! お腹が空いたのか! よーしよし。」
「え? お腹すくんですか? 電気で動いてたりとかじゃ…」
「ちがうよ? プロテインがエネルギー源。」
「それロボットですか?」
「うん。 ほ~ら、餌だぞー」
白くて平たい皿にベージュ色のプロテインが積もっていく。
砂でできたかき氷のような見た目の、山盛りのプロテインに、マッスルがむしゃぶりつく。
…なんとなく、直視しづらい光景だ。
「…で、博士。 この筋肉野郎は何ができるんですか?」
ドヤ顔で、博士はこういった
「合コンでのサラダの取り分け」
「女子かよ!!!」
- 騎虎博士の発明「ロペット」編 ( No.3 )
- 日時: 2020/11/10 08:33
- 名前: キンカン (ID: ZK1HP94o)
________で、博士
「この筋肉はどうすんですか?」
博士はうーんと一瞬うなって答えた
「森に帰すかな」
「いや森て。 これ博士が作ったんでしょ」
「でもいきなり自然に返して大丈夫かなぁ…
狩りとかできるかなあ…」
「いやそもそも人工物でしょ! 狩りすんの?」
しばらくの沈黙の後、
博士はとぎれとぎれに喋り始めた。
「これで…自分には…助手が、いなくなってしまったわけだけどもね…」
「? そうですね」
「いや…自分も…こいつがちゃんと助手できると 思って作ったわけじゃ、ない…んだ」
…博士の目はお手本のように泳いでいる。
「…? …まあそうでしょうね」
組んだりほどいたり、せわしなく動く手に対し、口は動きが小さい。
「いやね…できれば水瀬くん…に…
その…
…助手…してもらえないかな〜…って」
突然の申し入れに、一瞬驚いた
「…ああ、なるほど。 そういうことでしたか」
「うん!そうなんだ! お願いできないかい?」
「嫌です」
「早いよ! 頼むよ水瀬くん!」
「結構です」
「だから早いって! せめてもうちょい悩んで!」
「こっちはね!この距離感ですでに!だいぶ迷惑してんですよ!」
「水瀬くんが今やってるバイトの給料の3倍出すから」
「よろしくおねがいします博士」
「ちょろっ! 水瀬くんちょろい!」
「助手って泊まりこみですか?」
「ああ、…うん。 雑用とかお願いしたいから、そうなるかな。」
「今日は何しますか?」
「う〜ん、ロボットペットを作りたいんだった。」
「ロボットペット? ペッ○ーくん的なやつですか?」
「ううん、どっちかって言うとアイ○。」
「ああ、ア○ボですか。」
「じゃあ、自分はあっちの部屋で作るから、
…用があったら呼ぶわ。 テレビ見といて。」
「あ、あとミロ作ってくれない?」
「あ、はい。 楽ですね。」
「あ!水瀬くん! で○じろう先生の録画、消去しちゃだめだよ!」
「…わかりました。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「できたぞー!水瀬くーん!」
「おお、早いですね」
時計を見ると、午前10時にさしかかっていた。
…午前6時位に呼ばれたから、意外と経ってるな。
「これこれ!かわいいでしょ?」
博士がかかえてきたのは… コアラと子熊を足して2で割って巨大化したような代物…
ウォンバットだった
「でけえええーーーー!! ウォンバットってこんなデカイんですか?!※」
※気になる人はググってね
「すんごいだろ! このけだるげな見た目! たまらんな水瀬くん!」
「たしかにちょっとかわいい…ですね」
「博士…でもこれ…
ロボットじゃねーじゃん!!」
「バカ言うな水瀬くん、ほれこの通り」
博士がウォンバットの鼻を、ポチっといいながら押した
「ギャキャッギャギャ」
「ね、鳴いたでしょ」
「いや普通! ロボ関係ないじゃん!」
「いや、これはちゃんとしたロボだよ、水瀬くん。
Al-Cu系のアルミ合金を基本としたボディーをチタン合金でコーティングして、
ポリエステルの繊維で覆ってる。」
「おお…急に科学…」
___騎虎研究所にあたらしく加わったペット・・・
はてさて、この先どうなりますことやら・・・?____
「なんでドラゴンボールのナレーションなんだよ!」
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