コメディ・ライト小説(新)
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- 明日も、晴れ。
- 日時: 2020/10/31 16:07
- 名前: 知らぬ間におまんじゅう (ID: AQILp0xC)
「明日も、関東全域ではすっきりとした秋晴れでしょう。」
私の心も晴れている。今日は友達の飛鳥と映画を観に行く日だ。
「行ってきまーす!」
誰もいない家に元気よく挨拶をする。
空はすっかり晴れていた。どれだけ手を伸ばしても掴めなさそうな高い空を仰ぐ。
私の家から飛鳥の家までは大体徒歩3分。時間はまだまだあるのに、急ぎ足で飛鳥の家へ向かう。
「あーすーかっ!美月だよー、映画いこー!」
叫ぶと、寝ぼけ眼をしている飛鳥が出てきた。飛鳥は私を見るなり、はっとした。
「そうだったー!すっかり忘れてたー!」
普通の人は、こんな飛鳥を見て、はぁ?と思うが、私は違う。(いや、こんなこと思わない人もいるとは思うが。)
飛鳥は大体こんなもんだ。だから、私がこうやって目覚まし時計になるのだ。
私たちが見る映画は、『君の夏』という青春映画だ。私のだいすきな俳優が主演をつとめるときいて、飛鳥を説得して来たのだ。
「シアター8番です、楽しんでください。」
店員さんに促され、私たちはシアターへと足を進める。Fの8番と示された席に腰をかける。
この映画、やはり人気らしく、混んでいるし、告知は多いし、、すごい、と思った。
画面は青空を映し出し、段々下へと降りていく。そして…
出た、私の好きな俳優さん!カッコいいなあ💕💕
ふと飛鳥をみると、え?目を大きく開いて、画面を凝視する。
「飛鳥、どうしたの??w」
「これ…博貴?」
「え?ああ、俳優さん?そうだよ、柏木博貴さん..」
「これ、元カレなんだけど」
飛鳥の口から飛び出したまさかの出来事に、私は言葉を失った。
「え…飛鳥の元カレ?」
「うん…高校で2年半ぐらい付き合ってた」
マジか....でも仰天パレードはこれで終わりではなかった。
「幼なじみ、というか、親同士が知り合いで、結婚、、もその、ほぼ確定、じゃないけど、なんていうか..」
私に気を使っているのか、ちょっと遠慮気味で喋る。まあ心底、私もショックだ。
「本当に、飛鳥の婚約、、相手なの?」
「うん」
嬉しいんだか悲しいんだか分からないこの狭間にいる人間が1番大変なんだと思う。信じられない。飛鳥の婚約相手だなんて。
ーーーーーー私の生きがい、失ったかもしれないーーーーーーーー
私は思わずシアターを出た。エスカレーターを下り、外へ出る。出発前のあの青空は消え去ったように、雲がもくもくと湧いてくる。私の青空は雲に隠された。
風が強く、太陽がちらちらと見える。でもまたすぐに隠れてしまう。ああ、なんて中途半端なんだ。
家へと走っていたつもりが、何故か自分の高校に。
ーーーーーーあれ、飛鳥とは高校で知り合ったはずなのに。飛鳥との思い出をさかのぼる。
いつかの帰り道。
ー飛鳥、彼氏とかいないの??w
ーんー、いなくはないかな
ー何それ、教えてよお
ーただの幼馴染みだってえ
ー名前ぐらい、良いじゃん、私非リアなんだぞお?
ーわかった、わかったよ、教えるから…
名前はーーーーーー柏木博貴。
言ってたんだ…でも思い出せなかったのは、飛鳥のためだ。
いや、思い出せなかった、じゃなくて、思い出さなかった。
高校の時から柏木君が好きだった。子役時代から、ファンだった。まさか、同じ高校にいたなんてね。
「美月!」
飛鳥の声。
「ごめんね、言えなくて。ほんとは、もう結婚してて…」
「ううん、大丈夫。俳優さんのお嫁さんより、公務員のお嫁さんの方が楽じゃない?」
2人で顔を見て笑った。
秋晴れの空は、今日も届きそうにないほど高いところにある。
- Re: 明日も、晴れ。 ( No.1 )
- 日時: 2020/11/05 18:49
- 名前: リリ (ID: mwHMOji8)
ええwwwwww
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