コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 桜散るとき、夜明け前に日は昇る
- 日時: 2020/11/05 23:58
- 名前: かぐつち (ID: R7lCf21o)
序章
気付けば、彼は轟音の真っ只中にいた。騎馬兵の地を揺るがすような疾走音。重装歩兵がぶつかり合う金属音。
そして虫のように湧いてくる相手方歩兵の喚声。満身創痍となった彼の意識は段々朦朧とし、視界もついに真っ暗になった。嗚呼、自分は死んだんだ。
此処はレム大陸。1300年前に当時の超大国エンガルトが崩壊し、旗を上げた各地の諸侯達が身命を賭した戦を繰り広げていた真っ只中であった。
- Re: 桜散るとき、夜明け前に日は昇る ( No.1 )
- 日時: 2020/11/06 00:09
- 名前: かぐつち (ID: R7lCf21o)
第1章 第1話
「レンー。早く起きなさい。」
どこからか女性の声が聞こえる。自分を呼んでいるようだった。どうやら寝込んでいたらしい。それにしても、なぜあの女性は自分の名前を呼び捨てで呼んだのか。なぜ自分がレンだと知っているのだろうか。レンは首をかしげながら寝台から起き上がった。
「うわっっ。」
思わず声が出てしまった。寝台の前の鏡を見たからだ。満身創痍となった体が治っているということもあったが、
自分の体が小さくなっていた。
- Re: 桜散るとき、夜明け前に日は昇る ( No.2 )
- 日時: 2020/11/06 00:09
- 名前: 名胡桃 凛 (ID: R7lCf21o)
第1章 第2話
「レンー。学校に遅れるわよー。」
また女性の声が聞こえる。辺りを見渡すとどうやら普通の民家の二階のようだった。
「ん、ガッコウ?」
此の地域の部隊なのだろうか。レンは聞いたことの無いガッコウという言葉に戸惑いつつ、一階に降りていった。
一階の部屋で待っていたのは先程の声の主であろうと思われる30代前後の女性だった。
呆然としていると急かすようにレンを着替えさせ戸の外へ出し、やにわに戸を閉めた。
- Re: 桜散るとき、夜明け前に日は昇る ( No.3 )
- 日時: 2020/11/07 23:58
- 名前: 名胡桃 凛 (ID: R7lCf21o)
第1章 第3話
突然の出来事にレンは唖然となっていたが、女性はあまりにも焦っているようだったので、徐に歩き出した。
少しあるいたところではたと気づいた。ガッコウにはどうやって行くのだろうか。
レンは立ち止まって近くを歩いていた老紳士にガッコウの場所を尋ねると、驚いたようすだった。
- Re: 桜散るとき、夜明け前に日は昇る ( No.4 )
- 日時: 2020/11/08 00:08
- 名前: 名胡桃 凛 (ID: R7lCf21o)
第1章 第4話
「おや、ミナさんとこのレン君じゃないかい。学校の場所がわからないなんて、冗談じゃないかい?まあいい、此村の地図をあげるよ。進学試験頑張るんだぞ!」
老紳士は丁寧に折り畳まれた地図をレンに渡し、去っていった。暫くの間レンは去っていく老紳士を見守り、また歩き出した。レンはガッコウへの道中、色々なことを考えた。自分の体が小さくなったこと、ミナというあの女性のこと、そしてガッコウのこと、老紳士がいっていた進学試験のこと。そうこうしている間に、地図にかかれた「学校」に着いた。
- Re: 桜散るとき、夜明け前に日は昇る ( No.5 )
- 日時: 2020/11/09 22:23
- 名前: 名胡桃 凛 (ID: R7lCf21o)
第1章 第5話
その「学校」は木造二階建ての建物で、窓から内を見ると中には成年男性や此の体の持ち主と同じくらいの年齢の青年が多くいた。その入り口かと思われる鉄製の門の脇には初老の男性が佇んでおりレンを待っていたかのように声をかけてきた。
「レン君、遅かったじゃないか。皆心配しているぞ。」
Page:1