コメディ・ライト小説(新)

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〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで
日時: 2021/01/02 13:22
名前: レン (ID: OYJCn7rx)

生活において必要なものは何か。
ベット、食料など色々なものがあるだろう。
クスラデル公国が必要としているのはジェールだ。
ジェールとは、魔術に長けていないものでも使える薬のようなものだ。
天才薬草士“ライ” が発明した究極の魔法具。
ジェールを必要としているのはクスラデル公国だけではない。
全世界が必要としている。
クスラデル公国は、薬草士を育成する道場を四つ作った。
四つの道場以外で、ここ数年で急激に実績を上げている道場がある。
道場の名はローレック。
今から描くのはローレック道場の自業自得な没落と、
健気な少女リリシアが最強の薬草士になるまでのお話だ。
果たしてリリシアは、“最強”になれるのか。それとも“最凶”になるのか。
それはまだ、分からない。




第1章 スローライフが始まります!ジェール作りは私の仕事

第1話>>01 第2話>>03 第3話>>05








登場人物紹介>>02
小説用語集>>04





*1話1000字以上あります*














私の名前はリリシア。
つい最近までローレック道場のリアンドロ調士にもとで修行をしていた。
だけど…リアンドロ調士や他の弟子たちからのイジメに耐えきれず、
道場から逃げ出してしまった。

いつの間にか郊外にまで私はやってきていた。
足に疲労が染み渡る。もうムリ走れない…

そんな時に、私はローレアと出会った。

ローレアと私はすぐに仲良くなった。
2人で宿屋に泊まったときにローレアが言った。




「私、スローライフって好きなんだよね。憧れてるんだ。」

「ふーん。そうなの。」

「で、やっと私は自由の身になれたから“憧れ”を現実にしたいなって思ってるの。」

「でも、1人じゃ寂しいかなーって思ってて。
私が言いたいこと、わかる?」





うん、分かる。私もやっと自由の身になれた。
これからはノンキにスローライフもいいかな。



「私、その役引き受けるよ。」


「そう言うと思ってた。」


ローレアは顔を綻ばせた。



「じゃあ、早速拠点を決めようよ。」





それからは一瞬だった。


拠点を決め、家を建てる。
全てが早かった。
ローレアはすごい。すごいなんて言葉では表せないほど、すごい。
速度が異常。
あの速度を出すには長時間の時空間魔法が必要。
それを身につけているのはツユヒジカ皇国の皇族だけなんだよね。
道場で習った。
ローレアは皇族なのか気になる。
でも、相手の過去は聞かないという約束なの。





____________________________________



「リリシア。約束をしない?」

「どんな。」

「私、過去は気にしない主義なの。
だから、“相手の過去は聞かない”って約束をしない?」


約束をした方が私も都合がよかった。
道場のことを話したくないから。

「いいよ。私も約束事を提案していい?
私たちが“伸ばしたい”って思ってることは
全力で応援してアドバイスするっていう約束。」


「素敵な約束じゃない!早速今日から実行しよう!」


ローレアは気が早い。
気に追いつける能力もある。
道場でも通用しなかった私はローレアにアドバイスの1つも言えないだろう。



私は心の中で、
『ローレアの足手纏いにならないように努力する』
って言う約束を自分に取り付けた。




____________________________________



私たちは、田舎で雑貨屋兼カフェを営むことにした。


チリンチリン!

今日の最初のお客さんが来た。



「いらっしゃいませー」

Re: 〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで ( No.1 )
日時: 2021/01/01 21:28
名前: レン (ID: OYJCn7rx)

私はこの雑貨屋兼カフェに来てくれた人には幸運魔法をかけるようにしている。
正確に言うと、ローレアに幸運魔法をかけてもらってる。
私も何かしないと申し訳ないから、
お客さんが注文してくれた食べ物に幸運の味醂ジェールをかけているけど…
やっぱり申し訳ない。
この思いを口に出すとローレアに叩かれる。


「何言ってるの!リリシアが作るジェール、すごすぎだよ!
幸運の味醂ジェールなんて聞いたことない。
もっと自分に自信を持って!」


ローレア…
気を使ってくれてるんだね。






「リリシア!リリシア!おーい!」


ん?


「お客様が来ているよ!早く出迎え!」

「ごめんごめん。」




「いらっしゃいませ。外は寒いですね。
ブランケットをお持ちしますのでそちらの椅子に腰掛けて少々お待ちを。」


「はあ。」


茶色いカゴからブランケットを取り出そうとしたら、
ローレアがひそひそ声でこう言った。


「ブランケットは私がかけるからリリシアは飲み物の対応!」



ローレア曰く、接客は私の方が上手らしい。
ローレアは極力私に接客をやらせるようにしている。
ブランケットより飲み物の方が接客に近いからかな。
私はローレアの方がキビキビしていて接客が早いと思うのだけど…

言い忘れちゃったけど、
私たちの店ではお客様に飲み物を無料で出している。
お客様に好みの飲み物を調合するのも私の仕事!



「お客様、お好きな飲み物などございませんか?」



「エッ!」


「どうしたのですか。お好きな飲み物など…」


「なんでも頼んでいいのですか。」


「もちろん。」



「…じゃあラベンダー風味コーヒーブラック砂糖微量で。」


「了解いたしました。」


「お客様、お目が高いですね。」
「ラベンダー風味コーヒーは上流階級の飲み物ですからね。」


「ラベンダー風味コーヒーは出せないと?」



いけない。誤解させちゃった。



「いえ。もちろんお出しできますよ。」

「少々お待ちください。」


私は急いでラベンダー風味コーヒーをブレンドしに行く。

ラベンダー風味コーヒーにはどんなジェールが合うかなあと考えながら。








Re: 〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで ( No.2 )
日時: 2021/01/02 09:53
名前: レン (ID: OYJCn7rx)

〔キャラ紹介〕キャラ紹介になります。作者のメモのようなものです。



リリシア 外見:水色中心のアースアイ
ブロンド(髪)
色白
身長:156センチ
体重:41キロ
好きな物:メープルシロップをかけたパンケーキ
嫌いな物:レアチーズケーキ
大事な物:母の形見のルビーネックレス
1人称:私


ローレア 外見:オレンジ中心の太陽のようなアースアイ
プラチナゴールドの髪
白い陶器のような肌
身長:164センチ
体重:47キロ
好きな物:速さ
嫌いな物:決断が遅いヤツ
1人称:私


ライトム 外見:栗色の目
焦茶色の髪
色白
身長:173センチ
体重:61キロ
好きな者:レーナ
嫌いな物:清潔感のない物全て
近衛騎士の階級:伯級
1人称:俺


レウト 外見:翠色の目
金髪
浅黒い肌
身長:172センチ
体重:62キロ
好きな物:オレンジのチョコレート漬け
嫌いな物:ピスタチオのソフトクリーム
近衛騎士の階級:伯級
1人称:俺



Re: 〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで ( No.3 )
日時: 2021/01/02 09:18
名前: レン (ID: OYJCn7rx)

第二話 近衛騎士


俺の名前はライトム。近衛騎士だ。
最近、王宮で話題になっている雑貨屋兼カフェがあると聞いた。
驚くほどの効果があるジェールや、
希少価値のある魔法書がたくさんあるという。
さらにサービスもとても充実しているらしい。
俺は最初のうちは信じていなかった。
そんな店あるわけがない、と。
だが、同僚のレウトが

『俺もそんな店、あるわけがないって思ってたんだ。
試しに行ってみようと思った。
行ってみて大したことがなかったら馬鹿にできるだろう?
だけどな、噂は本当だった。すごかったぜ。
お前も言ってみたらどうだ?」


同僚であり、親友であるレウトがここまで言うとは。
噂は本当なのかも知れない。
俺は馬を走らせ郊外までやってきた。
とても寒い日だった。

体を震わせ中に入ると、店員がにこやかに出迎えてくれた。
店の中はとても暖かかった。
店員がブランケットをかけてくれた。

そして、好きな飲み物はないかと聞いてきた。

そこで、俺はイジワルをしてやろうと思った。
『ラベンダー風味コーヒーブラック砂糖微量で。』


この国でラベンダー風味コーヒーはとても価値が高い。
一部の特権階級しか飲めないものだ。


しかし、店員はラベンダー風味コーヒーブラック砂糖微量を持ってきた。



飲んでみると、とんでもなく美味しい味がした。


「隠し味があるのですか。」


「隠し味といえば隠し味かも知れません。
ラベンダーにあう味醂ジェールをちょっとかけているので。」


味醂ジェール!?なんだそれは。
聞いたことがない。


「味醂ジェールとは…?」

「味醂みたいに調味料として活躍して普通のジェールと同じくらい効果のある
食用ジェールです。
ちなみにラベンダー風味コーヒーにいれたジェールの効果は
“刺激たっぷりの幸せな一日”です。
それがどうかしましたか?」


「い、いや…」


この店は異次元だ。
全てが…

ぶっ飛んでいる。


ぶっ飛んだジェールは公国に大きく貢献するだろう。
大公様に報告せねば。
報告材料としてジェールを買っておこう。



「おすすめのジェールなどありますか。」

「私が気に入ってるのは“お肌ぷにぷにジェール[美容用]ですよ!
このジェールがあれば、2度とお肌はカサカサにならない!
このジェールを愛用している、234歳のエルフさんは、
おばあちゃんなのにお肌がぷにぷにでたるみなしです!
一回使えば一生持つのでお買い得!
あっ。お客様は男性でしたか。えへへ。」


「そのジェールを買おう。」


そのジェールを渡したい人がいる。
俺の婚約者、レーナだ。
他にも俺は、異次元の能力を発揮するジェールを四つ買った。



「いくらですか?」

「この天秤にジェールをお乗せください!」

「は?」

「今から金額を秤りたいと思います。」


天秤は大きく揺れた。
ジェールは重かった。俺が持ったときはそんなに重く感じなかったのに。


「お題は3レンゴルになります。」

「それだけ!」

「ええ。秤がそう教えてくれたので。」



「その秤にはどんな仕掛けがあるのですか?」


彼女は笑って答えなかった。



「ありがとうございましたー」



チリンチリンっとベルが鳴る。











Re: 〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで ( No.4 )
日時: 2021/01/02 09:57
名前: レン (ID: OYJCn7rx)

〔用語集〕この小説で出てくる言葉の意味を紹介します。


ジェール: 魔術に長けていなくても使える薬のようなもの。
天才薬草士ライが作った究極の魔法具。
(例)味醂ジェール、お肌ぷにぷにジェール

薬草士:たくさんの薬草を混ぜ合わせて薬を作る。
ジェールが発明されてからは、新たなジェール調合が主な役割となった。

ローレック道場:ここ数年で急激に実績を上げてきた薬草士育成道場。

時空間魔法:時空を操ることができる魔法。
時空を拡張したり縮小したりできる。

近衛騎士:王宮に勤める正規の騎士。

〔階級〕上から順に

公級 全体の2%
候級 〃 5%
伯級 〃 8%
子級 〃 10%
男級 〃 20%
雑級 〃 55%



他にもわからない言葉があったら遠慮なく言ってください。

Re: 〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで ( No.5 )
日時: 2021/01/02 13:21
名前: レン (ID: OYJCn7rx)

「リリシア、危なかったね〜」



「気をつけないといけないわよ。
“秤”なんて相手が不思議がるワードを持ち出したらダメ!」

「わかった!」

「ごめん…」


「でも、なんで言ったらダメなの。」




「それは…」

「だって…」



「また後で言うわ…」



「うん…」



意味が分かんない。
こういうことがあった時はジェールを作るのが1番。
心を落ち着けられる。

どんなジェールを作ればいいかな。


こう言う時は…




心を静めるジェールを作ろう。




森に行って末由那草まつゆなぐさ雫霊草しずくれいそうを採ろう。
末由那草は29本、雫霊草は57本。
末由那草は松油につけたあと干して、
雫霊草は薬水で濁したあとに細かく刻む。
色々な工程を経て、心を静めるジェールが完成した。


このジェールを味醂ジェール:儚い聖域 で味付けして飲む。
心が驚くほど静まった。


ローレアは約束を守る子。
彼女は『また後で言うわ…』と言った。
ローレアは、また後で理由を正確に言ってくれるだろう。



このことは置いておいて、夕食を作ってお腹を満たそう!
卵をいい感じに焼いていく。
卵焼きのいい匂いが部屋中に充満した。




____________________________________




ライトムは早足で大公様のいるシャヂレッチュ城へ向かった。


このジェールを見せて大公様を驚かせよう。
大公様も雑貨屋兼カフェの噂を耳にしているはず。
俺が言ったらとうとう動き出すはずだ。


でも、その前に…

レーナに会いたい。レーナに会って、ジェールを渡したい。
彼女は向日葵のような笑顔を見せて笑ってくれるだろう。
ジェールの効果は抜群。
彼女の笑顔は太陽を浴びて光った向日葵になるはずだ。




別れ道に出た。


レーナに会ってから大公様のところに行くか。
大公様に報告してからレーナのところへ行くか。





俺は、大公様の驚いた顔も好きだが…



レーナの笑顔が1番好きだ。



俺は、道を左に、市民の住む方の道に進んだ。







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