コメディ・ライト小説(新)

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乙ゲー転生で政略対象者に溺愛……されたくない!
日時: 2021/01/10 13:16
名前: blue gain (ID: rirfL/pS)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12932

前書き ※飛ばしてもらって大丈夫です
どうも流行りに乗っかってみた人、別名bluegain
です。
最近乙ゲー悪役令嬢転生でフラグ叩きおる小説や漫画がすごい(小並感)ので書いてみた。
まあ悪役令嬢じゃないけど…………あ。
ま、ネタバレはいかんでしょうね))))
とりま……………………面白いです(雑)。多分。
それでは本編をどうぞ。

※諸事情により一気に書くのが難しくなったので
1話ずつ物語を投稿していきます

1話 私が主人公ヒロイン!?

鏡に写った自分の顔を見て、私は絶句しました。
いつも通り私の顔が写っているーーけれど、その瞬間私は全てを思い出したのです。
乙女ゲームである『白バラ騎士育成学校』の主人公ヒロインシェリーナじゃないですか!
なななななななななんて事でしょう!
いや、一旦落ち着きましょう!落ち着けないけれど、落ち着きましょう!
まず読者の皆さんに説明を(メタ発言)。
そもそも乙女ゲームとは恋愛疑似体験ゲームの事です。現実では、イケメンたちに溺愛なんてされる訳がありません。しかしその切実な願いを叶えてくれるのが乙女ゲームなのです。
しかしながら、私は乙女ゲームなどプレイした事がありませんでした。したくもなかったです。
………………実は、私の義姉あねが乙女ゲームが大好きなのです。
そして、愛を語る相手が欲しいが故に、義姉あね曰く「私がプレイした乙ゲー史上最高傑作」の『白バラ騎士育成学校』という謎タイトルの乙女ゲームを“無理矢理”!プレイさせられたのです!
それも一度ではなく全キャラ3週ですーーーー三途の川が見えました。
取り敢えず、私がシェリーナ(ヒロイン)になっていることは間違いないようです。ということはですよ?…………三次元のイケメンたちとのキャッキャウフフライフが待っているわけですよ。
突然ですが、幸せの価値基準って、人によって違うんですよ。義姉(あね)のように、恋愛とか少女マンガとか乙女ゲームとか大好きな人は、この状況、嬉しすぎて発狂するかもしれませんが、私は違うのです。私はーーーーーー恋愛が大っ嫌いです!!
私は乙女ゲーム以前に恋とかそういう事が嫌いなのです!男とイチャイチャするなんて言語道断!
という訳で、私は溺愛シナリオを書き換える!
溺愛されてたまるか!!!!
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
よし、今の状況を整理しましょう。
私はシェリーナ(ヒロイン)。明日には女の子にしては珍しい事に騎士育成学校に通うことになります。………………え、明日!?
ということは、明日から『白バラ騎士育成学校』のストーリーが始まるのですか!?実際政略対象者とのイベントが始まるのは、どのキャラでも初稽古の時ですが、どちらにしろ明後日!一日しか変わりません!そんなぁ……………………。
どうしましょう、絶望しか見えません。
こうなったら彼らに会わないように対策を練るしかありません。私の目標は、“彼らに溺愛されないようシナリオを変える”ですが、“彼らに関わらない”を目標にするくらいの気持ちでいかなければ、シナリオを変えることができるか分かりません。
というのも、シナリオ上彼らに溺愛される事は決まっている訳ですから、私がシナリオと違う行動をとろうが関係なしに溺愛ルートに進む可能性もあるのです。シナリオ補正であります。
しかしそうなると、溺愛ルートに入るかどうかは置いといて、シナリオ補正が効いて彼らに会ってしまうという気もします。だから“彼らと関わらない”という目標は難しいのであります。
因みにこの世界は“魔法”という概念は存在しません。あれば良かったのに。使ってみたかった。
さあ、ここで一応政略対象者たちを紹介しておきましょう。
1人目 メインの対象者、ルイス。
クールキャラではあるけれど、正統派の王子様。剣術は学校一。暗い過去を抱えている。
シェリーナの二つ年上。
2人目 ルイスの弟、チェスリー。
可愛い癒されキャラです。健気でルイスルート、つまりルイスと恋仲になるシナリオでは、ライバルとして登場。兄弟での主人公ヒロインの取り合いが熱い(義姉あね談)。
シェリーナと同い年。
3人目 ルイスの友人其の壱、ヨルン。
気が弱い。守ってあげたくなる系キャラ。でも、町デートではぐれた時、ナンパにあったシェリーナを守ってた時はくそ格好よかった。(義姉あね談)。
4人目 ルイスの友人其の弐、シリウス。
この人だけは本当に何が良いのか分かりません。
お色気キャラですが、本人曰く「人を虐めるのが好き」と。つまりドSですね。「人の泣き顔が好き」とか言っていましたし、ヤバイ人です。
「何言ってるの?!イケメンは正義!イケメンだったら多少は許されんの!彼の主人公ヒロインへの虐め行為は胸キュンなんだから別に……(ぐだぐだ)」などと義姉あねは言っていましたが…………。
まぁそんな彼もルイスより暗い過去を抱えているわけですが。
そんな事より!私はそれどころではありません!
こんな人たちと、特にシリウスには関わりたくないです!!こうなったら……………………
騎士育成学校の入学を辞めるしかない!
…………と言ってもどうやって?今頃もう遅いですし。お母さんは厳しい人だからきっとそんな我儘聞いてくれないでしょうし………………。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
空には輝く月と、私を飲み込む闇。
私は少ない荷物を持って家の前に立ちました。
「さようなら、愛しの我が家」
しょうがないことなのですーーーーそう。こうするしかなかったのです。
さて、これからどうしましょう。まずは今日の宿を見つけなければ。
私は町に向かって歩き出しました。女の子が夜に一人で危ないって?
そうですね。だから私は、
男装することにしました。
茶色の腰まであった髪を耳の下まで切り、横髪だけ残して後ろは短く切りました。
服はつなぎ。なるべく男の子っぽいのを持ってきました。
………………と、宿がありました。それにしても、こんな夜中に町に出たのは初めてです。意外に人がたくさんいるのですね。
私は宿屋のドアを開けます。そして低い声を意識しながらカウンターの人に言いました。
「一泊泊まります」
「…………畏まりました。上の一番奥の部屋へどうぞ」
良かった。ちょっと不審に思われたかもしれませんが。何といっても今は夜中の一時ですからね、宿があったのは幸運でした。
そんなことを思いながら私は階段をリズミカルにトントン、と上っていきました。
一人で宿に泊まるなんて悪いことをしている気分ですーーーあ、家出って悪い事ですね。
すると、角から急に男の人が出てきて私はぶつかってしまった。
「あ、すみません………………?!」
私はその男の人の顔を見て思わず声をあげそうになった。
シリウス………………!?どうして彼がこんなところに!?寮に居るはずじゃあ…………。
「いや、こちらこそすみません……………………あの、僕の顔に何か付いてますか?」
絵に描いたようなイケメンの顔が付いてます!とは言えないですが、私はハッとして首を振ります。
「いえ、すみません、何でもないです」
私が少し顔を俯けると、彼は首を傾げました。
「シリウスー?ナンパでもしてるの?」
階段から聞こえてきた声へ顔を向けると、癖っ毛の可愛らしい男の子が居ました。
チェスリーですーーーー彼まで此処に居るなんて、どうなっているんでしょう…………!?
まさか…………私がシナリオを変えたせいで他のシナリオまで全部変わっている!?
でも彼らに会ってしまうのは主人公ヒロインの宿命のでしょうか?
「なーんだ。男の子か。」
チェスリーはそう言っておもむろに私の目の前に立って私をじっと見つめました。
「君………………」
私はゴクリと唾を飲み込みます。
「僕とおんなじくらいの背だね!僕よく低いって言われるからなんか嬉しいなー!」
よ、良かった~。バレたかと思いました…………。
まあ女の子ですから、身長は低いですね。
「チェスリー、お前と一緒にされるなんて気が悪いだろうから辞めといた方がいいぞ」
「ルイス。ちょっと酷くない?」
ちょっとじゃなくてだいぶ酷いです。っていうかルイスまで居るなんて。
私は溢れ出すイケメンオーラにくらくらしながら言いました。
「え、と僕奥の部屋なんですけど………………」
「あ、すみません」
シリウスはすっと壁の方へ体をどけました。
私はコツコツと足音を鳴らしながら、一番奥の部屋へ向かいーーーー
「い”っ」
突然ドアが開いて私はおでこをぶつけました。
「あぁゎゎ~!す、すみません!!!だ、大丈夫ですか!?」
完全にパニクりながら部屋から出てきたのはヨルンでした。ぅぅ、政略対象者勢揃いです!少しも嬉しくない状況!
「だいじょうぶ、ぇす」
私はおでこを押さえながら何とか返事をします。
「ぁゎゎゎ、全然大丈夫じゃないですよね!すみません!本当に!」
ヨルンは泣きそうになりながら何度も私に謝りました。そんなに謝られても困るのですが……それにしても結構勢いよくドアを開けていましたね。
「ヨルン何やってるんだよぉ。僕なんか冷やすもの持ってくるね」
「いえぇ、お気遣いなく…………」
私はそう言いましたが、シリウスは柔らかく微笑みました。
「いえ、僕らの友人のしたことですし。本当にすみません」
そして、シリウスは屈み、私の耳元で、囁くように言いました。
「女の子ですし、ね?」
「……………………!?」
な、どうして………………!?


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