コメディ・ライト小説(新)

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もう一度。
日時: 2021/03/22 12:51
名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)

「神様。」


「もしも、願いが叶うのなら。」


「もう一度、もう一度だけ____」

✎︎________________________

文章に変な部分が多くあると思いますが、暖かく見守ってくださったら嬉しいです。



≪目次≫


登場人物紹介 >>1

プロローグ >>2-3

『中学2年生』

1話 >>4 2話 >>5 3話 >>6 4話 >>7 5話 >>8
6話 >>9

Re: もう一度。 ( No.1 )
日時: 2021/01/10 19:14
名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)

主要人物紹介



プロローグ時点では中3です。ご了承ください。



北野きたの 香澄かすみ

優しい性格でみんなのムードメーカー的存在。優しい故に気が弱く、自分が「嫌だ」と思ったことをハッキリと言うことができない。自分から友達に話しかけることも苦手。

東雲しののめ 華蓮かれん

香澄の親友。学級委員を勤めている。思っていることをハッキリと主張できる性格。女子男子関わらず人気でモテる(?)。

みなみ すばる

転校生で、香澄の隣の席になる。香澄が好意を寄せる相手。華蓮の塾友。

西田にしだ たける

高身長イケメン。昴とは小学生の頃からの親友。
香澄のことが好きで、グイグイ行く。

Re: もう一度。 ( No.2 )
日時: 2021/01/10 20:25
名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)

プロローグ


私に、ちょっとの勇気があったなら。



こんな結末は、変えられることができたのだろうか?



『中学3年生 卒業の日』


「おめでとう!告白はどっちからしたの?」
「いいなぁ!二人とも美男美女でお似合い~」
「高校に行ってもお幸せに~!」

教室に入ると、窓側の方から甲高い声が聞こえてきた。その声の中心に居る二人を、私はもう知っている。

「へへへ…。皆ありがとう。これから二人で頑張っていくぞ……なんちゃってっ」

私の親友___私の中では、もう親友だった人___の東雲華蓮が、緩みきった笑顔で皆に答える。まわりからは、どっと笑いが起きる。

私が席につくと、華蓮は私を見つけたようでこっちに駆け寄ってくる。彼氏の南昴と共に。手を繋いで。

「あっ、香澄!おはよう!そして卒業おめでとう!!」

いつものように明るい彼女が挨拶してくる。その声でさえも今の私の心には辛くのし掛かる。

「___おはよう、華蓮、南くん。今日皆に伝えたんだ。そのこと。」

作り笑いで二人に対応する。『そのこと』と隠して、繋がれた手を指さす。

「そうなの。でもさ、ありがとうね。いろいろ相談に乗ってくれて。香澄が居てくれなきゃこうやって告白する勇気もでなかったよ。さすが親友!」

そう言って華蓮は笑う。

「そうだったんだ。じゃあ北野さんはキューピッドだね。」

南くんも笑う。


ズキン、と心が痛む。そう、あれはそう遠くもない過去のこと。


『中学3年生 7月上旬』



「放課後、時間があったらあの公園で待ってて!」

そんなことが書かれた紙切れを受けとり、通学路の近くにある公園で待っていた。学級委員会が長引いているのだろうか、華蓮はなかなかやってこない。

「ごめん!待たせてるのに…。委員会長引いちゃって…」

予想的中。さすが親友って言うのかな…?息を切らしてジャージ姿の華蓮は現れた。

「大丈夫!てか、今日は改まってどうしちゃったの?こんな手紙なんか書いちゃってさ。」

ポケットからさっきの紙切れを出し、理由を問いただす。すると華蓮は急に真面目になって言い出した。

「…香澄。これは香澄にしか相談できないことなの。」

初夏の生温い風が吹く。なんだか嫌な予感がする。____予感だけなら良かった。


「私ね_昴のことが好きなんだ。」


「……え…?」

正直、信じられなかった。しっかりしていて恋愛にも興味なさそうな華蓮が、どうして。

しかも…密かに想いを寄せていた、南くんに…。

「どうして…」

声には出ていないと思っていた心の声は少しだけ漏れていた。

「もともとは塾が同じなだけの転校生…としか思ってなかったんだよね。だけどさ、関わっていくうちに…さ。」

と語尾を濁らすように話した。続けて、

「香澄は……私と昴のこと……どう思う…?」

と私の目を捉えて離さない。

なんで、そんなことするのだろうか。
私は気が弱くて、こういう質問が苦手ってこと知っているくせに。

____本当は「私だって好き」と言いたかった。
だけど、言えなかった。『気が弱い』から。

「いい…と思うよ。お似合いだよ。親友として応援するよ。」

目線を逸らして、そう言った。応援するしかなかった。もうここに居たくなかった。

「そう……。」

何故か、華蓮は悲しそうな顔をしていて。その表情だけが印象に強く残った。

_______


そんなことが脳裏によぎった。私はこんな最低な人間だから。二人に、笑顔を向けられる権利なんて…ない。だから、

『キューピッド』として、二人から離れよう。


「___おめでとう、二人とも。」


そんなことでしか私は二人を祝えなかった。

Re: もう一度。 ( No.3 )
日時: 2021/01/16 16:36
名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)

二人から離れる。

そう決めた私は、なるべく二人に近づかないようにと、他の友達と写真を撮った。

「香澄、写真とろ!」

華蓮のその言葉にも気づかないふりをした。

__いつのまにか写真フォルダには、いつか華蓮たちと撮った枚数よりも多い数の写真が保存されていた。


______________


リビングにいる母に顔も出さず、私は部屋に入った。


私は、なんて、最低なんだろうか。


『私は気が弱いから』なんて言い訳をして、信頼するべき親友に本当の気持ちも伝えられないでいて、それでいて親友が悪いなんて都合よく解釈するなんて。

華蓮は、気を使ってくれていたじゃないか。あのときだって、私の気持ちを聞きたいから、あのとき問いかけてくれたんだ。だけど、私は自分の気持ちを押し殺した自分勝手な偽善者だ。

私は……どれだけ自分勝手で我が儘な人間なのだろうか。
これじゃあ親友失格だよ。南くんにも釣り合うはずもない。

流れ始めた涙は止まらない。幼児のように、感情があふれでる。

「ごめ…なさ……か……れん…。」

独り言だけれども謝る。謝らないと気が済まない。そんなことで許されることなんてないのに。

よく回らない頭で、こんなことを考え付く。思っちゃいけないし、絶対起こるはずないとは考えていても。

_____もしも。

『あの時』からやり直せたなら、私は何か変われていたのだろうか?


ああ。


「神様。」



もしも…


「もしも、願いが叶うのなら。」


「もう一度、もう一度だけ……。」




「南くんと出会ったあの日に戻れたら、いいのに。」

Re: もう一度。 ( No.4 )
日時: 2021/01/11 14:04
名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)

第1話




『????』




____ここはどこだろうか。とても暗くて、不気味な場所。



目覚めた私は私は冷たいコンクリートの上に寝ていた。もしかしなくても、ここは夢の中だ。あのあと、寝てしまったのだろう。

そうだ、少し歩いてみよう。そう考え、私は歩き出した。ひたひたひたと、コンクリートに足音が響く。この音も合わさって、私の足は感じているであろう感覚よりもずっと冷たい。それでも何かあるかもしれない、と歩き続けた。



____


「あれ?__誰かいるのかな。」

少し歩いた先に、女の人のような人がいた。暗めのピンクブラウンのロングヘア、そしてノースリーブの白いワンピースを着ている。3月になり、暖かさも増してきたからといって、ノースリーブは流石に寒いと思う。

「見てるだけで寒くなってくるなぁ…。」

ただの独り言だったのに__女の人は何を思ったのかこちらを向いて、近づいてきた。輪郭はハッキリとしてきたのに、顔だけがぼやけて見えない。

もしかしなくても怒らせた…?

そう思うと、女の人はすれ違い様に言った。


「未来は、変えられる。」


_________

____

_ピピピピピピピ…




頭上からアラームの音がする。やっと現実に帰ってこれたような感覚がした。

__あれ、アラームなんて掛けてたっけ?それに、朝日が眩しい。寝たのは正午過ぎくらいだったのに…?寝ぼけてんのかな。

それにしてもやけにリアルすぎる夢だった。本当に寝ちゃってたんだなぁ。と呑気なことを考えて起き上がった矢先、後頭部に違和感がある。


なんだか、髪の毛が重い。


…実は卒業の1週間ほど前、未練を断ち切るような決心で髪を切りに行った。____忘れられてない、未練たらたらだろうとは突っ込まないで欲しい。__そのお陰で私は髪の毛が軽くなったというのに、何故?

部屋に置いてあるドレッサー(的なもの)で確認してみる。すると、驚きの光景が広がっていた。えっと……この言い方では何か誤解を生むかもしれないけど__


髪が、ある。前までおさげにしていたくらいの髪が。


しかも、パジャマに着替えた姿だった。……制服のままで寝ちゃったんだとおもっていたけど早着替えでもしたのだろうか。

正午くらいの状況と今の状況が違いすぎて、混乱が止まらない。…というか、今は本当に卒業の日なの??

机の上のスマホを起動させて、今は何時なのか確認してみる。


「えっ___嘘…?!なんで…?」



その日時には見覚えがあった。ずっと鮮明に覚えている。今日は__





南くんが、転校してくる日。



第1章『中学2年生』


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