コメディ・ライト小説(新)

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聖桜の精霊さん
日時: 2021/02/06 21:29
名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12719

俺が小学2年生くらいだったころ。

いつも、聖公園ひじりこうえんに植えてある大きな桜の木の下にいた。

そこには決まって先客がいて

ただじっと桜を見上げてる。

いつしか現れなくなったあの子を

俺はずっと覚えている

この聖桜ひじりざくらへの、信仰めいたものとともに。


ひにゃりんと申します。投稿2作目。長編小説を書いている最中ではありますが、どうしてもこの物語が
頭から離れないため、投稿します。
軽い内容を心がけますが、 男←無性別 の恋愛表現を後々含めますので、ご注意ください。
誤字脱字の指摘、ご感想などお待ちしております。

登場人物

金森かなもり 透空とあ
聖桜ひじりざくらに執着している、15歳の少年。無意識にハルを具現化させてしまった。
父親と二人暮らし。目つきの悪さから、あまり友達は多くないが、面倒見が良い。
特技は料理。

・ハル
透空に具現化された、聖桜の精霊。性別は無い。焦げ茶色の長い髪を持つ、少女の様な外見だが、性別を
決められることを嫌う。一人称は『私』。髪は、時折緑色に反射する。桜色の瞳で、容姿端麗。
まだ自我を持ったばかりなため、無知。

Re: 聖桜の精霊さん ( No.1 )
日時: 2021/02/07 20:45
名前: ひにゃりん ◆h.XbuXOg6s (ID: PNMWYXxS)

「嘘だ」
土曜の朝。突然耳に入ってきたニュースに、俺の頭は真っ白になった。
昨日の夜、聖公園の桜、通称 聖桜ひじりざくらに雷がおちたというのだ。
聖桜は、特に左半分の被害が大きく、自然に回復出来るかは微妙らしい。
すぐに、すぐに確認しなければ。パジャマのまま家を飛び出そうとすると
父親から上着を指刺される。少しは隠せと言うことだろう。乱雑に上着を
手に取ると、羽織りながら家を出る。いつも俺の支えになっていた、あの聖桜が
なくなってしまうかもしれない。それだけが、寝起きの俺の脚を動かしていた。
息を切らして、聖公園にたどり着く。聖桜の周りはテープで囲われており
木は思ったほど酷くはなかったが、一昨日まで咲いていた花は黒くなり、左半分が
ボロボロになっていた。
思わず、膝をつく。
色が、音が、匂いが。世界を彩るものたちが一斉に消えてしまったみたいで。
……どうして俺は、これほどこの桜に執着しているんだろう。
脳裏に、『あの子』の姿がよぎる。昔会ったあの人を、聖桜に重ねていたのかも
しれない。いつも一人だった俺に、声をかけてくれたあの子。
儚げで、優しくて、まるで。

「……ぐすっ」

今、何か聞こえた。音を失くした世界で、その小さな泣き声だけが
はっきりと聞こえる。聖桜のほうからだ。
「誰かいるのか?」
声をかけた次の瞬間、聖桜の後ろから、変わった姿をした人間が現れた。
「……え」
あの子によく似た姿をした人が、左半身に火傷を負っていた。


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