コメディ・ライト小説(新)
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- ブスがイケメンを好きになった結末。
- 日時: 2021/02/11 12:28
- 名前: ななこ (ID: LIJSamtZ)
1.升田くん。嫌いです。
「ねぇ!鎌田さんって、好きな人いる?」
(嫌いだ。)
「ねぇ!鎌田さん!鎌田さんは、恋愛系好き?」
(大嫌いだ。)
(こういうヤツ!嫌いだぁーーーーー!!!!)
高校3年生。鎌田玲[かまたれい]は、隣の席の升田圭人[ますだけいと]を天敵としていた。
自分勝手。生意気。それが彼だ。玲は、そんな彼を、大嫌いなタイプとして避けていた。
「あ。そっかー。でも、鎌田さんは恋愛系好きじゃないよねー。ハハ!」
「ですね・・・」
(ま。イケメンだけど)
「ただいまー」
大きく息を吸い、誰もいない家に挨拶をする。
「・・・」
玲は、誰もいないことに悲しみつつ、自分の部屋へと向かった。
玲の両親は、仕事で家にいない日が多い。
だから、毎日のことではあったけれど、玲は、少し心に穴が開いているような気がしていた。
「・・・」
翌朝。黙って教室へと入る。
「玲!おはよぉ・・・」
親友の橘葵[たちばなあおい]が声をかけるも、玲は黙って通り過ぎてしまった。
「…どうかしたのぉ!?元気ないなぁ~( ´∀` )鎌田さんらしくないよっ!!」
隣の席。升田圭人が話しかけてくる。玲は頭にきて、思わず怒りが声に出てしまった。
「いいえ!なんでもありませんが!!」
すぐに荷物を捨て置き、教室を出てしまった。
升田圭人は、不思議そうに玲が出ていくのを見届けた。
「いぃ!!何も知らないくせに!!」
升田圭人の発言に、玲はトイレの個室でイライラしていた。
さっき、無視をされた橘葵が、玲が入る個室へ、優しく話しかけた。
「玲。朝の会。始まるよぉ・・・」
「…はい。分かった。すぐ行く!」
少し落ち着いた様子で、トイレから出た。
すると、女子トイレの前に、質素な顔立ちの男子が、顔を出した。こいつは、橘葵の彼氏だ。
「葵さん。今日、百均行かない?」
「あぁ。いいけど、また変な奴買うんじゃねえよ!」
「分かってるって(・∀・)ニヤニヤ またな!」
「おう! …ごめん。行こうか」
「う…うん。」
玲は、幸せそうな二人を見て、少し胸が苦しくなった。
(私。人に恵まれないなぁ…)
「あいつ。ブスの癖に彼氏持ちって意味不じゃね?」
「うん…ま。あんたよりはブス!?」
きつい笑い声で響く。
教室のリーダー的存在。七瀬美緒[ななせみお]と、その友人 梅野香菜[うめのかな]が笑い声を立て
て話していた。
その様子を、升田圭人は横目で見ていた。
「・・・」
「噂では、七瀬のこと、圭人好きなんだってよ。」
「え…そうなの…?」
「何であいつが。。。ねー!」
橘葵は、すぐにその場を立ち去ってしまった。
「升田くんは、七瀬さんが…好き…」
深そうな顔を浮かべ、升田圭人を見つめた。