コメディ・ライト小説(新)
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- キリシマさんに近付きたいっ!
- 日時: 2021/03/15 17:44
- 名前: 箱子 (ID: AQILp0xC)
恋だの愛だの、そんなくだらないものに興味は無い―――
冷めた性格で周りと距離を置いてきた桐島七瀬高校2年17歳。
周囲と一線を画す七瀬に興味を持ち、接近を試みる北条マヤ 高校1年16歳。
頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗の三拍子が揃った完璧男子・南野真琴高校2年17歳。
桜乃橋高校に通う3人を軸に、物語が始まる。
- マヤ ( No.1 )
- 日時: 2021/03/15 18:02
- 名前: 箱子 (ID: AQILp0xC)
「昨日のドラマ見た?」
「見た見た!かっこよかったよね〜!」
いつもの話題。
「タクヤがミキに告ったらしいよ」
「ヤバ!でもお似合いじゃん」
…いつもの話題。
「ねぇ」
「桐島さんはどう思う?」
いつもの…
『興味無い。』
いつもの、やり取り。
---
ほんのり暖かくて優しい風が、いかにも春を演出している午前10時。
新学期特有の、どこか落ち着きのないクラスの雰囲気。
ぎこちなさを隠そうとする、やはりぎこちない笑い声。
それら全てが、桐島七瀬にとってはどうでも良い事だった。
―どうてもよかったはずたった。
「桐島七瀬さんいますか!!」
勢いよく開かれたドアの先にいたのは、恐らく入学したての1年生。
規定通りのスカート丈と、シワひとつない純白のブラウスが微笑ましい。
「桐島七瀬さんを探してここまで来ました!」
「桐島七瀬さんに逢いに来たんです!」
「1年5組の北条マヤです!!!」
- マヤ 2 ( No.2 )
- 日時: 2021/03/15 18:09
- 名前: 箱子 (ID: AQILp0xC)
「私、本を読んでしまいたいんだけど」
読みかけの本を残したまま、マヤと名乗る新入生に連れられ、七瀬は旧校舎の階段に腰掛けていた。
そのマヤと名乗る新入生は、少し乱れた桃色の髪を軽く縛り直し、真っ直ぐにこちらを見つめる。
「単刀直入に言います。桐島さんに惚れました」
「は?」
「桐島さんのサラサラの髪、凛とした目元、白い肌、全てがドストライクなんです!」
「あの…」
「私、もう桐島さんしか見えません!」
「どこから突っ込めば良いのかしら…」
4月2X日。老朽化が進んだ旧校舎の階段の5段目で、世界で1番唐突な告白を受けた。
- マヤ 3 ( No.3 )
- 日時: 2021/03/15 18:28
- 名前: 箱子 (ID: AQILp0xC)
詳しく話を聞くと、マヤは入学前の制服採寸で学校を訪れる際に、バスに偶然乗り合わせた七瀬に一目惚れしてしまったのだという。
「私、桐島さんを見て改めて思いました。桜乃橋高校に合格して本当に良かったなぁって」
「そう…」
「その私に興味無さそうな生返事!そういう所も好きなんですよ」
「はい…」
「一応私後輩なんで、桐島先輩って呼びますね。改めて大好きです、桐島先輩っ。」
普段なら付き合う時間がもったいないと無言で立ち去るものだが、強引すぎるマヤに気圧され、ただただ相槌を打つことしか出来ない。
「そうだ桐島先輩、今日は一緒にお弁当食べませんか?先輩のために作ってきたんで!」
「………………は?」
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「一応聞いておくんだけど、変なものが入ってたりしないわよね?」
「やだなぁ先輩ったら。最愛の先輩に作ったお弁当に、そんな劇物仕込むわけないじゃないですか。あっでも、強いて言うなら愛情は入ってますね。」
「はぁ………」
押されるがまま2人でお弁当を囲む自分に嫌気がさしつつも、マヤの得意料理だというハンバーグが思ったよりも美味しくて、悔しながら箸が止まらない。
「なんだか恐ろしく急展開なんだけど…」
「良いじゃないですか。鉄は熱いうちに打てって言いますし」
「意味がわからないわ…」
北条マヤの告白から始まった一連の騒動(?)は、これから始まる物語の序章に過ぎないのだった。
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