コメディ・ライト小説(新)
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- バグズストーリー
- 日時: 2021/08/26 14:21
- 名前: t (ID: BgqTPKsJ)
僕の身の回りでは、不可解なことは起こらない。
18年間生きてきて、まだ短い人生だからなのかもしれないが、謎めいた事件・現象とは無縁の人生を歩いてきた。今日までは。
- Re: バグズストーリー ( No.1 )
- 日時: 2021/08/26 14:38
- 名前: t (ID: BgqTPKsJ)
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僕の通っている高校は、一般的に学力も高くなければ、スポーツに秀でてるわけでもなく、敷居が低めの学校である。僕も何となくその高校を受験し、今に至る。悪い噂もなく、常識人の集まりの学校だと自負していた。
もう高校3年の夏だ。数か月後には卒業する。良い思い出も残せたし、悔いのない3年間だったと感慨深さも感じる。あとは秋にある学園祭を楽しむだけだ。それを終えたら、一気に受験モード一直線である。
いつもの朝、学校へ登校し、ホームルームまで友人と会話し時間を潰していた。数人で集まり、適当な事を言い合う。そして、何気ない会話の最中、ふと、佐藤の言葉により、一瞬時が止まった
「そういえばさ、みんな知ってるか?3組の夜風が1週間前から行方不明らしい」
僕はみんなと同じように驚いた。だが、いまいちピンとは来ていなかった。何故なら、僕は夜風という人物を知らなかった。
「マジで?それってヤバくね?っていうか夜風って誰?」
僕がそう言うと、他の皆も首をひねった。誰も知らない様子だ。
「うーん、同じクラスにはなったことないけど、顔の印象もないんだよなあ」
田口が返す。
「俺も人伝いに聞いただけなんだけど。夜風っていうヤツが1週間学校に来てなくて、家にも帰ってないらしい」
佐藤が言う。僕は、今までにない、不思議な感情を抱いていた。初めて感じる、不可解、という感覚。しばらくして、担任が来ると、ホームルームが始まった。
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