コメディ・ライト小説(新)
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- 閻魔の娘が人間界を観察するそうです。
- 日時: 2021/10/02 17:30
- 名前: 柊 (ID: r306tAcU)
羅鬼(閻羅 慎)は閻魔大王の娘。羅鬼は人間に混じって生活をしていた。
実は、地獄では様々なトラブルが起こっていて…?
羅鬼は数々のトラブルを解決することができるのか?
そして、閻魔の娘と知られず学園生活を送れるのか?
地獄の姫の奮闘の日々。ここに誕生!
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はじめましての方ははじめまして!
知ってる方はこんにちは!
どうもこんにちは!柊です。
始めての投稿ですねー!緊張するなぁ…((
語彙力もなんもないクソですが、羅鬼ちゃんを親目線で見る作品ですね(笑)
どうぞよろしくお願いします。
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登場人物紹介
・羅鬼/閻羅慎
・骸
・魅琴
・櫻井洋
・霜月光
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目次
>>1 第1話 『地獄はトラブルがいっぱいです!』
>>2 第2話 『地獄の姫、人間界に見参します!』
>>3 第3話 『地獄の姫、悪い輩を成敗します!』
>>4 第4話 『オカルトマニア・霜月ちゃん!』
>>5 第5話 『なにかを忘れているような?』
>>6 第6話 『真面目にやりましょう』
- Re: 閻魔の娘が人間界を観察するそうです。 ( No.2 )
- 日時: 2021/09/19 12:08
- 名前: 柊 (ID: r306tAcU)
第2話 『地獄の姫、人間界に見参します!』
地獄から人間界へ移動し、目的の学校へと向かっていく慎。
慎が行くのは高等学校である。
校門を潜ると、他の生徒がざわざわと話し始めて慎の事をチラチラと見ていた。
「(……ふふ、人間共め。この美貌を堪能するとよい)」
当の慎はそれを楽しみ、嬉しそうにしていた。
そんな慎は高校一年生の転校生として、この学校に潜入する。
※手続き?そこは妖術でチョイチョイじゃ!←
◆
一年A組教室。そこでは、転校生が来ると生徒達が胸を踊らせていた。
男の子かな?女の子かな?どんな子なんだろう。
しかし、生徒達はまさかそれが地獄の姫とは知らない。知らなくても何にも損はしない。
そして、教室に先生と思わしき男性が入ってくる。
「皆、おはよう。元気?」
爽やかな笑顔で生徒達に笑い掛ける。
すると、生徒はムッとした顔をして彼に言い出す。
「先生転校生はぁー?」
「さっちゃん嘘ついたの!?」
そう『さっちゃん』と呼ばれるのは櫻井洋
一年A組の担任である。
洋は「はいはい………」と困った顔をしつつ教室の扉を見てパンパンと手を打つ。
「転校生さん、入ってきてー」
その声と共に、教室に入ってくるのは慎。
瞬間、「可愛い……」という声が上がる。
「閻羅慎です。これからよろしくお願いします!」
慎は満面の笑みでそう言った。
◆
ホームルーム終了後、さっそく慎の周りに生徒が集まった。
「ねぇ!慎さんは、どこから来たの?」
とある生徒の一言。慎は怪しげにニヤリと笑うと指で下を指差した。
「地獄じゃ。どうだ?凄いだろう?」
教室がシーン、と静まりかえる。
しかし、直ぐに笑いで溢れた。
「あははっ、慎さん冗談上手~!」
「確かに~!」
生徒達を見ながら慎は苦笑しながら呟いた。
「冗談じゃ無いのだがのぉ……」
そんな彼女の呟きは、誰にも届きはしなかった。
そして、そのようなやり取りを遠目から見つめている一人の女子生徒が居た。
その少女は頬を紅潮させ、手足を震わせる。
「地獄は………本当にあるんだ……」
- Re: 閻魔の娘が人間界を観察するそうです。 ( No.3 )
- 日時: 2021/09/19 12:07
- 名前: 柊 (ID: r306tAcU)
第3話 『地獄の姫、悪い輩を成敗します!』
やり取りを遠目から見つめる一人の女子生徒。
その少女は頬を紅潮させ、手足を震わせていた。
「地獄は………本当にあるんだ……」
そう呟くと慎をじっ、と見つめて更に顔を赤くした。
するとその少女はおもむろに懐の本をペラペラと捲る。
「……この本は嘘をついてない!」
この本、とはその少女が愛読している地獄についての本だ。
その時、男子生徒がその少女の本を取り上げる。
「まぁたこんな本を読んでるの?気持ち悪りぃ!」
男子生徒はそのままその本を床に打ち付けて破っていく。
「……あ、やめ……てよ」
少女は泣きそうになりながらそう訴えるも、男子生徒はそれを愉快そうに見ながらニヤニヤと笑った。
何を描くそう少女はオカルトが大好き。そのせいで色んな人に気味悪がれているのだ。
騒ぎは大きくなり、話が盛り上がっている慎達にも届く。
「……む、あれはなんだ」
慎は少し眉を寄せて言う。
どうやら、面白くないと思っているらしい。
「あぁ、あれは……行かない方が…って慎さん!?」
生徒の忠告を無視し、慎は席を立ち上がると男子生徒と少女の元へと歩いていった。
◆
男子生徒は少女の本をボロボロにすると、満足して立ち上がる。
少女は涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっていた。
そこへ、慎が近付く。
「……お前、そこの少女を苛めて楽しいか?」
「あ?なんだてめぇ?転校生は引っ込んでろ」
と、男子生徒が慎の事を押そうとする。
しかし、力を加えても慎が倒れることは無かった。
「……なっ、なんだコイツ…化け物っ…」
「化け物とは失礼な。お前の力が弱いだけじゃ」
慎はクスクスと笑うと、怒っている男子生徒を無視し、ハンカチを取り出して少女の顔を拭いた。
「大丈夫か?もう安心しろ」
少女はコクコク頷く。
慎は安心すると立ち上がり、男子生徒を見つめた。
「……人を苛めるなら地獄に落ちる覚悟がある…その認識でいいかの?」
男子生徒はただならぬ物腰に少し怖じ気づく。
「……だからなんだよ」
「苛めるなら送ってやってもいいなぁ、あん?」
「……ひっ、すっ、すいませんでしたっ!!」
慎の覇気に負けたのか、男子生徒は尻尾を巻いて逃げていった。
その瞬間、黄色い歓声が辺りを包んだ。
「慎さんカッコいいっ!」
「閻羅さん、友達に……!」
男女問わず生徒に囲まれ、慎は少し嬉しそうに笑った。
「妾に掛かれば……こんなものじゃよ」
- Re: 閻魔の娘が人間界を観察するそうです。 ( No.4 )
- 日時: 2021/09/19 16:05
- 名前: 柊 (ID: 9yNBfouf)
第4話 『オカルトマニア霜月ちゃん!』
慎は生徒の溜まりを抜け、先程の少女の所へ行く。
「もう大丈夫か?」
少女は慎の問いかけに微笑みながら頷く。
慎はそれを見て嬉しそうに少女の頭を撫でた。
「あの、ありがとうございます、閻羅さん」
少女は撫でられて嬉しそうにしつつ、お礼を言った。
「慎でよい。お主の名は?」
姓で呼ばれた為、名前で良いと言うと慎は少女に名乗るように言った。
「ぼっ、僕は霜月光です……」
少女は光と名乗った。
光は、床を見て無残に破かれた本を見て再び涙を流した。
それを見た慎は周りの生徒や光に目を閉じる様に言った。
慎は本だった物達を寄せ集め、手を翳す。
すると、本は元に戻ったのだ。
「もう目を開けてもよいぞ」
生徒達は目を開け、本を見るなり驚きの声を上げた。
「えっ?何をしたんですか!?」
「やっぱ慎さんすご~い!」
慎は褒められて満足そうに笑った。
◆
その日の内に慎は『不思議な転校生』として有名になっていた。
………不届き者の天敵としても。
慎は不良等を見るなり「地獄に送ってやろう」と脅しているのだ。
地獄の姫と悟られない様に……の筈だったのだが。
これを骸が見たら絶叫して魅琴の様に眠ってしまうだろう。
実際、担任である洋は頭を抱えていた。
「マジで閻羅さん何者……?」と。
爽やかなイケメンが台無しである。
◆
放課後、慎は光と話をしていた。
その内容は『地獄について』である。
光は若干興奮気味に。慎は楽しそうに。
「あのっ、慎さんって地獄から来たんですかっ?」
「そうじゃよ、それに姫じゃ」
慎は誇らしげに言う。もう悟られない所か言ってしまった。
光は更に目を輝かせると、慎の手を握った。
「慎さん、もっと地獄について教えて下さいっ!」
先程の怯えていた姿は何処へやら、今では別人の様になっている。
慎はそんな様子を見ながら、「若いとはいいのぉ」と、思っていた。
- Re: 閻魔の娘が人間界を観察するそうです。 ( No.5 )
- 日時: 2021/09/20 13:24
- 名前: 柊 (ID: r306tAcU)
第5話 『なにかを忘れているような?』
会話が終わったあと、光は慎を家へと招き入れた。
どうしても食べされたいものがあるらしい。
「……それで、一体何を食べさせてくれるのじゃ?」
慎は楽しみそうにして、目を輝かせた。
そんな様子を見て、光はクス、と笑うと冷蔵庫からケーキを取り出した。
「ケーキですっ、慎さんに是非食べて貰いたいんです!」
「けーき?」
慎は聞きなれない言葉に首を傾げる。
そうだろう。彼女は地獄の姫。言わば箱入り娘さんなのだから。
慎は恐る恐るケーキを口へと運ぶ。
「……!」
その瞬間、慎の顔がみるみる明るくなった。
「美味しい~!」
「良かったぁ……」
食べるなり黙ってしまい、口に合わなかったのかと光は心配していたが、慎の表情や振る舞いを見て安心した。
「こんなに美味しい物が人間界にはあるのか!」
慎は感激のあまり、若干涙を流した。
「これから色々食べさせてあげますからね!」
光はケーキを美味しそうに食べる慎を見て、他の料理も食べさせたいと思ったらしい。
慎も、「是非食べたいのじゃ!」と笑顔で頷いた。
◆
_楽しい時間はあっという間。もう外は暗くなっていた。
「慎さん、また来て下さいね」
光は名残惜しそうにしつつも、慎を送っていた。
「勿論じゃ、また明日な」
慎も笑顔でそう言うと帰路へ着いた。
潜入初日、色々な事があった為か、慎はあくびをした。
「ふぁ………姫であってもやはり眠くなるものよの」
その時、慎の肩を後ろから叩く者が居た。
洋である。
「……おや、さっちゃんではないか」
「閻羅さんまでもさっちゃん呼び止めて下さい!」
洋は苦笑しつつも小さな声で怒鳴った。そして、眼鏡をクイッ、として落ち着いた声で呟く。
「その前に何故今出歩いているのですか、もう夜ですよ?」
「光の家にいたのじゃよ」
お説教が始まりそうな空気の中、慎は余裕そうに息を吐いた。
そんな様子を見て、洋は諦めたように肩を竦めた。
「……もう良いです、気を付けて帰って下さいね」
そう言って洋はスタスタと行ってしまう。
「せっかちじゃの、さっちゃんとやらも」
慎はクスリと笑うと歩き出す。
しかし、直ぐに立ち止まってしまった。
「うん?何か忘れているような?」
瞬間、慎の顔が青ざめる。
「………潜入した意味がまるでないのじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
- Re: 閻魔の娘が人間界を観察するそうです。 ( No.6 )
- 日時: 2021/10/02 17:29
- 名前: 柊 (ID: r306tAcU)
お久し振りの更新。
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第6話 『真面目にやりましょう』
慎が衝撃を受けた翌日。
今日も慎はクラスメイトに囲まれていた。
慎はそれに受け答えしながら心の中で瞑想していた。
「……(どうしたものか…まずは最近の人間界について聞けば良いのか?)」
慎はそう考え、クラスメイトに聞くことにした。
ようやく本来の目的にありつける。
「なぁ、今人間界はどんな風になっている?」
「えっ?慎さん急にどうしたの?」
クラスがざわざわと騒がしくなる。
慎は、聞き方が悪かったか!?と焦る。
しかし、そのざわめきは直ぐに止むことになる。
「お前ら、席に着け」
担任の洋である。
いつ通り爽やかな笑顔で眼鏡をくいっ、と手で整えている。
生徒達は急いでそれぞれの席へと向かっていく。
慎は心の中でこう叫んだ。
「(タイミング考えてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ)」
◆
ホームルームも終わり、慎は仕方なく光に聞くことにしたのか教室を出て、隣のクラスへと向かう。
「光はおるか?」
慎は光のクラスメイトに聞くが、変な目で見られる。
変な目というか、哀れんでいるようだ。
「光はー今お休みですよぉ」
そこに派手な髪色の女子生徒が現れ慎にそう告げる。
「そうか、ありがとうな」
慎は笑顔でそう言うと元来た道を引き返す。
すると、廊下の向こうから光がとことこ歩いてきた。
「光!おはよう!休みじゃなかったのか?」
「慎さん、おはようございます。あは…寝坊しちゃって………」
光は苦笑しつつ、寝癖が付いた髪を撫でた。
「直してやろうか?」
慎はその様子を見ながらそう言って光の頭を撫でる。
すると、光の髪はみるみるサラサラになっていった。
光は目を輝かせた。
「流石慎さんっ!ありがとうございますっ!!」
「例は要らん」
慎はそう言って笑いつつ、何か忘れてるな。と思うも、どうでも良いか。と思考をやめた。
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