コメディ・ライト小説(新)
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- 奴隷ですが、主人の仕事に口出しします~だってボク、天才ですし
- 日時: 2021/12/21 17:39
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
☾ 注意事項やいろんなの!
・ただのギャグマンガという名の小説。
・亀更新。
・転生物。少し恋愛要素あり。
・へたっぴ。
・語彙力はとある生き急ぎ野郎に駆逐されました。
・コメント(感想やアドバイス等)頂けると凄く嬉しいです! 荒らしは○○○○。
こぉん↓にぃち↑はぁぁぁぁぁ!!!→
今回は読者の皆様に笑い転げて欲しいなと思いながら書いていきます!
最後までちゃんとできるか分かりませんが、おつきあいくださいませ!
☾ 目次
- Re: 奴隷ですが、主人の仕事に口出しします~だってボク、天才ですし ( No.1 )
- 日時: 2021/12/22 20:42
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
episode1
誰もが一回は想像しただろう。
”何もかもが完璧な人生”というものを。
私、雨月弥生という女の人生は、正にその完璧な人生そのものだった。
大富豪に生まれ、美人に成長。幼少期から頭がよく、小学校から受験を始め、小、中、高、大と全て名門校に入学、成績一位で卒業し、その後は会社を立ち上げて大成功。愛する人と結婚もして、後は子供が出来れば思い残すことはない―――。
文句のつけようがない、何もかもが完璧な人生。それが、私の前世。
しかし、その終止符には悔いがありすぎた。
控えめに言って嫌い……いいえ、大っ嫌いなアイツと私の死因の関係について説明しよう。
高校生の時、私の初めての彼氏を略奪。その時、私たちの親友の関係は崩れた。いやまぁほいほいとついてった彼氏が悪いんだけどさ。知ってた関係を崩しに来やがったのだ。
そしてアイツの会社は私のライバル会社。二社揃っての会議の後、私は彼女に飲みに行くことに誘われる。
本当であればそこから断りたかったが、私の会社の社員の分まで全額奢ると言われたので仕方なく行った。
その後酔いつぶれたアイツを仕方なく家まで徒歩で運搬していた最中のことだった。
「ねーやよい~、もういっけんいこうよぉ~?」
「アンタ飲みすぎだよ」
「なにいってるかよくわかんなぁい~」
「たっく…………って、ちょっと! 信号赤だよ!」
「え?」
ここまで来れば察しただろう。
私はアイツを庇って、トラックに轢かれて死んだ。
最期、アイツが私を心配して泣いたことには驚いたが、本当にくだらない死因である。
そして、私の転生先は、というと……―――
仕事の息抜きに始め、ハマりにハマッた乙女ゲームの”攻略対象”、レインだった。
「いやいや待て待てなんでレインなん? ねぇ、なんでレインなん?」
「ど、どうしたのレインくん」
レインについて軽く説明しよう。
元は奴隷だったが仕事の手際を買われ、主人公が通う魔法学園で召使として働く少年っていうかショタ。ハイ終了。
しかしレインになっちゃったかぁ……。死亡エンド回避できますよーに。
というのも、レインは大体のルートで死ぬのだ。
ケース一。
レインルート、バッドエンド。悪役令嬢が主人公を殺そうとし、それをかばって死亡する。
ケース二。
他の攻略対象のルートで、親友である彼の好きな人を死なせたくない一心で上と同じ理由で死ぬ。
はい。これがほぼ全員のルートでってんだから笑っちゃうよね。
私……ボクが生き残るにはレインルートのハッピーエンドを迎えるか、レインと関わりのないルートをこの世界の主人公が選択するか。
しかし、正直言って学園に行くまでに彼の人生を変えたい。そもそも前世が女だから主人公には恋愛的に興味ないし、魔法学園に行くまでの間にレインが受けた苦しみを味わう気持ちも無い。
となれば、まずは奴隷から召使への昇級を目標にしよう。
幸い、ボクの前世は才色兼備。頭はいいし、ある程度の範囲なら仕事も分かる。
「さぁ、今度こそ寿命全うするよ!」
- Re: 奴隷ですが、主人の仕事に口出しします~だってボク、天才ですし ( No.2 )
- 日時: 2021/12/28 11:32
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
episode2
レインに転生し、早一週間……。
ボクは奴隷たちに流れてくる仕事を次から次へと受け、更に奴隷だけでなくメイドや召使たちの仕事も代わりにやるを繰り返し、評価を上げていた。
幸い仕事のスキルはピカイチなんで、どんだけ受けてもすぐ終わり、おかげで奴隷たちの生活リズムはかなりゆるやかになっていった。
「レイン兄、一回休んで!」
「そうだよ、こんなにぶっ通しで仕事したら倒れちゃうよ!」
「え? あぁ、ヘーキヘーキ」
縫い物、洗濯、掃除などの雑用をやりまくる。
……あぁ、この感じ懐かしいわ。
~前世の記憶~
会社での記憶。
「あ、お疲れ様で~す。……って社長!?」
「こんなとこの掃除なんていいですから! ご自身のお仕事戻ってください!」
「え? 今日分は終わったよ? ついでに君たちの仕事もやっといたから今日は早くあが……」
「「まだ昼休み終わってすぐですが!?!?!?」」
家での旦那との会話。
「弥生頼む。ほんっとに頼むから家事とか放っていいから休め」
「なんかやってないと落ち着かないんだもん……」
「この仕事中毒が!!!」
そうそう、睡眠とかはちゃんととってたけど仕事・家事しすぎて過労を心配されてたのよね。いやはや懐かしや。
でも睡眠、食事ちゃんととってるなら大丈夫じゃないかな? って思うんだけど……。
「ヘーキヘーキじゃないよ!」
「先週からぶっ続けじゃないか!」
「でも……」
「これわたくしからの命令でもありますよ。レイン。最近は私達の仕事もやってるんですから休みなさい」
あ、メイド長のミラスタさんだ。
えー、大丈夫なんだけどなぁ。でもメイド長命令はしゃあないか。
「分かりました……」
「わたくしの部屋を貸します。ソファでもなんでも、ベッド以外なら使いなさい」
「えっ、いやいやそれは申し訳な」
「つべこべ言わない」
「はい」
ミラスタさん、優しくてきれいだけど笑顔がちょっと怖いんだよなあ。なんていうんだろう。……あぁ、小さいときにいた教育係の人に似てるのか。
まぁいいや、ミラスタさんの部屋行こう。
「~~~!」
ん? なんか言い争ってる声?
この部屋……確か主人の部屋だ。
「どうして売れないんだ!」
「わからないわよ! こんなに素晴らしいデザインを買わないなんて王女も平民もわからずやね!」
主人とその奥様……そしてその手に握られてるのはドレス……?
濃い赤色を基盤としたドレスに、濃いふか緑と紺のレース……。
いや売れるわけねぇだろ。アパレル業界ナメとんのか?
色の組み合わせ、一目見てわかるレースの形のごちゃ混ぜ、雑な切れ端……。あと妙に角ばった肩! そりゃ王女も平民も買わんわ!
あぁ、前から我慢してたけどもーう我慢できん!
「ちょっとよろしいでしょうか!」
「「!?」」
- Re: 奴隷ですが、主人の仕事に口出しします~だってボク、天才ですし ( No.3 )
- 日時: 2021/12/28 13:30
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
episode3
「ちょっとよろしいでしょうか!」
「「!?」」
バンッと大きな音をたてて扉を開け、ずかずかと中に入る。
そしてご主人―――アビュラ様が持っていた服をひったくり、指をさす。
「こんなのの! どこが素晴らしいデザインなんですか!?」
「は、ハァッ!? この私がデザインした服になんてことを……奴隷のくせに!」
「いいですか? まず色合いがダメなんですよ。濃い赤に濃い深緑。それにほぼ黒の紺色! どの色も主張が激しくて、ごちゃ混ぜドレスになっちゃってるんです!」
順にダメなとこを言っていき、その問題の場所を指さしていく。
よくもまぁこんなドレスが売れると思ったよ。どんな頭してんだ。
「……と、このドレスが売れないのはこういうわけです。ご理解いただけました?」
「……」
あっれ、二人共黙っちゃった。
……ハッ!? ちょっと言い過ぎた!?
どうしよう、もしかして主人への不敬罪とかで殺される……!?
「……確かに、その通りだな……」
「私、なんでこんなのがいいと思ってたのかしら……」
あら良かった。頭冷やしてくれたようだ。
「……おい、お前。レインだったか?」
「え? あぁ、はい」
「ちょっとこの紙にドレスのデザインひいてみろ」
いや無茶ぶり~。まぁやるんですけど。
手渡されたペンを受け取り、紙にサラサラとデザインを引いていく。
この当時、それから今までの流行の違いはレインの記憶を通して知っている。
……よしっ、出来た! スカートの一部をオルガンモチーフにしたドレス!
今はこのスカートがあまり広がらない、少し足が見えるデザインが流行ってる。そこにオルガンや、花柄を入れたんだ。例え流行らなくとも売れる!
「どうですか?」
「……す、凄い……どこで習った?」
「え? 独学です」
「ミラスタ! 今すぐ来なさい、ミラスタ!」
ミラスタside
あー、また呼び出しですか。今度はどんな愚痴を聞かされることやら……。しっかし声大きいな。
「失礼します。いかがしま……」
「ミラスタ! レインを養子に迎えるわよ!」
「は?」
- Re: 奴隷ですが、主人の仕事に口出しします~だってボク、天才ですし ( No.4 )
- 日時: 2021/12/29 20:01
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
episode4
「こんな有能なんだから養子にしたって問題な……」
「色々問題です。いくら出来が良くても奴隷を養子にしたなんて周りに知られたら……」
「……じゃあ、ぼちぼちレインを昇格させていこう」
「ミラスタ、まずは部屋を与えなさい」
奴隷に与えられる部屋は、召使に与えられる部屋よりもかなり狭い。
それでもボクら奴隷にとっては、かなりの贅沢だ。
思ってたより、ことがいい方に進んでる。
この調子でデザインを描いて、雑用とか仕事もしていけば、死亡エンド回避はできる気がする。
「ハァ……レイン、ついてきなさい」
「はい」
ミラスタさんについていき、部屋に入る。
狭いけど、窓もあるし、机や本もある。小さいけどベッドもあるし、隙間風が入り込むあの奴隷部屋よりはずっとマシだ! それに、ボクは狭いとこの方が落ち着く性質がある。
……あの子たちも、この部屋に入れてあげたいな。
「そのまま休みなさい。ここに鍵を置いておいておきます」
「はい」
「ペンやインクは、机の引き出しにあります」
そう言って、ミラスタさんは居なくなった。
……さぁて、引き出しの中見てみましょ!
インクやペンだけじゃなくて、糸や針もある。あ、あそこにおいてあるのは縫い物か!?
……これは、快適な日々を過ごせそうだ。
メモ帳もある。少し埃かぶってるけど……。
「……デザイン、いろいろまとめてみようかな。前世でも、ドレスは作ったことあるし」
その後は、前世の記憶を頼りにぱぱっとデザインをメモ帳にまとめてみた。
思ってたよりも鮮明に、それもかなりの数が描けたから、これを明日、アビュラ様と奥様に見せたら、評価は爆上がりだろう。
「さぁ……寝るか……」
……ちょっと縫い物やってからね!
- Re: 奴隷ですが、主人の仕事に口出しします~だってボク、天才ですし ( No.5 )
- 日時: 2021/12/31 08:13
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
episode5
「どうでしょうか?」
「……き、昨日だけで、これだけの数を……?」
昨日描いたデザインをアビュラ様に見せ、聞かれたことに頷く。
反応は上々。この夫婦のことだ。すぐにこのデザインのドレスを作り始めるだろう。出来ればその作る過程にも関わりたい……。あんな雑な端、いったい誰が作っているのやら……。
「あの、出来れば……―――」
「お父様! お母様!」
あっ、ご子息のアラン様……怒った顔をしている……いったいどうしたんだ?
「奴隷を養子にすると聞きましたよ!? この家の跡継ぎには、既に俺がいるじゃないですか!」
「別に、跡継ぎにすると決まったわけではないわよ」
「お前よりレインが有能であれば、可能性はあるがな」
「なっ……!」
なるほど……ボクが原因か。
なるべく面倒ごとには関わりたくないし、出来れば独立を目指したい。養子はちょっと勘弁してほしい。というかそもそも養子の件も決まってないじゃん。
そう思ってると、ようやくボクがいることに気付いたのか、アラン様はこっちを見た。
「……こいつですね?」
「そうよ」
ひぇっとんでもない形相でにらんできてる。イケメンな顔が台無しだよ怖さで。
こっちに近づいてきてる。あっこれ殴られるわ。怖いわ。アビュラ様助けて。
「そうだ。お前も見てみなさい」
「へ?」
ありがとうアビュラ様ァ! よくぞアラン様の興味を引いてくださいましたァ!
「……素敵なデザインですね。流石お母様!」
「いいえ、これはレインのデザインよ」
「えっ?」
驚いた顔で奥様を見るアラン様。
「これが、レインを養子にする理由だ」
「……っ!」
悔しそうな顔でこっちをにらんでくる。怖い。
今後ライバル意識とかされそう……。
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