コメディ・ライト小説(新)

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スーパーヒーロー
日時: 2022/02/17 23:11
名前: ぼっち (ID: ZfC9IwFM)

俺は将来、スーパーヒーローになるんだ!
そう生き生きとした声で言ったのは、私の幼馴染・井上翔太だった。

最初は、「絶対なれないよ!」
なんて茶化していた。
そんな彼ももう大人で、今は普通の会社員となっている。

ある日の夜、彼から突然連絡があった。
「明日、俺休みだしどっか行かね?
大丈夫だったら連絡ちょうだい。」

明日は土曜日だったから、私は内心ワクワクしながら
「大丈夫!」
と送った。

10年ぶりの再会からの、プロポーズ!?
そんな事を考えながら眠りについた。

次の日


私は、いつもよりメイクを可愛くして
髪の毛をアレンジして
香水を1プッシュして出掛けた。


私は、電車に揺られながら10年前の彼の言葉を思い出した。


俺は将来、スーパーヒーローになるんだ!

案の定、今はどこにでもいる普通の会社員となっている。


次は〜新宿、新宿です
お降りの際は足元に気をつけてください


急がないと!
私は彼の発言に気を取られ、すっかり駅の事を忘れていた。



新宿なんて何時ぶりだろう
友達と買い物行った時ぶりだっけ?

そんなことを考えているうちに、地上から光が差してきた。


眩しっ…
私は思わず声を出してしまった。

その声に気づいたのか、一人の男性が近寄ってくる。
「久しぶり、茜音。」


その強気で、でも温かく包み込んでくれる声。
子供の時の記憶が蘇ってくる。
私は思わず思い出と今をリンクさせて、「翔太。」
と彼の名前を呼んだ。



彼は子供の時と変わらない笑顔で、「にっ」
と笑っていた。




そして、私たちは歩き出した。

歩いているうちに、ある話題に辿り着いた。
「なあ、茜音って職業何やってんの?」
私は、医者をやってる。
「翔太は、会社員やめてスーパーヒーロー?」
その事なんだけどさ…



彼は歩みを止めた。
「俺実は、会社員っていうのは建前で、
茜音と同じ、医者なんだ。」
「何で⁉︎
会社員じゃなかったの?」
「俺、子供の時から医者になりたかったんだ。
でも、茜音と同じ職業だとみんなにバカにされるから…」
「そうだったんだ。」
「俺、なれたよ。
ヒーローに。」




今の私には、その意味がわかる気がした。




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