コメディ・ライト小説(新)
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- 超絶!スパルタ教師大合戦
- 日時: 2022/04/01 10:12
- 名前: エゴさん (ID: 4lWh.xtM)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13278
一章 脱出大作戦
朝4時。最初に目が覚めたのは良太だった。
何もかもが違う家。新築の匂いがする。
「今日から新しい学校かぁ。」
気が重い。なにしろ前の学校でいたずらばかりして両親に転校させられたのだ。
朝ごはんがのどを通らない。いつもの半分も食べずに手を合わせた。
2
新しい学校は何となく真面目そうな学校だった。
「こんちゃー!亀原良太でぃーっす!」
元気よく自己紹介をしてみると横からパンチが飛んできた。
気を抜いていたので、パンチをまともにくらってしまった良太は勢いよく
ゴミ箱に突っ込んだ。
ゴミ箱から顔を上げると怖い目つきをした先生が立っていた。
「何するんですか!」
「何だ!さっきまでの口の利き方は!」
「お前のことは聞いているぞ。
前の学校ではいたずらばかりしていたそうじゃないか。
徹底的にしごいてやるから覚悟しろ!」
3
休み時間に窓を見ると、数人の人が窓に貼り付けられていた。
びっくりして近くにいた人に聞いてみた。
「ねぇねぇ君、なんで窓に人が貼り付けられてるの。」
「あなたは転校してきた良太君。私は折原有季。
あなたよく先生の前であんな態度とれたわね。
あれはね。授業中に喋ると喋った班ごと窓に貼り付けられるのよ。
あなたも気をつけなさいよ。」
4
夜の12時。みんなが眠りについたころ、ただ一人起きていた良太は、
ある番号に電話を掛けた。
出たのは前の学校の友人、反動幹太だった。
「誰ですかぁぁぁ…」
眠そうな声が聞こえた。
「良太だよ」
「おっ良太。転校しても相変わらず夜更かししてるな。」
「あぁ親父の目を盗んでな。」
「はははっで、新しい学校どうだ。」
「それがすんげぇスパルタでよぉ
授業中喋ったら窓に貼り付けられるんだよ。」
「ひゃぁそりゃ参るよな。」
「だから何とかしてあの学校から脱出したいんだよ。」
「なるほどな。それで俺たちでその脱出法を考えようっつうわけか。」
1時間後、夜の1時を回ろうとしたとき良太がアイデアを考え付いた。
幹太にそのアイデアを話すと、
「はははっそりゃぁ良い。
じゃあ勝平も誘おうぜ。何曜日にする?」
「うちは土曜日も学校があるから次の土曜日で。」
「OK!」
5
作戦当日、学校の友達に作戦を打ち明けると、大半がのってきた。
2時間目にメンバー全員で大声を出して窓に貼り付いた。
30分後、窓が急にはずれた。驚いた先生が窓の下を見ると、バスに
乗った幹太が投げ縄で窓を次から次へと引っかけて連れ出していた。
「まっまぁてぇぇぇぇぇ!」
先生の雄叫びを尻目にバスは窓を凧のように良太達を連れ去っていった。
二章 密林の楽園
山道を進むバスから街の景色が見える。
新しい学校のほかに良太や幹太、勝平たちの学校、超絶学校も見える。
バスが急に止まったので良太達13人の窓は前のめりに落ちていった。
そして耐えられなくなった幹太と勝平も落ちていった。
「乱暴だなぁ。」
「まぁいいや。さて秘密基地を作ろうぜ。」
しばらく道なき道を進んでいくと、少し開けた場所に出た。
そこには川が流れていて木も生えていた。これこそ良太達が求めていた場所であった。
「よし。今日からここで暮らすわけだけど、みんな何を持ってるんだ。」
「俺は学校にこっそり持ってきたナタがあるぜ。」
良太が言った。
「私はマグネシウムのマッチを持ってきたわ。」
有季が言った。
「俺はありったけの食糧を持ってきたぞ。食料が取れない日はこれ食おうぜ。」
竜一が言った。
「いいじゃん!俺は親父の倉庫から斧とくわ持ってきたぜ。」
幹太が言った。
「僕、釣り竿持ってきたよ。」
弱気な話し方で勝平が言った。
「よし。じゃあ役割を決めよう。」
「俺釣りやりてー!」
あきらが言った。
「私も。」
続いて有季。
「じゃあ俺家づくり。」
竜一が言った。
「俺が木を切り倒すっ!」
幹太が斧を構えた。
「じゃあ俺が作物を育てる。」
良太が言った。
「僕は釣りでいいや。」
勝平が言った。
「俺は作物を育てる。」
哲郎が言った。
「俺も家作るわ~」
悟が言った。
「俺、火おこし。有季、マグネシウム貸してくれ。」
一樹が言った。
「よっしゃ!みんな自分の仕事をやって。」
2
釣り役の有季達は、ルアーフィッシングをしていた。
今は春休み前、つまり3月のはじめなので、時期的には良い季節だ。
雑談をしながら、しばらくアクションをかけていると、魚がかかった。
あげてみると、ツヤッツヤのヤマメが水から顔を出した。
「うおぉぉぉぉ!ヤマメだ!うまそー!」
その後、竜一の非常食などいらなくなるほど釣れたので、
「あまりたくさん釣っても保存がきかなくなるからそろそろやめて
他を手伝いましょ。」
そして有季達は幹太たちの場所に行った。
3
火おこし役の哲郎は、マグネシウムをストライカーですって
火花散らす。2~3回すると火が起きた。
有季達の魚を受け取ると、早速焼き始めた。
4
作物を育てる良太は幹太から借りたくわで畑を耕しジャガイモと人参、
はつか大根の種をまいた。
5
家づくり役の幹太と悟、竜一は家のプランを話し合っていた。
「俺は会議部屋を作るから竜一と悟で個室を作ってくれ。」
幹太が言った。
「なるへそ。O.K」
「良かったら手伝うわよ~」
有季達がやってきた。
有季達が来たおかげですべての部屋を初日で作れた。
「あとは屋根を仕上げよう。」
床に使った木材の樹皮で屋根を覆って防水対策をした。
「よっしゃ!完成だ!」
「ヤッホー!」
6
夜ごはんは有季達が釣ったヤマメである。
昼ごはんクッキーだけという良太達からすればご馳走である。
あっという間に食べ終わると、みんなで雑談を始めた。
「学校の先生のスパルタっぷりやばかったな。
あんな先生初めてだよ。」
良太が言った。
「毎度のことよ。」
と有季。
「今朝の驚いた顔、思い出すたび笑えるぜ。」
と幹太。
「はぁ。今先生どんな顔してるかな。」
良太が唇をかみしめながら言った。
家の中には5つの個室があった。
グループ分けはA室が有季、あきら、一樹、B室が良太、哲郎、悟
C室が竜一、幹太、勝平、D室が輝次、英太、雄十、E室は快誠、
友理奈、賢治ということになった。
三章 唯一の味方先生
ある日、一人の大人が良太達の森にやってきた。
彼は浅田凛という学校の理科の先生である。とてもやさしくて
理科が苦手な子にも優しく教えてくれる。
「浅田先生!」
良太達超絶学校の生徒以外みんな驚いて浅田のほうを見た。
「わぁ!すごい!頑張ってるわね。」
「すげぇだろ。」
2
その日の午後、浅田も役割が決まった。
「浅田先生洗濯係だって。」
「へぇ」
良太達が話していると有季達がとんできた。
「大ニュースよ!」
「何だ⁉」
「ツルを編んで作った網を川に仕掛けてみたらウナギがかかったのよ‼」
「しかも二匹‼」
「かば焼きのたれあるわよ。」
「ヤッホー!!!!!!」
焚火の周りに久しぶりの豪華なにおいが漂った。
お皿のうえに置かれたウナギのかば焼きは良太達にとっては
ご馳走以外の何物でもなかった。
「うわぁおいしい!」
「おいしいわね」
浅田は大喜び。
「そうですね。」
有季が続けた。
「美味しかった~。」
四章 大事件
密林生活を始めてから、一か月がたとうとした日の深夜3時、
煙のにおいで目が覚めた。
「哲郎こんな朝早くから火を焚いてるのか。」
だが隣の哲郎はまだ寝ていた。
「何だ⁉」
そういうが早いか飛び起きて外に出た。
見ると、あたり一面燃えていた。家にも火が燃え移っていた。
「みんな起きろ!」
「何だ!嘘だろ!燃えてるぞ!!!!!!」
「みんな逃げるぞ!!!!!!」
急いで森の外に出る道の途中で森の中に人影が見えた。
「おい!ちょっと待て!あそこに誰かいるよ!」
「あいつ誰だ?」
人影は良太達を見るなり顔を背けてそそくさと森の中に消えていった。
五章 デスマッチ
事件から三日後、良太達は親たちに見つかり外出禁止になってしまった。
「ごめんなさい。浅田先生。」
「まぁいいのよ。」
そして、浅田は教師をクビになってしまった。
そして、良太は厳重なセキュリティの書斎に閉じ込められてしまった。
ドアには鍵の上に釘が打ち付けてある。そして壁は木材の上に強化ガラス
そして窓は格子窓になっている。
もう親は良太を出す気はないようだ。
部屋の中はベットとテーブル、その上に生の食パンしかない。
だが良太には切り札があった。閉じ込められる前、こっそりスマホを部屋に
持ってきていたのだ。
良太のスマホには【悪ガキ掲示板】というアプリがあり友達とこっそり話したり、
発信器を使って物の居場所を見つけ出したりできる。
それを使って良太は
「助けて」
と幹太に送った。
そして作戦を送った。
そして良太が待っていると、幹太が外から窓のカギを開けてくれた。
さかのぼること三日前、人影が消える前、人影に発信器を投げて引っ付けたのだ。
スマホを頼りに進むと、公園に出た。
そこにいたのはスパルタ先生だった。
スパルタ先生は良太達をみると怪しげに顔を背けた。
「俺たちの家に火をつけたのはお前か!」
「なんのことだ。」
メールを聞きつけてやってきたのは一樹、竜一、快誠、有季、あきら、哲郎、雄十、
そして浅田だった。
「なぜばれたんだ!?」
「おめぇの袖見てみな。」
スパルタ先生が袖を見ると、小さい機械がシールのようなもので張り付けられていた。
「これは発信器!」
「それを三日前おめぇのそで飛ばしたのさ。これでお前の居場所はこっちに手に取るように
分かるわけさ。」
一樹が言うと、みんな
「許さないぞ!」
と言った。
「先生、何てことするんですか!」
浅田も頭に来たようだ。
「だが証拠がない以上…逃げるが勝ちなんだよ!」
スパルタ先生は袖の発信器を握りつぶすと、良太を突き飛ばし、
そばにあった車で逃げてしまった。
「待て!」
良太は猛スピードで走り、車に飛びついた。
「しつこい奴だな!」
「こっちのセリフだ!」
「車から手ぇ放せ!」
「放すかぁ!」
先生がいきなりハンドルをきった。
良太はかた手を放してしまい、思い切りガードレールにぶつかった。
車のエンジンを切らなければスパルタ先生は止める気はない。
トンネルに差し掛かった。先生は車を道路の端に寄せた。
「ぶつかる!」
とその時、地面がいきなり傾いた。地震だ。
「先生!前に進んで山が崩れる!」
「お前が車から降りろ!」
「何だと⁉」
トンネルの中だから安心だが外に出れなくなってしまう。
一刻も早く脱出しないといけないのだが先生が勝負を決めるつもりでいるため
脱出できない。
と先生がナイフを突き出してきた。
先生がナイフを持ってとびかかってきたその時、トンネルの天井が崩れてきた。
「やばい!」
トンネルが端から崩れてきた。良太達は悲鳴を上げながら逃げた。
車はもう飲み込まれ、トンネルの端まで来たその時、先生がとびかかってきて良太と先生は
崖から学校のほうへ落ちていった。
2
暗い闇の中、良太は目が覚めた。学校は崩れ落ちてしまっている。
「警察だ!何があった!」
先生は今までの悪行が明るみに出て捕まった。
そして良太達全員が超絶小に転校することになった。
終章 進級式
朝の超絶小には13人分の席が用意されていた。
「こんにちは。今日からこのクラスの担任になる浅田凛です。」
「浅田先生!」
みんな大喜び。
「こんちゃー!亀原良太でぃーっす!」
「良太だ!」
みんな喜んで良太に飛びついた。
そして今日から良太達は五年生である。
そして親たちは正反対の不満そうな顔をしている。
それもそのはず、子供たちのいたずらがまた始まるのだから。