コメディ・ライト小説(新)
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- 欲望のはけ口(ノーマル)(仮題名)
- 日時: 2022/07/02 14:05
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13266
TSFの要素が嫌いな人も見れる作品に変えるぜ。
全年齢対象にしていくだぜ!
作品説明
このスレは作者の文章力の向上のためも書いています。あと欲望のままに書くので伏線などありません。完成度はやや低めかも...それでもよろしいと言う方のみ閲覧ください。
別にそれ以外の人も読んでいいですよ(←ここ大事)
目次
一話>>1
- Re: 欲望のはけ口(ノーマル)(仮題名) ( No.1 )
- 日時: 2022/07/02 14:04
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
◆今日から俺は!
「ピピピピ、ピピピピ」
耳元で鳴り響く漠然とした機械音。その音源になる物体を素早く叩く。その衝撃からか地面に強く当たる音が聞こえた。
「うみゃ、眠い。」
朝日がカーテンの隙間から入ってきて顔にあたる。まぶたを貫通するほどの光が目にあたり、少し痛い。すぐに枕を被った。
昨日やっと引っ越しの作業が終わり、体がかなり痛い。まぁ姉貴も手伝ってくれたので楽ではあったのだが、それでも痛い。まぁそれは置いておくとして今日からその姉貴との二人暮らしが始まるのだ。
階段を上がって来る音が聞こえる。
「弟く〜〜ん!朝ですよ〜〜!起きないとお姉ちゃんが食べちゃうぞ〜〜!」
噂をすればってやつか。
八雲(やくも)雫(しずく) 。
この辺では有名な高校三年生だ。今年から自分も彼女と同じ高校に入るわけで、彼女の噂は嫌でも耳に入るのが当たり前な話である。
彼女にはいくつかの「伝説」がある。
テスト前日まで範囲を間違えて勉強してたのにも関わらず、全教科95点以上。理科、英語、数学に関しては100点満点である。他には元号の名前から変わった年代まで覚えていて年号で一人しりとりができるらしい。
「天才」これが彼女につけられたあだ名である。本当の天才ならテストの範囲を間違えないのかもしれないが...と言うか間違えないのが普通なのだが、そういう部分を含めても十分に天才と言えよう。
だがその才能は勉学だけにとどまらなかった。彼女が入学したてのある日バスケ部の部員が試合の日、一人休んだ。たかが一人...ただそれだけだったのだが、その一人が抜けるだけで試合を行うことが極めて困難なチームであった。その試合は彼女達の最後の試合であり彼女らには次はなく、これで負ければ引退である。彼女らはせめて試合だけは行いたいと思い、たまたま学校に来ていた誰かも知らない女の子に声をかけた。藁にもすがる思いだった。だがその思いは虚しく散った。対戦相手は地区でもかなり上位のチームだった。この時点で負けは確定したも同然で、正直に言えば勝てなくても良いと彼女たちは思っていたことだろう。もちろん彼女たちも全力を尽くすつもりだっただろうが...その気持ちだけでは埋まらない差がそこにはあり、負けは目と鼻の先にあった。こんな不遇な状況では確実に負けるのが当たり前。今回もその例に漏れず負ける...はずだった。
結論から言えば、勝った。いや、「圧勝」だった。
ボールは彼女の手に吸い付くように跳ており、ボールの軌道は彼女を中心としているようだった。「114対36」これがその時の結果である。そのうち108点が彼女の得点であり、このことからつけられたあだ名が「天災」である。皮肉でつけられた安直なあだ名だが意外にも核心をついているものだと俺は思う。
この話はこの女の天才と言われる一つの原因でもあり事実である。
それ以外にも(これは嘘だと思うが)男子サッカーの試合に出てダブルハットトリックを決めたとか。その時に言われた言葉は「どれが本物のボールかわからない」だ。なんとも健全な男子高校生が言いそうである。
この話によって薄く感じてしまうかもしれないが、彼女は中学時代の時に隣の席になった男子全員から告白を受けている。十分凄いんだけどね。なんか薄く感じるんだよ。
上記の話から文武両道ならぬ文武完璧であり、スタイル+顔も良い事がバカでも分かるだろう。俺が姉弟じゃなければ惚れていたかもしれない。というか確実な気がする。
「弟く〜〜ん。入っちゃうよ〜。」
「入るならノックして〜〜」
「イヤ〜だ〜〜。」
俺が顔を上げるとドアの前に立っている彼女を発見した。彼女はパンツ一丁でいて、痴女オーラを溢れ出していた。健全な民はわからないと言っていたが、俺にはボールが二つ見えた。
「ハッハッ。なんだよその顔、男の子みたいじゃん。いつも女の子みたいな顔なのに。」
「男だからな。俺が女顔だからってからかうなよ。」
これが俺の姉。正直なことを言うと 義姉である。実質本当の姉弟みたいなところがあり...まぁこの話は長くなるので割愛させてもらうとして、そんな天才を姉に持つ男。それがこの俺「八雲 満」である。姉の説明より1300字ほど少ないのはそれほど特徴がないからであり、唯一あるとすれば姉譲りの整った綺麗な女顔だけだ。正確に言えば母譲りなのだが。
というか自分で綺麗って言うのはどうなの?とか思っても構わない。それくらい捻り出さないと俺の特徴が出てこないと言うことである。
「いいじゃん。いいじゃん。別にそれくらいしか特徴無いんだしさ。むしろ喜ぼうよ。」
「はい、はい。そうですね。」
自分でいう分には良いが人から言われるとかなり心が痛む。だがここで怒らないようになったのは進歩だろう。
「ところで今日の朝ごはん当番は弟君だよ。」
ターン制で月・火・水・木・金・土・日が俺の当番である。(というか毎日)天才と言われている姉だが極端に女子力が低く料理なんて一回も作ったことがないらしい。ちなみに洗濯当番も夕食当番も毎日俺である。風呂を洗うのは...まぁ一応姉貴がやることになっている。(仕上げに俺が洗うつもり。)まぁ今までここで暮らしてきたのだからできると思うが一応だ。
「わーってるよ。ってかそれ以上に服を着ろ!服を!」
「ほほぅ。どうしたのかなー?弟君。顔が赤いですぞ。」
「いや、いくら姉弟でも視線のやり場に困るんだよ。」
「えっと。それは私の事を意識してるってことなのかな?かなー?」
「うっさいわ。こっちは童貞だぞ!もっと童貞を労れ!」
うっかり口が滑った。本当に童貞だし、中学生は少し早いってものが世間一般的な考えだと俺は思うだが...まぁ同学年にも童貞を捨てている者も数人クラスにはいたし、超が付くほどモテる姉貴なら経験者なのかもしれない。
「へ、へぇー。意外だなぁ。弟くんって経験者かと思ってたよ。」
「ビッチな姉貴にはわからん話だとは思うがな。」
「び、ビッチじゃないし!」
「どうせもう処女の一つや二つ捨ててるんだろ?」
「捨ててないよ!私はまだ処女処女だし!」
「まだ処女を二つももっているなんて...クッやるな。」
「ていうか二つって...処女って一つじゃないの?」
「あ、ソウデスネ。」
いや、前と後ろで一つずつあるだろ!とツッコもうと思ったのだがやめた。流石にモラルがなさすぎる。
俺が言い澱んでいるのに気づいたのか、姉貴は膨れっ面になる。彼女の膨らみがまた一つ増えた。その膨らみがギャップと言うかなんと言うか...
「とにかく。弟くんは早くご飯作ってね。こっちはお腹ペコペコなんだから。」
「ああ、それもそうだな。だが姉貴はまず服を着てくれ。」
「ただ服を着るのがめんどくさかっただけと思っているのか?見せてるんだよ。」
「いや、めんどくさいだけだろ。」
「バレたか。でもさーゾクゾクしたんじゃない?」
「してません。とりあえず部屋から出て下さい。」
「チェッ、分かったよ。にしてもお姉ちゃんの乙女心もわからないなんて///」
「姉貴、どういう乙女心してんだよ。っていうかなんで照れてるんだよ。」
「あれれ〜〜。部屋から出てって欲しいんじゃないのかな?」
「あーもう、わかったよ。早く出ろ。」
そういって直様に追い出した。半裸(ほぼ全裸)の奴をどう追い出したかは秘密である。そしてもし胸に当たっていたとしても、それは不可抗力でどうしようもないことなのである。
「しかし姉貴...まだこんなことやってくるのかよ」
そうポツリと呟いた俺は、昔を思い返した。
◆ ◆ ◆
小学五年生のある日、俺は古い空き地で一人寂しく遊んでいた。俺は空き缶を転がし踏みつけていた。やり場のない怒りをこの空き缶にぶつけ、もう一度蹴った。
これでは遊んでいると言わないのではないかと。怒りに身を任せ、空き缶を潰しているだけではないかと。だがその空き地にある光景は少年が空き缶を蹴り転がしているだけで、怒りにすら見えない。傍から見れば、少年が遊んでいるだけにしか見えないのだ。実際その時の俺でさえ、どれだけ自分が無力で自分勝手であるか分かっていたと思う。
この日、俺に初めて「きょうだい」ができた。
それは弟でも、兄でも、ましてや妹でもない。「姉」だった。
家に帰ると知らない女が一人、家に居座っていた。二人暮らしの父に問うと「今日からこの人が家族になる」と言った。彼女は俺に気遣うように会釈をして、俺の前に立つ。
「今日から私はあなたのお姉ちゃんです。よろしくね。」
彼女は笑った。今思えば、俺を気遣っての行動なのだが、昔の俺はかなり 狂っていた。
姉貴の笑みに対して俺は 憤った。何がおかしい。俺のどこが変なんだ。俺は只々生きてるだけなのに、何故そんな哀れんだ目をしている。何故俺を見て笑える。
だが俺はそんな気持ちより嫌悪感が心を支配していた。彼女が俺と似ているのに違っていたからだ。
俺と似たような顔つき、似たような声、なのに似ても似つかない性別。
「俺と一緒じゃないか」と。なのに何故そんなにも幸せそうに笑うのかと。
自分の先天的なもので変えられない部分が違うだけなのに、ほとんど変わらない別人なのに、どうして俺と違って笑えるのか。
それが堪らなく嫌で、俺は家を飛び出して近所の公園裏の空き地で暇と缶を潰していた。でも本当は俺なんかに微笑んでくれる存在が親父以外にもいるというのを認めたくなかっただけだったのかもしれない。昔の俺は今の俺ではない。だから本当にそう思っていたのかはわからない。
だがここから俺の人生は140度ぐらい回った気がする。良い方へ。
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あとがき
かなり推敲して書いたので誤字は無いはず...です。
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