コメディ・ライト小説(新)
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- 大人まで生きられない僕と大人の君(1)
- 日時: 2022/06/20 23:18
- 名前: 先崎 狐紅夜 (ID: akJ4B8EN)
僕は、里谷慎(さとやまこと)中学二年生だ。中学では友達もいて学校生活が楽しいと思っている。
そんなある日、母が「話があるの」と真剣な顔で言ってきた。こんな真剣な母の顔を見たことがなく、とてもいやな予感がした。母は
「あなたは高校に行くことができないかもしれないの」
「はぁ?どういうこと?高校に行けない?お金がないから?僕の頭が悪いから?」
母の言葉の意味が分からず高校に行けない理由を尋ねた。母が口を開いた。その口から出た言葉は予想をはるかに上回ることだった。
「あなたに伝えてなかったことがあるの。あなたは16歳まで生きることができないのよ」
母の言葉は信じられないもので、事実であったとしても信じたくなかった。僕は母に
「それはいつ聞いたの?」と聞いたところ
「あなたが5歳のころだったわ」といった。
それから母に詳しいことを聞いた。
僕がまだ幼い頃に外で倒れてしまい病院に搬送された。そして検査を受け病気が発覚した。そこで余命宣告をされた、とのことだった。複雑な気持ちだ。自分の命が短いこと、命が短いことを教えてくれなかったこと、そして今の楽しい時間がもう長くないことが信じられない。否信じたくない。その日から僕は心を閉ざして過ごした。周りの奴からは心配されたがそんなことどうでもよかった。僕は心がないロボットのように何も感じなくなった。
ある日信号が赤になったのに気づかず横断歩道に飛び出してしまった。気づいたころには遅かった。
車はもう目の前に迫っていた。僕ははもうこのまま終わらせようと考えてしまった。そんな時誰かが僕の手を引いた。僕は車にひかれることはなく歩道に座り込んでいた。
2話に続く。