コメディ・ライト小説(新)
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- 大人まで生きられない僕と大人の君(2)
- 日時: 2022/06/22 23:20
- 名前: 先崎 狐紅夜 (ID: akJ4B8EN)
僕は車にひかれることはなく歩道に座り込んでいた。
なぜひかれなかったのだろうか。誰かが僕の手をつかんで引いてくれたのは分かったが僕は混乱していた。僕はあまりの驚きに動けないままいると
「危ないじゃない!赤信号が見えなかったの?もし私があなたの手を引かなかったら大怪我だったかもしれなかったんだよ!」
後ろから女の人の声が聞こえた。とても怒っているようだった。
「なぜこんなに見ず知らずの他人の事に感情的になれるの?」
「え?」
やばっ! 心の声が漏れていたようで女の人はきょとんとしていた。
「あははは!」
「??」
急に笑い始めた女の人にびっくりして戸惑いを隠せなかった。
「ごめん、いやねそんな不思議な顔をしてそんなこと言うとは思わなかったからさ」
笑いながらそう言った。
「今時間ある?」
「あ、はい。時間なら全然ありますが。なぜ?」
「そこの公園で少し話をしない?」
僕は女の人と話をすることになった。
「あなたは、なぜ赤信号なのに道路に出たの?気付かなかった?それともまさか…自殺?」
そう聞かれ僕はすべてを話した。自分の寿命が短いこと、自分がどうしたらいいのかわからないこと、不安や悩みで押しつぶされてしまいそうになっていることを話した。
女の人は真剣に聞いてくれた。そんな些細なことだがそれが今の僕にとってはとてもうれしくて救われた。
「あのそう言えば自己紹介してないですね」
「そういわれればしてなかったね。私は杏沙楓(あずさかえで)よろしくね」
「僕は里谷慎です。杏沙さんよろしくお願いします。」
と言ったら「楓でいいよ」と言ってくれた。
「これからもこの時間帯に合って話さない?」
と提案してきたので僕は
「わかりました。いいですよでも楓さんはいいんですか?メリットありますか?」
「代わりに僕の話も聞いてくれる」
「はいもちろんです。」
この日から僕の命恩人の楓さんと放課後お話しすることになった。楓さんと関わることによりぼくが救われていくということは今の僕に知るよしもなかった。
3話に続く