コメディ・ライト小説(新)
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- 晴れのち曇り、ときどき謎解き
- 日時: 2022/07/16 16:13
- 名前: ノホホノカ (ID: hDVRZYXV)
こんにちは(*・д・)ノ
ノホホノカっていいます。
よろしくです!
この作品はタイトルにもある通り謎解きものです。
とは言っても本格的な推理ものではなく、日常の謎を楽しく解いていく感じです。
小説を書くのはあまり上手くないですが、自分なりにがんばります!
- Re: 晴れのち曇り、ときどき謎解き ( No.1 )
- 日時: 2022/07/18 00:04
- 名前: ノホホノカ (ID: hDVRZYXV)
【プロローグ:刮目! 超絶美少女名探偵】
日が地を照らす午後三時。崖の上には数人の男女が神妙な顔つきで互いを見合っていた。
断崖絶壁の下では荒波が岩を何度も打ち付けて、その場にさらなる緊迫感を与え続ける。
「そ、それで犯人はいったい誰なんですか? 美少女探偵さん!」
男の問いかけに皆の視線が一人の少女に向かう。美少女探偵、そう呼ばれた彼女は頭のチェック柄の探偵帽を一度深くかぶると、小さく口元をにやつかせてみせた。
「私は美少女探偵ではありません。超絶美少女名探偵です。そして今回の『旅館ケチャップ殺人事件』の犯人は……あなただ! 黒杉クロさん!」
少女が指を指したのは崖っぷちに立っていた黒装束の男だ。
途端、男は崩れ落ちて涙を垂らし始めた。
「くそ! 上手くいったと思ったのに! 許せなかったんだ。あのマヨラー女、味噌汁にも魚にもマヨネーズをかけやがって。普通そこはケチャップだろ! ああぁあぁあああ!!」
頭を地面にすりつけて泣き叫ぶ男の肩を、少女は優しく撫でる。
「あなたのケチャップ愛、とてもよく伝わりました。でも、マヨラーのマヨネーズ愛だってあなたと同じくらいすごいんです。それはマヨネーズを誰よりも愛したあなただからこそ分かるはずです。まだあなたの人生終わったわけじゃない。刑務所でしっかり罪を償って、マヨケチャを繋ぐ架け橋になってください。応援してます」
「超絶美少女名探偵さん……俺、頑張ります!」
男は勢いよく起き上がり、袖で涙を拭うと、少女と熱い抱擁を交えた。
同時にパトカーのサイレンが響く。
「ぴーぽーぴーぽー! 今回の犯罪ぴーぽーはこちらですかぁ? ポリスぴーぽーの私があなたをぴーぽーしに来ましたよぉっと」
パトカーは崖道に乗り上げてくる。中で運転している警察官は手錠をくるくる人差し指で回していた。
もうすぐこの事件も幕を閉じる、そう思っていたときだった。
「ねぇ、なんかさっきから地面揺れてない?」
最初に異変に気づいたのは、事件に巻き込まれた旅館客の一人の女だった。
最初はなにも感じなかった人達も次第に揺れに気づき始める。
黒装束の男は崖の先端に立っていたため、この揺れの原因をすぐに理解した。
「みんな逃げろ! 崖が崩落するぞ! ヒビが入ってやがる」
この言葉がみんなをますますパニックに追い込んだ。旅館の女将が顔を青ざめさせる。
「忘れてたわ。この崖は我が旅館をサスペンスドラマの舞台にしたいがために作った人工なんちゃって崖だったわ。きっとパトカーの重みに耐えきれなかったんだわ」
「「な、なんだってー!?」」
時すでに遅し。人工なんちゃって崖は非情に崩壊していく。皆瞬時に自分たちの死を悟って落ちる。
「これだからおんぼろ旅館はああああ!」
「マヨケチャに幸あれ」
「ぴーぽーされるのは私だったんですかぁあ!?」
「まじ世界の終わりじゃああん」
「来世は探偵になりたいわ」
皆色々小言を口にしては海にドボンしていく。超絶美少女名探偵とて例外でない。
全身が風の煽りを食らい、強い衝撃を受ける。
超絶美少女の探偵帽は遠くに吹っ飛んでいった。
名探偵が海にドボンする前の最後の一言。
「崩壊オチなんてきいてなああああい!!」
ドボン
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