コメディ・ライト小説(新)
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- 元聖女、竜人国の王族に成り上がる
- 日時: 2022/07/16 23:51
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
Prologue 終わりのない物語
「……よしっ。これでまた同点、次こそ勝たなきゃ……。」
薄暗い部屋で、そう呟いた。
時刻は既に2:30を過ぎているが、私にとっては日常であり、珍しい事では無かった。
部屋の中には、PCのディスプレイの明かりだけが点いており、床には開けっ放しのポテチの袋と、炭酸が抜けたコーラが置いてある。
そう、私は所謂引きこもりニートゲーマー。
ゲームだけで金を稼ぎ、生活をしているダメ人間の一例だ。
昼夜も逆転している為か、近所の人間と会話することも一切なく、コミュ障のまま過ごしている。
「……こんな時間に眠くなるなんて。……久し、ぶり……。」
そのまま私は、溢れ出る睡眠欲求に抗えず、意識を落とそうとした。
瞬時に、自分が眠ろうとしている事を察知し、何とか二度、瞬きをした。
……すると、視界の一面に全てが白い世界が写った。
何年振りだろうか……。
その明るさに驚き身体を起こすと、そこには無邪気な子供が椅子に座っていた。
「……やぁ。初めまして、お姉さん。君は、長時間における神との対戦の末に、死に至った。そんな君を、救ってあげれるのがこの僕、特別に、もう一度だけ人生を送る事が出来るんだ。」
……神との対戦。
もう一度、人生を送る。
いきなりの展開で、頭が付いていっていないが、要は漫画とかにあるお馴染みの展開なのだろうか。
「……ありが、とうございます。神様。」
「君と対戦した神は、責任を取らずに何処かに行っちゃったから、僕が責任を取らないといけなかったし、別に感謝される程じゃないよ。」
……微笑んだ。
今まで、感情の欠片も無かった神様が笑った。
「……さぁ、行こうか。君の人生、幸せなものになりますように。神からの祝福を。」
神様が両手を広げ、満面の笑みでそう言った。
「……お姉さん、またいつか会う日があったら、ゆっくりと話そう。この、終わりのない世界の最果てで。」