コメディ・ライト小説(新)
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- 成山くんと鮫中さん2
- 日時: 2022/08/06 01:25
- 名前: くろのも (ID: XL8ucf75)
(おっ、重い…っ!)
ある日、鮫中さんは教師に頼まれ、授業で使う教材を教室まで運んでいました。
しかし、彼女の教室は三階です。重い荷物でただでさえ足元がおぼつかないのに階段をのぼらなくてはなりません。
(でも、私がこれを持っていかないと、クラスのみんなが困る…よね…)
責任感の強い鮫中さんは、階段を一段ずつ慎重にのぼっていきました。
ぜーぜーと息を荒くしながら、その整った顔を歪めながら、慎重に進んでいきます。
何とか一階と二階の間の踊り場に到達した鮫中さんは、足を止めました。
普段まったく運動をしない鮫中さんの腕や脚は、小刻みにプルプルと震えています。
(もう無理…。一旦、教材をここに置いて、教室に助けを求めるっていうのもアリだよね…?でも、授業はもうすぐ始まっちゃうし…)
ぐるぐるとそんなことを考えていたその時でした。
「鮫中さん!手伝うよ!」
成山君が、まるで少女マンガの王子様キャラのように颯爽と現れたのは。
「なっ、成山さん?!」
どうしてここに、と目を白黒させる鮫中さんの手から、成山君はすっと教材を引き取りました。
「あっ! い、いいんですよ?私が任された仕事ですし…!」
我に返った鮫中さんは、あたふたしながら成山君が持っている教材を持とうとします。
その手をひらりとよけた成山君は、ぽけーっと彼を見上げている鮫中さんに完璧な笑顔を向けました。
「いいんです。こんなものくらい持てないと男としての面目が丸潰れですから。」
「……!」
鮫中さんは、カァァァ…と顔を赤くしてうつむきました。
(どうしよう…、笑顔がカッコよすぎる…!)
赤くなった顔を見せまいと、鮫中さんは両手を拳にして頬にあてます。
そんな彼女の様子が心配になった成山君は、「鮫中さん…?」とおそるおそる彼女の名前を呼びました。
「あの…、ありがとうございます」
そう言って顔をあげた鮫中さんは、嬉しさのあまり瞳が少し潤んでいます。
そのまま、成山君に少し微笑んでみせました。
(ヤバい、潤んだ瞳で上目遣いは…、反則だよっ?!)
心の中でプチパニックに陥ったままの二人は、無言のままどちらからともなく歩き始めましたとさ。
ーその授業の後ー
友1「ねー、成山を送り出したうちら神ってね?」
友2「それな~」
友3「でも、あの二人のことだし何も進展なかったりしてな」
友4「それはないな。あいつら、帰ってきたとき顔がタコだったぞ?」
「「「確かに」」」
友1(何をした、彩…!)
友3(何をした、成山…!)
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友1、2、3、4…。 作者ながら、気に入ってしまいました…。(*´∀`*)ポッ
友1、2、3、4は使い回していこうと思ってます。
友3から会話が始まったりもあるかもですが、一話のと同一人物だと思ってください。