コメディ・ライト小説(新)
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- 超絶!第一次学校大戦
- 日時: 2022/09/23 12:13
- 名前: エゴさん (ID: 5R71oCez)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
序章 開戦
「隣の学校がつぶれたからそこの連中がこっちの学校に来るんだってよ。」
一樹が言った。
「ふーん。面白い人だったらいいわね。」
有季が言った。
「さて、そろそろ朝の会だ。紹介があると思う。」
良太が言うと、
「はい。良太君ご名答。転校生よ。」
浅田が言った。
「もう転校生なんて珍しくないな。」
竜一が言った。
「このクラスに転校してくるのは15人です。」
「えぇ!?」
あきらが驚いた。
「そんくらい転校してきてもおかしくないわ。学校一つ分くらい転校してくるから
1クラス分くらい来ると思う。」
冷香が言った。
「上田敢だ。」
「末村りえよ。」
「和田勉だ。」
「氷室玄だ。」
「滝川由美よ。」
「すげぇなれなれしい連中だな。」
竜一が言った。
「だけど楽しそうじゃん。」
「よう。敢だっけ?」
良太が話しかけた。
「お?だれだ。」
「良太のことはうわさで聞いてたが面白い奴だ。良太にちょっと提案だ。こんどの日曜日から一週間の間対決をしないか?」
敢が言った。
「何を言ってるんだ?月曜までの間は学校だぜ?」
良太が言った。
「だからさ。先生達も交えて一週間のサバイバルゲームをしないか?ゲームで勝った回数の多い学校のチームが勝ち。
どちらかが先生につかまって連れ戻されたらそのチームの負けだ。先生達をあおって相手のチームに持って行くもよし。
町の果てまで逃げるもよしだ。」
「面白そうじゃん。学校をさぼるってことだろ?乗ってやるよ。」
「じゃあ今度の日曜日に。あと一週間の間の食糧は自分たちで用意して場所は当日に早く着いたやつのものになる。
範囲は葵町全体だ。」
「OK!」
「じゃあメンバーを集めようか。」
「ああ!」
「え!?転校生とさぼって対決!?面白そうね!」
良太達のチームは良太はもちろん有季、あきら、一樹、悟、そして竜一と冷香も参加することにした。
「絶対勝つぞ!」
「おー!」
1日目 探り合い
「場所はどこにする?」
「裏山が良いんじゃない?」
「よし。じゃあ裏山に旗を立てるか。」
良太はそう言って旗を立てた。
「よしじゃあもうすぐ9時だから公園に行こう。」
「逃げずに来たんだな。」
敢が言った。
「ああ。勝っても負けても何もないんだろ?」
「うん。名誉...だけかな。」
玄が言った。
「じゃあルールを説明する。お互いのチームの持ち物を盗むことはありだ。ただし食料、服はだめだ。」
敢が言った。
「先生につかまってもダメだ。」
良太が言った。
「そして毎日朝と夜にゲームをする。そのゲームは両チームが交代で提案する。朝は良太チーム。夜は俺たちだ。
勝った方のチームは相手の持ち物を無条件で1つ奪い取ることができる。」
敢が言った。
「昼間は自由時間。相手のチームの情報を探るもよし。予算1万円で買い物をするもよし。
ご飯を作るもよしだ。」
良太が言った。
「じゃあ。一週間サバイバルゲーム...はじめ!」
敢と良太が同時に言った。
お互いのチームが自分たちの陣地に走り出した。
「じゃあまずはみんなの持ち物を確認しよう。」
有季はテントとカップ麺とゲーム機と無線機(自然学校で使ったやつ)を持ってきた。
冷香はライターとポテトチップスと水ペットボトル4本と無線機を持ってきた。
良太は水ペットボトル4本と無線機、鍋、そして工具箱(のこぎりとハンマーとナタとプラスドライバーとねじ30本が入ったやつ)を持ってきた。
あきらは包丁と釣り竿2本とライターとポテトチップスを持ってきた。
悟は地図と無線機とカップ麺を持ってきた。
竜一はおのとランタンと鍋と包丁を持ってきた。
一樹はゲーム機と水ペットボトル4本と釣り竿と家型テント(5~6人泊まれるでっかいやつ)を持ってきた。
「なるほどな。つぎ。敵陣はどこにあるかを探らなくちゃな。」
「やつらはあっちに向かって進んでったぞ。」
一樹が東の団地のあたりを指さした。
そのころ、
「ナイス敢!あいつらの目が東の団地の方に向いてやがる。俺らは本当は西の廃墟の中にいるってのによ。」
玄が言った。
「これであいつらの目をそらせばあいつらの基地に入り込んでまずやることは基地を壊すんだ。」
敢が言った。
「なるほどね。そうすればあいつらは寝るところがないから基地を作り直すってわけね。」
りえが言った
「これであいつら全体の動きを遅らせるんだ。そうすればかならず有利に立ち回れる。」
「なるほど。」
その日の昼、良太達は
「よし!おれと一樹で向こう側の基地に物を取りに行こう。だけど向こうからも来るかもしれないから有季とあきらは見張っててくれ。
そして冷香と竜一と悟は食料や日用品をコンビニで調達するんだ。」
良太が言った。
「分かった。」
全員が言った。
そのころ敢たちは
「よし。みんな良太達のものを取りに行こうよ。」
由美が言った。が、
「いや。今日は良太達の場所には一切行くな。」
敢が言った。
「なんでだ?」
「良太達の場所は分かったが、俺たちが見ただけで、良太達の目線が本当にそらせたのかはわからない。
だから今回は良太達を見つからないように探りながら買い物をしよう。一応俺と玄はここに残る。」
敢が言った。
「分かった。」
由美とりえが言った。
「よし、とりあえず団地には着いたけどあいつらも考えたな。三つくらいマンションがあるからどこか分からないし入りにくいな。」
良太が言った。
「よし!今回は探すだけして帰るか!」
良太と一樹は探し始めた。
敢たちの陣地では
「良太達は本当に団地を探し出したよ。」
「分かった。じゃあ今日の夜に良太達の持ち物にある鍋を盗み出すんだ。」
「なんで!?」
「あしたの朝に良太たちとゲームするはずだ。だがそのゲームは良太達が進めるゲームだ。負けると仮定した方がいい。
だから今日のうちに頑張って必需品を盗み出して、負けたときに相手に取り返すか取るかの選択を仕掛けるんだ。」
「じゃあライターでもよくないか?」
「ライターやカップ麺はこっちも持っているし、なかったら最悪買うこともできる。だから鍋を失えば大抵の料理は出来なくなる。
この町に家電量販店はないからな。」
敢が言った。
「じゃあ今夜10時に盗みに行こう。」
「くそ!見つからねぇ。ここじゃないのか!?」
良太が言った。
「くそ!奴らに一本取られたみたいだな。」
一樹が言った。
「もしかしたらその間に盗まれたのかも!」
良太が走り出した時、ガラッと音がした。
「敢チームか!?」
だが誰もいなかったので自陣に帰った。
良太が自陣に帰るとすぐに
「何か盗まれたか!?」
と聞いたが、
「ううん。誰も来てないし何も盗まれてないわ。何かあったの?」
有季が言った。
「俺たちが敵基地だと思ってた場所は違う。また振り出しに戻っちまった。こっちの居場所がばれてなきゃいいけど...」
一樹が言った。
「じゃあ今夜のゲームで相手の持ち物にあった地図を盗み出すしかないな。そうしたら相手の居場所もわかるし。」
良太が言った。
「でも今夜のゲームは相手の考えたゲームよ。どんなことやらされるかわかったもんじゃないわよ。」
冷香が言った。
「それもそうだな。どっちにしてもあのゲームで勝つか負けるかで戦局が大きく変わりそうだな。」
良太が言った。
夜の7時、両チーム公園に集まった。
「じゃあゲームを始めようか。じゃあお互いに奪うものを選ぼう。僕のチームは君たちの家型テントだ。」
「俺たちのチームはお前たちの地図!」
良太が言った。
「今更地図かい?君たちのきつーい状況が見え見えだぞ?」
玄が言った。
「じゃあ僕たちのゲームはクイズ対決だ。」
「クイズ対決!?」
あきらと一樹と竜一は不安そうだ。
「ルールは簡単。お互いにクイズを出し合い、先に10問正解した方の勝ちだ。」
「じゃあ君たちのチームも4人にしぼってもらおうか。」
良太と有季と悟と冷香が出ることになった。
だが、良太チームは10-3で負けてしまった。
「では家型テントをもらうよ。1時間後の8時に袋の中に詰めて公園に持ってきてくれ。」
敢が言った。
「マジか...。」
良太達は絶望した。
そして1時間後、家型テントを奪い取られてしまった。
「家型テントが奪われちまったか。こうなったら夜は交代でテントに入るしかねぇな。
3時間交代でまず有季と冷香。その後悟と竜一。最後に俺と一樹とあきら。」
「あしたはとびっきり難しいゲームを用意しようぜ。」
一樹が言った。
「有季と太鼓の達人で勝負させたらどうだ!?」
悟が言った。
「いいね!ゆうちゃん鬼の譜面200譜面くらい全良してる(有季は太鼓の達人の達人である。)もんね。」
冷香が言った。
「でも3時間しか寝れないんじゃたまらないな。有季の頑張って全良してもらって家型テントを取り戻そう!」
「うん!」
夜の10時、敢チームのうちの1人がやってきた。
「よし盗むぞ...てあれ!?そうか。計算していなかった。今日あいつらは寝れないんだった。
鍋を盗むのは難しいぞ。」
りえが言った。
「でもあいつらはあっちを見てる。今のうちに...」
「誰だ!」
竜一がりえたちを見つけた。
「お前らは敢チームの...!」
良太達が一斉に飛びかかった。
りえは鍋を持って逃げた。
「まてぇ!」
良太達は敢チームの陣地へと走るりえを追いかけた。
「バカ!何してる!こっちの陣地がばれるだろ!」
敢が言った。が、
良太達がついに敢チームの陣地にやってきた。
「鍋は渡さないぞ!うおおお!」
良太はりえから鍋をひったくると、そのまま廃墟の窓を突き破って外に逃げた。
「りえ!何やってる!すぐに追い出されるまま鍋を置いていけばよかったものを!」
敢はカンカンだ。
そしてなんとか良太達は3時間ずつ睡眠をとったのだった。
2日目 教師参戦
「うちの良太が昨日からいないんです!」
「うちの有季も!」
「竜ちゃんもいないの!」
「敢もいなくなったんです!」
次の日は朝から良太達の両親が学校に詰め寄ってきた。
「また集団で無断欠席をしたんじゃないんですか!?」
「いやぁ。良太君達と敢君たちはあまり仲が良くないのでやつらが集団行動なんて。」
校長が言った。
「良太をすぐにでも探してください!」
「では朝のゲームを始める!」
良太が言った。
「僕たちが奪い取るのは良太君の工具箱だ。」
敢が言った。
「俺たちは家型テントだ!」
良太が言った。
「あと今日から先生たちが動き出すかもというのを忘れずに。」
敢が言った。
「じゃあ。きょうのゲームは有季と太鼓の達人で対決してもらう!」
「思った通りだ。かなりの難易度のゲームを用意してくると思っていたよ。」
太鼓の達人ができる人が敢チームにいなかったので案の定有季の圧勝で良太チームは家型テントを取り戻した。
基地に帰ってきた敢たちは、
「負けると仮定していたが、家型テントを取り戻されると、やはり互角か。」
「さて、家型テントを渡しに行くか。」
そして家型テントを受け取った良太達は再び設営を始めた。
そのころ敢チームは、
「家型テントは渡したくなかったところだ。家型テントは一度立てられると盗むのは難しい。」
敢が言った。
「きのうはごめんなさい。良太達に場所をばらしてしまって。」
りえが言った
「まあいい。今のところは互角なんだ。後5日間ある。」
敢が言った。
「まずい!先生が来た!」
玄が言った。
「く!まずいな。よし!今すぐ荷物だけを廃墟のどこかに隠して廃墟を出よう。」
敢が言った。
そういって敢チームは昼の間足止めをくらってしまった。
「よし!じゃあそろそろコンビニにカップ麺を買いに行くか。」
悟が言った。
「私はカレー味が良いな。」
有季が言った。
「OK!」
良太は町に買い出しに出かけた。
5分後、有季の無線機に連絡が入った。
「まずい。コンビニの中に先生が入ってきた。どうやって出よう...」
「レジは通ったの?」
有季がきいた。
「通ってねぇ。から先生が出ていくまで待つしかねぇ。」
「頑張って。」
そのころ学校では、
「良太達は見つかったのか!」
校長がきいた。
「全然見つかりません。」
八代が言った。
「ぐぬぬ...!良太達め...!毎度手こずらせやがって!」
校長はご立腹だ。
「よし!今夜葵町全体に先生達を回らせて捕まえましょう!」
八代が言った。
やっと先生たちがいなくなり基地に帰ってきた敢たちは
「とんだ足止めをくらったな。あいつらがどんな調子で進んでいるのか調べなくちゃ。」
敢が言った。
「まじか。先生たちが学校から一斉に出て行ってる。きっと俺たちを探しに来たんだ。
夜のゲームは危険かもしれないな。」
そのころ良太チームは
「やっと帰ってこれた。すまねぇ腹減ってるだろ!」
良太が言った。
「やったわね!」
冷香が言った。
「あっ!先生たちが山を登ってきてる!」
一樹が言った。
「何!?ついに探しに来たんだな。」
「みんな!私物を持って山から出よう!」
「おう!」
良太達は急いでテントをたたむと反対側の登山口から外に出た。
「よし!昨日俺たちが団地の廃墟を探した時に見つけた入り口がある!そこに隠れよう!」
「分かった!」
「おい!敢たちじゃないか!?」
「良太!」
なんと敢チームと良太チームが同じところに隠れたのである。
「よし!ならちょうどいい。夜のゲームをするとするか。」
良太が言った。
「夜のゲームは爆弾ゲームだ。」
爆弾ゲームは良太達が勝ったので良太達は相手チームからランタンを奪い取った。
「じゃあ。俺たちはここに拠点を移すことにする。」
「おい!先生たちが俺たちの山で待ち伏せしてるぜ!」
一樹が裏山を指さした。
「しょうがない。今回は許可してやるよ。」
敢が言った。
「じゃあまた明日。先生に気を付けろよ。」
良太が言った。
3日目 誘拐事件
「起きろ!悟がいない!」
良太の声で目を覚ました良太チームは悟がいなくなっていることに気づいた。
「あいつらのチームに報告だ!」
一樹が言い終わる前に良太は拠点を飛び出していた。
「お前ら!盗みに来やがったな。」
敢が言った。
「ちがう!悟がいないんだ!」
良太が言った。
「何!?」
「誘拐されたのかも!」
良太が言った。
「誘拐だとしたら親に身代金を要求するはずだ。だからとりあえず先生に見つかってはいけない今、
下手に動くと...」
「大丈夫!私たちがいくわ!」
有季と冷香が言った。
「は?お前らが?」
「こう見えて有季達は優秀な女スパイなんだぞ?」
良太が言った。
「集団でさぼったと思っているのなら必ず身代金を要求されたら学校に連絡が行く。学校の中にはかなり多くの
教師がいる。けど大丈夫か。」
敢が言った。
「瞳ちゃんはいないけど...大丈夫よ。」
有季が言った。
「じゃあ学校に向かってくれ。」
「分かった。」
「ちっ。そろそろ対決どころじゃなくなってきたな。」
敢が言った。
「いや。協力してもっと別のものと戦うんだ。」
良太達は拠点に戻った。だが良太と一樹とあきらと竜一だけというのはやはり寂しい。
「悟、どこにいるんだろ。こっそり帰ったのかもしんないぜ?」
竜一が言った。
「あいつはそんなことしねぇよ。」
良太が言った。
そのころ学校では
「何!?悟達は誘拐されたというのか!?」
校長が言った。
「絶対違います!あいつらがいたずらで掛けたのかも!」
八代が言った。
「ですが良太君たちが隠れているようなことは見つかっていません!誘拐されたという方が説明がつきます!」
浅田が言った。
「とりあえず悟は誘拐されたんですよ!」
悟の母が言った。
「ほかの行方不明者の母に聞いてみましょう!」
だが他の良太や有季の母には脅迫の電話は来ていないそうだ。
「ますますおかしい!なぜいつも一緒にやらかしているメンバーのうち一人にしか脅迫の電話が来ていないのだ!」
校長が言った。
「誘拐犯は悟一人を狙っていたとでも言うんですか!?」
教頭が言った。
「分からん。だが犯人が掛けてきた電話のカセットテープがあるそうですね。」
校長が言った。
「その電話を聴かせてください!」
そのころ敢チームは、
「良太チームの一人が行方不明か...。夜の集会で有季達に調査結果を聞くしかないか。」
敢が言った。
「どうするの?」
りえが言った。
「とりあえず。有季達が来るまでは何もわからない。誘拐だとしたら先生や警察たちが動き出す。
だからいつもより食べ物を多めの買ってくるんだ。」
敢が言った。
「分かった!」
玄と由美が言った。
「よし!カセットテープを手に入れた!」
有季達は急いで学校から出ると拠点に向かって走った。
「敢!重要な情報がつかめた!カセットテープが手に入った!これを聞いてくれ!」
良太が言ってスイッチを入れた。
『お前の息子はあずかった。返してほしければ3億円を用意して雪川の河川敷に来い。
用意できない場合、こいつの身の安全は保障できない。警察に通報するなど馬鹿のことは考えないことだ。』
カセットテープはこれで終わってしまった。
「なるほどな。犯人の位置がわかるような情報はないか?」
「何か音が聞こえる。」
りえが言った。
「何だって!?」
「こいつ生まれつき耳が良いんだ。」
敢が言った。
「ピアノの音が聞こえる。」
「ピアノ...ピアノ...あ!広場のストリートピアノ!」
良太が言った。
「そこだ!だけどそこの近くの建物はたくさんあるぜ?」
敢が言った。
「なるほど!俺らが団地を探した時にガラって音がした!あれの正体じゃないか!?」
一樹が言った。
「それだ!」
四日目 張り込み
朝早くに良太達は団地の廃墟にやってきた。
「ここで音がしたんだな。」
敢が言った。
「ああ。今更だけど本当にこんなとこに犯人が隠れているのか?」
良太が言った。
「とりあえず今日は張り込みだ。」
一樹が言った。
「じゃあ有季と冷香はまた学校の様子を探ってもらえるか?」
「OK!」
「じゃありえと由美はコンビニで手間がない飯を買ってきてくれ!」
「分かった。」
そういって良太達は団地の中に身を潜めた。
「良太君たちすべてが誘拐されたとも限りません。とりあえず犯人に電話してみましょう。」
柴田警部がそう言って電話をかけたが、
『やはりサツか。無条件で解放しろなんて馬鹿なこと言うために電話かけたんじゃねぇだろうな。』
犯人が言った。
「あいにくだがその通りだ。」
柴田が堂々と言った。
『無条件解放なんてすると思っているのか?』
犯人が言った。
「お前や私がどう思っているかなんてどうでもいい。悟君を開放しなさい!」
柴田が言った。
『なら俺もお前のことなんかどうでもいい。同じ会話の繰り返しは時間の無駄だ!』
そういって犯人は電話を切ってしまった。
「犯人の声が聞こえた!」
りえが言った。
「何だって!?」
「いま誰かと電話してた!悟君の話をしてた!」
「やっぱしだ!悟は誘拐されてんだ!」
良太が言った。
「だけど悟は見つからなかったぜ?」
一樹が言った。
「どっかに犯人が監禁してるのかも。」
冷香が言った。
「そうだ!犯人の電話番号がわかったよ!」
有季が言った。
「こいつ、ホントに優秀なんだな。」
敢が言った。そこで良太はあることを考え付いた。
「そうだ!犯人に電話して悟の安全を確かめるために悟の声が聞きたいって言うんだ。
そうしたら犯人は悟の監禁場所に向かう!そうしたら石焼き芋の車をちょっと借りて町中を回る
そして電話の中で石焼き芋の音が聞こえたら言ってくれ!そうしたらその場所が監禁場所の近くってことだ!」
良太が言った。
「じゃあ電話役を私がやる!」
りえが言った。
「じゃあ明日の朝ここに集合だ!おれは石焼き芋のおっちゃんに頼んでみる!」
「分かった!」
そのころ学校では
「くぅ。犯人の居場所がいまだにわかりませんな。」
柴田警部が言った。
「それに良太達も見つからない。どうしたことか...!」
校長が言った。
「うちの良太もいまだに行方不明ですよ先生!」
「うちの有季も!」
良太達の母もカンカンだ。
「じゃあ悟君がどうなってもいいのなら強行突破させてもよいのですが。」
校長が言った。
「そんなこと...!」
その日の夜良太達はさぼり生活12食目のカップ麺を食べながら
「じゃあ久しぶりにゲームやるか。こっからは奪い合いはなしだ。
じゃあ。勝ったチームには余ったカレーパンをプレゼントだ!」
敢が言った。
「ぜってー勝つぞ!」
良太が言った。
敢たちが考えたゲームは将棋対決だった。
「由美は将棋の達人だぞ!」
玄が言った。
「だがこっちにも!冷香という達人がいる!」
良太が言った。
だが勝負は由美の圧勝だった。
「まじか。」
「カレーパンは由美が食いな。由美が勝ったもんな。」
敢が言った。
「さて、明日は悟を救出だ!」
「おー!」
五日目 救出作戦
「よし、犯人に電話だ。」
『あ!?だれだ。サツか?』
「悟君の安全を確かめたいから悟君の声を聞かせて!」
『はぁ!?』
「声が聴けなかったら殺されたと判断するから金は渡せない。」
『ちっ。わかった30分後また電話しろ。』
「...わかった。」
「さすがりえだぜ!演技がうまい!」
良太が手をたたいた。
「じゃ、俺たちはゆっくり町中を石焼き芋カーで走らせるからできるだけ話を長引かせてくれ!」
あきらが言った。
「OK!」
全員が言った。
「なるほどな。わかった。」
石焼き芋のおっちゃんは相変わらず気前がいい。
「よし!じゃあまずは町の中央のあたりだ!」
良太達は町の中央に行った。
『そら!悟!電話だぞ!』
「悟君!?」
『どこにいるかなんて言うなよな!』
犯人が言った。
『その声はりえさん!?』
悟が言った。
「し!静かにしてて、いまから悟君を助けるための作戦を開始するわ。」
『え!?』
「いま悟君たちがいる場所を特定して警察を呼ぶわ。警察が来たら隙を見て逃げて。」
『分かった。』
「次は学校の近くだ!」
良太が言った。
『はやく話を終わらせて金を用意しろ!』
犯人が言った。
「もうちょっとだけ待ってください!お金は必ず用意しますから!」
『あと十秒で切るぞ!』
「最後は住宅街だ!」
良太が言った。
『8、7、6、5、』
―いしやぁ~きいもぉ~!やぁ~きたて!―
「聞こえた!」
『2、1、0!終わらせろ!』
ブチッ!
「聞こえたわ!良太君!そのあたりよ!」
りえが無線で言った。
「分かった!住宅街のどれかだ!」
良太達は先生達に電話した。
「よう!先生達!元気ですかぁ!」
『な!その声は良太達!』
「まあそんな焦るなって。もっと焦るような話を持ってきたから。」
『なんだ!』
「悟の誘拐犯の居場所が分かったんだな~。」
『何だと!?どこなんだ!』
「○○通り△△番地のどこかだ。」
『どこかとは中途半端な!』
「よく言うぜ!先生らが日本中どこかもわからなかった犯人の居場所を特定してやったんだ!感謝してほしいね!」
『分かった!だが君たちはどうしていなくなったんだ!』
「それは秘密だな!じゃあな!」
良太はそう言って電話を切った。
「やるじゃん!」
玄が言った。
「あとは悟がうまく逃げられるかにかかっているな。警察が来たら殺されるかも。」
敢が言った。
「周りを包囲しました。」
「よし!犯人の家に突入だ。」
「悟君の安全は!」
「大丈夫だ!」
そういって警部が
「いけ!」
というと警官たちが一斉にドアを壊して中に入っていった。
「何!?警察!」
犯人はついに部屋の奥に追い詰められた。そして悟は
警官が持っていた盾の角で縄を切ると隙を見て部屋から抜け出し、窓から家の屋根に飛び移り、拠点に帰った。
「悟がかえってきたぞぉ!」
良太達は一斉に悟に飛びついて抱き合った。
六日目 絶体絶命
「よし!この生活もあと2日かぁ。」
一樹が言った。
「でも俺たちが何かやってるってことはばれちまったぜ?どうする?」
竜一が言った。
「先生たちが来ちゃうよ!町中ホントに探すつもりだ!」
悟が言った。
「待て待て待て!先生が団地に入ってきた!」
「マジか!逃げるぞ!」
「あ!良太たちだ!」
八代がやってきた。
「逃げろ!二手に分かれるんだ!」
良太が言って二手に分かれた。良太が行った左の方向には公園があったので良太はそこに入った。
「待てぇ!」
八代だけでなく魚田も子供を見つけた。
「くそぉ!つかまった!」
右に曲がったあきらと一樹と有季とりえと玄がつかまってしまった。
その後由美と竜一、さらに悟と冷香がつかまってしまった。
「ちっ!あとは俺と敢だけか...」
良太が言った。
「良太、どうする!他が全員つかまっちまった。」
敢が言った。
「学校に助けに行くか?」
良太が言った。
「無理だろ!2人で15人の先生に殴り込みなんて!」
敢が言った。
「行かないと俺たちがあいつらを裏切ったことになるぜ!」
良太が言った。
「だけど...」
「あとお前が行かなかったらお前のチームが先生らにも俺たちにも負けたことになるぞ!」
良太が言った。
「......よっしゃ!行ってやるか!」
「よく言った!」
良太が笑った。
その日の夜11時52分、
「良太と敢以外全員捕まえました。」
八代が言った。
「悟!あんたがこんなことやらなかったら誘拐もされなかったのよ!」
悟の母が言った。
「有季!女の子でしょ!こんな変なことしないでちょうだい!」
有季の母も言った。
「俺たちのことを忘れるな!」
良太が言った。
「良太!帰ってきなさい!」
「敢ちゃん!」
良太と敢の母は必死に呼びかけた。
「有季達を離せ!」
敢が言った。
「お前たちこそ!早くこんな馬鹿な真似はやめろ!」
校長が言った。
「野郎!」
敢が校長に飛びかかった。だが教師らに取り押さえられてしまった。
「残りはお前ただ一人だ。お前にはもう選択肢はないぞ!良太。こんな真似はやめて親に謝るんだ!」
校長が言った。
「良太!脱出だ!」
敢が叫ぶと八代の股間に蹴りを入れると有季達の縄を次々にナイフで切り始めた。
「逃がすな!」
良太達は学校の階段を上りだした。
そして良太達は屋上から電線にぶら下がって川に飛び込んだ。
「逃がすか!」
校長と八代が一緒に電線に飛びついたが電線が切れて4階から河川敷に落ちてしまった。
「いだだだだだ!腰がぁ!」
校長と八代がわめいた。
何とか反対側の河川敷までたどり着けたのは日がのぼった時だった。
七日目 決着と終戦
「じゃあ最後のゲームをやるか!」
良太が言った。
「ああ!負けねぇぞ!」
敢が言った。
「お互いの好きなゲーム言ってそれで対決しよう!」
「分かった。」
「俺のゲームは...」
「俺のゲームは...」
「手押し相撲だ!」
二人が同時に言った。
「なんでー」
全員が意味不明という顔で二人を見た。
「やっぱ最後は力でやりあわなくちゃ!」
敢が言った。
「だけどなんで手押し?」
有季がつっ込んだ。
「いいだろ?やらせてくれ!」
良太が言った。
「じゃあ。よーい!スタート!」
序盤は良太が果敢に攻めた。
「く!」
敢がよろけた。
「敢君!頑張って!」
りえが言った。
「うおぉ!」
良太が強烈な一発をくらってよろめいた。
「良太君!頑張って!」
有季が言った。そして良太、敢、有季、悟、あきら、竜一、一樹、冷香、りえ、玄、由美の母も集まってきた。
「うおぉ!」
良太が再び敢を押し返した。
「良太!」
「敢ちゃん!」
良太と敢の母が同時に叫んだ。
良太と敢がお互いがっしり組み合った。
「うおおおおおおおおお!!!!!!」
良太が競り勝ち、敢を押し倒した。
「負けた。3対2でお前らチームの勝ちだ。」
「へへっ。じゃあ」
「水遊びだ!」
良太と敢が同時に川に飛び込んだ。水しぶきとともに有季も冷香もあきらもりえも一樹もみんなで
川に飛び込んだ。
「ほんと。まだまだ子供ね。」
良太の母が言った。