コメディ・ライト小説(新)

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声を形にする君と音をカタチにする僕。【1】
日時: 2022/11/04 15:18
名前: 希空 (ID: j553wc0m)

「♪~~」
透き通るような高い声が部屋全体に響き渡るのと同時に、ギターの軽い音と混ざっていく。
私―奏流初音そうりゅうういねは今、スマホを前に弾き語り動画を撮影している。
「……よし、今日も声はばっちりだった。きっと、変じゃないはず」
バクバクいう心臓をなでるように自分に言い聞かせると、動画をアップした。

朝の眩しい光が顔にかかる。
今日は土曜日で学校はないけど、他校の軽音楽部の人と交流会がある。
正直、面倒ではあるけど好きな音楽をやるためにはしょうがない。
重い体を引きづるように足を前に運ばせて着替えると、ゆっくり階段を下りて一階へ向かう。
軽く朝ご飯を食べると、メモを書いてギターを片手に登校した。

「こんにちはーっ!私たちは東音丘高校ひがしねいろおかです!」
部長の先輩が明るい声で紹介し終えると、自分たちの実力発表ということで練習してきた曲を発表する。
私はギターを奏でながらジグザクに目の前の他校の生徒に視線をうつす。
―と。
私は一人の男子に目をとめた。
一見、普通の男子高校生なのに、よく見ると耳に補聴器がついていた。
熱心に聞いていると思ったのに。
心の中でそんな気持ちがよぎった。
視線を自分の指に落とすと、そのまま私たちの演奏が終わった。
席に戻るときにさっきの男子生徒を見つめると、ようやく気づいたかのように目を合わせて小さく微笑んだのが映った。
全部の学校が演奏し終えたら、いろんな人と交流できる時間が設けられる。
その時に声をかけてみよう。
私はぎゅっと目をつぶって音を飲み込むように聞き入っていた。


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