コメディ・ライト小説(新)

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超絶!第ニ次学校大戦
日時: 2022/11/21 10:40
名前: エゴさん (ID: Mt9DoeXY)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

序章 思わぬ事件
「お兄ちゃん。有季ちゃん今月いっぱいで引っ越しちゃうみたいよ。」
ある日、急に良太の妹が言った。
「え!?」
良太が言った。
「俺何も聞いてないぜ!?」
「私も今日有季ちゃんの妹から初めて聞いたわ。」
「明日学校で聞いてくる!」
良太が言った。
次の日、学校に行く途中の道で有季の家によると、庭の植木鉢が片付けられていた。
「有季!」
良太はインターホンを鳴らして叫んだ。すると
「だめよ!有季!」
「良太君!」
有季と有季の母の声が聞こえてきて、有季がドアから飛び出してきた。
「有季!どうした!」
良太が言った。すると
「良太君...!早く行こう!」
有季が言った。そのまま歩き出した。
「良太君...。引っ越しの話、聞いたんでしょ...。ごめん。言えなくて...」
「そんなこといいよ。それよりなんでなんだ?」
良太が言った。
「お父さんとお母さんが良太君達とこれ以上付き合うなって...」
「有季は俺たちのこと嫌いか?」
良太が不安げに言った。
「とんでもない!」
有季が言った。
「どうすりゃ引っ越しせずに済むか...」
その時、一樹とあきらが合流した。
「なんだ?ずいぶんへこんでるじゃねぇか。」
あきらが言った。
良太は有季の引っ越しについて話した。
「親の都合でそんなこと決めるなんて自己中にもほどがあるよな!」
一樹が言った。
「じゃあ。みんなで逃げちゃおうぜ!」
後ろから声がしたので振り返ると敢たちがいた。
「またさぼる気か?」
良太が言った。
「いいわね!」
有季が食いついた。
「親の気が変わるまでストライキするのよ!」
「また面白いことになりそうだな!」
その時学校のチャイムが鳴った。
「やべ!また遅刻だ!」
良太達は階段を駆け上がった。

一章 廃工場
「隠れるのにいい場所があるんだ。」
帰り道、敢が言った。
「どこ?」
「むかし戦争で兵器を作ってた工場があるんだ。そこの廃墟には今も使える発電機もあるし、なんなら兵器だってある。」
敢が言った。
「そんな兵器があるようなとこ立ち入り禁止になってねえか?」
良太がきくと、
「もちろん立ち入り禁止さ。だから面白いんじゃん。」
「上出来だ。工場には誰もいねえな?」
一樹が言った。
「ああ。誰もいない。」
敢が言った。
「じゃあ。一か月は持つような食料を持ってこよう。一応電池を単一から単四まで合計12本ずつ持ってくるんだ。」
「OK!」
全員が言った。
「でも家出れるかな...」
有季が言った。家は親が見張っている。
「大丈夫だ!俺たちが迎えに行ってやる。」
良太が言った。
良太は食料品と電熱器、乾電池12本とカードゲーム、懐中電灯に寝袋、そして着替えにブルーシートを持って行った。
「有季!」
良太達は有季の家の前に集合した。
「良太君!助けて!」
有季が自分の部屋から叫んだ。
「よし!」
良太とあきらが隣の家の屋根の上にのぼって有季の部屋の窓を開けた。
「有季!こっちだ!」
あきらはそういうと所持品のロープを有季のかばんに引っかけた。
「えい!」
有季がそのかばんにしがみついた。そしてあきらがそれを思いっきり引っ張った。
「有季を変なとこに連れていくなぁ!」
有季の父が有季の足をつかんで離さない。
「邪魔しないで!」
有季が足をバタバタさせたので有季の父が何とか有季の足を離した。
「逃げろ!」
良太は有季の手をつかんで屋根の上を走った。
「まてぇ!」
何とか路地裏までたどり着けた良太達は工場の塀を乗り越えると、工場の中に入った。
「わぁ!すげぇや!水車だよ!」
悟が言った。
「フォークリフトもあるじゃん!」
あきらが言った。
「敢!よくここ見つけたな!」
「この町を気に入ってね。いろいろ探検してんだ。」
敢が言った。
「有季!なにビビってんだ?」
良太が言った。
「そんなことないわよ。」
有季が言った。
すると、良太が有季のポケットに手を当てて「ポケットポケット...」と唱えた。
「おまじないかけた!なんかいやなことあったらポケットの中見てみな。」
有季はとまどったままポケットの中に手を入れた。
「わぁ!」
有季のポケットの中にはキャンディが入っていた。
「何が出てくるかはお楽しみだな。」
良太が言った。
「ここなら絶対見つからないぜ!」
玄が言った。
「親たちは本気で家出だと思うわよ。」
りえが言った。

二章 作戦会議
「よし!とりあえずここを掃除して料理ができるようにしよう!みんな何持ってきた?」
「オレは包丁とピーラー。あとラップを持ってきた。あと米15合な。」
あきらが言った。
「おれも米。あとカップ麺にヤカン、それに盗聴器を持ってきた。母さんのポケットに忍ばせといたから
 親たちの電話やPTAの会議の内容はこっちに筒抜けさ。」
悟が言った。
「よし、持ち物はそれくらいにしてこれからどう有季の親に抗議する?」
良太が言った。
「引っ越したいんならお前らだけでどっかいけとでもいったらどうだ?」
玄が言った。
「その案いただき!にしてもどうして有季は俺たちと距離を置くように言われたんだ?」
敢が言った。
「お前の成長には良太達は邪魔だって...!」
有季は泣き出してしまった。
「有季がそれが嫌ならビシッと親に言ってやれ!」
良太が言った。
「うん!」
「とりあえずそれは親が来てからだな。じゃあ親に家出したと手紙を送るんだ。」
一樹が言った。
「そうしたら親は家出の理由が不正だから学校にも警察にも言えない!」
りえが言った。
「でも学校を休んだら絶対に学校にも目を付けられるわよ。」
由美が言った。
「そこでだ!有季を除いた俺たちが誘拐されたと身代金を要求するんだ。」
良太が言った。
「そしたら親は家出の件で学校に言えないから学校側との距離が離れる!」
あきらが言った。
「そこで親がぼっちでやってきたところを何とか説得するんだ。そこで有季がしっかりしないとこの計画は台無しだ。」
良太が言った。
「分かった。」
有季が言った。
その日の夜、
「なんだと!?良太達が誘拐されただと!?」
校長が言った。
「すぐに親に報告だ!」
「またあの子ったら!なんですぐに誘拐なんてされるの!」
良太達の親一同はカンカンだ。
工場では、
「よっしゃあ!電気がついたぞぉ!」
悟が叫んだ。
「ナイス悟!」
「電熱器で調理だな!」
「ひとみと竜一がいないのは寂しいな~。」
良太が言った。
「よっしゃみんな。気分を変えて...怖い話でもしようぜ!」
「やめてくれよぉ。」
勝平が言った。
「これは本当にあったお話です...」
「ひぃぃ!」
勝平は怖がりである。
「ある日...一人の男が森の中を歩いておりました...」
あきらは人を怖がらせるのが得意である。
「すると茂みの中からガサガサ音が...」
「怖ぇ!」
「男が茂みの方を見ると首なしの男が男の首をガシッと!」
そういってあきらは勝平の胸ぐらに手を伸ばした。
「ぎぇぇー!」
勝平が声を裏返したり戻したりして叫んだ。
みんな大笑いだ。
「じゃあ次は私が。」
怖い話が大好きな冷香が言った。
「やめてくれよぉ。」

三章 洞窟探検
 「よしみんな、洞窟探検に行かないか?」
良太が言った。
「え?」
みんなわけが分かっていないようだ。
「河川敷を川に沿って歩いて行くと小さな洞窟がある。宝があるかもしれねえんだ。宝を見つけたら山分けだ!
 そこを1つの拠点にしようとも考えてる。」
良太が言った。
「でも河川敷まで歩いて行ったら親に見つかっちゃうわ。」
冷香が言った。
「だれが地上をいくと言った。地下をいくんだよ。この建物の下水道を通って。」
良太が言った。
「この建物に下水道なんてあるのか?」
あきらが言った。
「ああ。あるんだ!」
敢が言った。
「昨日敢と一緒にこの建物の中を見て回ったんだ。」
良太が言った。
「下水道はすごく臭いから女子は服着替えた方がいいぞ。」
敢が言った。
「のぞかないでよ?」
有季達はそう言って建物の裏側に移動した。
「よし、下水道を通ってうまく移動できるようになれば、大人たちがやってきた時にも逃げれるし
 宝物を隠す場所にだってなる。」
一樹はウッキウキだ。
そこへ有季達が着替えを済ませて帰ってきた。
「お!似合ってんじゃん。」
良太が言った。
「よし!洞窟を探検する間、誰かにここの見張りを頼みたいんだが誰かやってくれるか?」
敢が言った。
「じゃあ俺がやるよ。」
玄が言った。
「私も!」
りえが言った。
「じゃあ俺たちがかえってきてから見張りをやるから俺たちが帰ってきたら玄とりえは
 貴重品を洞窟の中に隠すんだ。」
「分かった。」
二人が言った。
「うわあ臭い。しかもかなり深いわよ。」
冷香が言った。
「うわ!」
あきらが水の中にあった穴にはまってしまった。
「たまにへこみやでっぱりがあるから気をつけろ。」
良太が言った。
「あれじゃないか?」
勝平が指さした先には小さなマンホールと管の先っぽがあった。良太が下の先から外の景色をのぞくと川と橋が見えた。
「ここだ。」
「あった!洞窟だ!」
一樹が言った。
「周りに大人はだれもいねぇな。よし!入ろう。」
その時、急に地面が崩れた。
「うわぁ!」
全員が3m下に落下してしまった。
そのころ学校では、
「警察に通報しました。今のところ犯人からの情報は手紙しかないです。」
教頭が言った。
「だが、これはパソコンで書かれた字だ。犯人の情報は一切つかめない...。」
そのころ工場では、
「私好きな人がいるの。」
りえが言った。
「だれだ?」
玄が周りに人がいないかを確かめて言った。
「敢君が好きなの。」
「敢が好きなのか。」
「どうやったら敢君にうまく告白できると思う?」
「どうしようか...とりあえず今日の夜一緒に考えよう。」
「いてててて...みんな大丈夫か。」
良太が言った。
「大丈夫。ここは...」
有季が言った。
「洞窟の奥に入っちまったみたいだな。」
一樹が言った。
「宝はねぇしよぉ。」
あきらががっくりして言った。
「とりあえずロープを使って上にのぼろう。」
「ああ。」
「誰かのぼって上からロープを下げられるか?」
敢が言った。
「俺がやる。」
勝平が言った。
「お前大丈夫か?」
良太が言った。
「ああ!大丈夫!」
勝平はもたつきながら岩を上った。
「よっしゃ!頂上に着いたぞぉ!」
勝平が宝くじの1等が当たったかのごとく喜んだ。
「たった3mだぞww」
勝平はそばにあった河川敷の松の木にロープを結びつけるとロープを下に投げた。
「ナイス勝平!」
良太が言った。
「よし!ここに見つからないような床を作って荷物を置こう。」
「工場から鉄パイプを持って来ようぜ!」
「おう!」
その日の夜ごはんは雑炊だった。
「あったけえなぁ。」
良太が言った。
「やっぱりえは料理がうまいや。」
敢が言った。
「じゃあ寝ようぜ。今日の見張りの当番は玄とりえだ。頼んだぞ。」
良太がいった。
「分かった。」
歩き出した玄とりえは話し出した。
「じゃあ敢に手紙を書いて渡すってのはどうだ?」
「いいわね。」
「じゃあ俺が見張りやっといてやるから手紙書いとけ。」
「ありがとう。」
りえは手紙にこう書いた。
―上田敢さんへ
 私は敢君のことが好きです。
 もしあなたの方も私が好きでいてくれているのならあしたの昼12時ごろに工場の倉庫に来てください。
 末村りえより―
そして手紙を寝ている敢のポケットに忍ばせた。

四章 陣地拡張
 「だんだん下水道の臭いなんか気にならなくなってきたな。」
敢が言った。
「あきらおきろ~」
隣で一樹の声が聞こえてきた。
「よし!じゃあ今日から洞窟の改装作業を行うぞ。」
「先生たちは結構慌ててるわよ。」
盗聴器係の冷香が言った。
「OK。帰りたいやつはいるか?」
良太が言った。
「絶対に帰りたくない。」
悟が言った。
「じゃあとりあえず下水道で洞窟まで行こう。残りたい奴いるか?」
良太がきいた。敢とりえが手を挙げた。
「敢。どうしたんだ。行くの怖いのか?」
一樹が言った。
「そんなことねぇよww。でも今日はちょっとやめとく。」
敢が言った。
「私たちも残る。」
有季と冷香が言った。
「ふうん。まあいいや。じゃあいってくる。見張り頼んだぞ。」
良太はそう言って下水道の中に入っていった。
昼12時敢は工場の倉庫に行った。りえは音がしたので外を見ると敢がいたので
「ここに居るわ。」
と言った。
倉庫の中はとても暗かった。
「俺のこと好きだったのか。」
女子と付き合ったことがないので話し方が下手である。
「うん。あなたも好き?」
りえが言った。
「...ああ。」
敢が言った。
「私が敢君のこと好きでいること誰かに話した?」
りえが不安そうに聞いた。
「そんなことしてないよ。」
敢が言った。
「敢くーん!どこにいるの?男子たちがご飯食べに戻って来るからご飯作りましょ。」
「行こう。」
「うん。」
二人の会話はそこで終わってしまった。
「結構いい拠点になったよ。」
悟が言った。
「すごい!また見せてね。」
冷香が言った。
「すぐにでも...と言いたいとこだけど先にご飯が食べてえな。」
あきらが言った。
「もちろん!料理を作っておいたわよ!」
有季が言った。
「よし!じゃあ拠点へ連れてってやる。今度は一樹とあきらに見張り頼めるか?」
「OK!」
「すごいじゃない。ちゃんと泥で入口は隠してあるし。」
有季が言った。
その時急に無線機が鳴った。
「なんだ!?」
『良太!有季の親父が家出について先生に話したぞ!』
あきらが無線機で言った。
「ここが見つかるのも時間の問題だな。」
良太が言った。

五章 襲撃
 朝早くにジョギング後のタンクトップの小学一年生が学校にやってきた。
「こんな朝早くにどうしたんだい。はあ。良太達はそんなところにいたのか。」
小学一年生の目撃によって先生は良太の居場所をつかんだ。
朝6時。教師たちが有季の親とともに工場にやってきた。
「君たち!家出なんてつまらん真似はいいから出てきなさい!」
教頭が言った。
「有季!良太と付き合うなと言っただろう!」
有季の父が言った。
「有季ちゃんはそれが嫌だから来たのよ!無理やり押し付けないで!」
冷香が言った。
「あんたたち!あんたたちみたいなただの友達と違って私たちは親よ!
 有季への教育に偉そうなこと言うんじゃないわよ!」
有季の母が言った。
「お父さんとお母さんが許してくれるまで私は帰るつもりはない!」
有季が顔を出して言った。
「このバカ!」
有季の父が言った。
「いくよ!」
有季の母が言って工場の塀を上り始めた。
「みんな!塀の上にとげ付きの策を取り付けろ!早く!」
全員が塀にとげ付きの策をねじで取り付けた。
「あの悪ガキども!」
教師も寄ってたかって棒でその策を倒そうとした。だがねじ5本で止められている策はほとんど動かない。
「こいつらぁ!」
校長がコンビニで買ったかんしゃく玉150個を一気に塀の中に投げ入れた。
「くそ!かんしゃく玉か!」
良太達は必死でそれを避けた。
「お返しだ!」
あきらが工場の中にあったセメントを袋ごと外に放り投げた。
「うわぁ!」
外の地面に強く叩きつけられたセメントの袋は破裂し全員の服と体を灰色にしてしまった。
「一旦撤退しよう!これ以上やられるとまずい!」
「どんなことになっても知らんからな!」
有季の父が言った。
「有季ぃ!」
有季の母も叫んだ。
「やったぁ!」
全員が歓声を上げた。
「校長も、かんしゃく玉は卑怯だぜ!」
あきらが言った。
「でも多分また来るよ。」
有季が言った。
「わたし、喋りまーす!」
りえが言った。
「どうしたんだ?」
良太が言った。
「言いたいことがあって...捕まったらもう言えなくなるから今のうちにって思って。」
「いいじゃん!」
「敢くん!好き!」
りえが言った。
「えぇ!?まじで!?」
玄が言った。
「初めて会った日からかっこいいなって。でもいつも先生に怒られてばっかりで...でもずっと笑顔だし。
 ずっと成績が良かったからかそんな人の仲間に入っていいのかなって。成績がいいとみんなにかっこつけだって
 いわれるのが怖いし...」
「そんなことはねぇよ。おれは今日ここに居る奴はみんな気に入ってる。」
「じゃあ今度は俺の番だな。有季!俺もお前のこと好きだ!」
良太が言った。
「え!?」
有季が言った。
「おれが有季の学校へ行ったとき、他のみんなはほとんど話しかけてこなかったけど有季だけが俺に気を使ってくれたし
 俺と話をしてくれた。その時思ったんだ。絶対に有季や他の奴らと一緒に楽しいことやりたいって。」
良太が言った。
「今日その夢がかなったな!」
敢が言った。
「絶対に楽しみたいよな!」
良太が言った。
「うん!」
有季が答えた。
「じゃあここでの生活が楽しいってこと親たちに知ってもらわないとな!」
「おう!」
「みんな!写真とるよ!」
悟が言ってカメラを構えた。
「絶対勝つぞ!」
「おー!」

六章 強行突破
 「どうする?大人たちがチェーンソーを持ってくるらしいわよ。」
冷香が言った。
「どうするっつったって戦うっきゃないっしょ。」
良太が言った。
「もうちょっといい方法ないの?」
有季がきいた。
「じゃあ打ち上げ花火を上げてみるか。校長たちも一緒に。」
敢が言った。
「大丈夫か?」
一樹がきいた。
「大丈夫だって。とりあえず飯でも作って食おうぜ。」
敢が言った。
その時急にウイーーンと音が聞こえた。
見ると教務主任の矢沢が塀をチェーンソーで削っている。
「私たちは安全にこれを取り壊したいのであまり無茶苦茶にしないでくださいよ。」
業者の人が言った。
「君たち!いい加減に出てきなさい!少しは親の都合も考えたらどうかね!」
外から校長の声が聞こえてきた。
「あなた達こそこっちの都合も考えたらどう?」
有季が言った。
「君は先生に向かってそんな口を利く子じゃないだろう!」
教頭が言った。
「バーカ!有季はこっちに居たいんだ。引っ越すんならさっさと引っ越したらどうだ?」
あきらが言った。
「お前たちぃ!」
校長が叫んだ。
「有季!あんたいつまでそんなとこにいるの!もう気は済んだでしょう!」
有季の母が言った。
「何回行ったら分かるのよ!私が良太君と友達でいたいからよ!」
有季が言った。
「あいつら...!ふざけやがって!」
矢沢がチェーンソーによって空いた穴から中に押し入った。
「逃げろ!」
良太達はおもちゃの打ち上げ花火を矢沢に放った。
「ぐっ!校長先生達も!」
校長たちが一斉に中に入ってきた。
すると良太達は一瞬で壁の方へ追い詰められてしまった。
「お前たち!勝手な真似ばかりしおって!」
「俺たちの勝手じゃねぇかよ!」
敢が言った。
「君たちは勉強も家族も捨てて一体何を得たんだね。こんなことしてて何が楽しい。」
矢沢の言い方はかなりオーバーだ。
「楽しい以外の理由でやるもんか!」
悟が言った。
「もういい。有季を除いて全員縛り上げろ!」
校長が言った。
「すまねえ!俺のせいで...!」
良太が言った。
工場の一室の真ん中の机を囲んで縛られた有季と有季の両親が座った。
「気持ちはよくわかる。」
有季の父が言った瞬間、
「分かるわけない。」
有季が言った。
「有季にいい子に育ってほしいのよ。」
有季の母が言った。
「有季が良い人間になるには良太君は邪魔なんだ!」
有季の父が言った。
「なんで?」
「良太君が初めて来たときのことを思い出して!来て早々先生に怒られていた。あれが生徒?
 有季にはあんな人間には育ってほしくないの。」
有季の母が言った。
「良太君のことを悪く言わないで!」
「このバカ!」
有季の父が有季のことを殴った。
倒れてもロープで縛られているので動けない。有季は泣き出してしまった。
そして昨日撮ったばかりの全員の集合写真をびりびりに破いてしまった。
「有季!お前にはもう選択肢はないんだ!良太と別れ、真面目に社会に出るしかないんだよ!」
有季の父が言った。
「有季...!」
良太はロープを必死で解こうと体を揺らした。
「もう引っ越しだ!急げ。」
有季の父が有季の母に言った。そして有季を担いで建物の外に行ってしまった。
「良太!帰るわよ!」
良太も母に引きずられて家に帰った。
次の日の引っ越しのお見送りに良太は来なかった。

終章 ポケットのメッセ―ジ、そして...
 「折原さんさようなら!」
有季の両親は知人からのお見送りを10分ばかり受け、駅へと歩いて行った。
電車がかわらの上を通るともう隣の市である。
もうすぐかわらというその時、
「良太君...!?」
そこには良太が走っていて手に紙を持っていた。
その紙には「ポケットポケット...」と書いてあった。良太はその紙を上に掲げると大きく手を振った。
そこで有季は驚いた顔でポケットの中を見ると、手紙が入っていた。
―有季へ
 有季が遠いとこに行っちゃうなんて悲しいよ。
 いままで春休み前や自然学校や修学旅行とかいろいろやってきてすっごく楽しかった!
 有季が俺に声をかけてくれたから俺に今の13人の友達ができた。そんな有季は正直引っ越してほしくなかった。
 でもいつかどこかで会おうな!
 良太より―
それと一緒にキャンディが入っていた。
「またどこかで会えたらいいな...良太君。」
有季はキャンディの味が消えるまでずっとキャンディをなめ続けた。

それから10年後、良太が働きに出ると一樹やあきらのことを忘れかけていた。
その時良太と一緒に入ってきた新人がいるときいた。
「誰だろうな。」
「折原有季です!」
「え...!」
良太は動けなくなった。
「有季って昔超絶小学校にいた...?」
良太が休憩中に聞くと、
「やっぱり良太君じゃない。ずっとここに居てくれたのね。」
有季が言った。
「手紙ありがとう。私も良太君と結婚したくて親から逃げてきちゃった。ふふっ。」
「一樹たちとも会いてぇな。」
良太が言うと、
「私は一度会ってきたわよ。一樹君は近くのラーメン屋で働いてる。
 冷香ちゃんはピアノの先生、悟君は漫画家、あきらくんは塾の先生をやってたわ。」
「意外だな。あきらが塾の先生?」
良太が笑った。
「そうよ!ここから楽しくなるわね。結婚するならまた家を買わなくちゃね。」
「そうだな!」
「じゃあ仕事終わったら会いに行きましょ!」
有季が言うと仕事を一瞬で終わらせた。両親にエリート高校でしごかれただけある。
「じゃああきら君誘いましょ。」
有季が言った。
その後良太と有季はあきらと悟と冷香を誘い、一樹のラーメン屋に向かった。
「らっしゃい!お!良太じゃん!元気にやってるか?」
一樹がきいた。
「ああ!」
「悟君とあきら君も来てるわよ。」
「よっしゃ!今回は俺のおごりだ!」
一樹が言うと厨房に入っていった。
「良太君からもらった手紙よ。」
有季はそう言って良太が有季に渡した手紙を差し出した。
「覚えててくれたんか。本当に俺と結婚してくれるか?」
良太がきいた。
「喜んで!」
有季が言った。
「めっちゃ話進んでるじゃん!俺のこと忘れないでくれよ!」
一樹がラーメンを2回に分けて運んできた。
「絶対幸せにしてやるからな!」
良太が言った。

      終わり


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