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コメディ・ライト小説(新)
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- 成山君と鮫中さん 5
- 日時: 2022/11/23 11:03
- 名前: くろのも (ID: XL8ucf75)
ある日、成山君は鮫中さんを見かけました。
先日教室に来た男子と楽しそうに並んで帰っていく鮫中さんを、成山君は遠巻きに眺めます。
かの男子が鮫中さんの兄だとは露知らず、彼の心の傷は開いていくばかり。
握りしめた鞄の持ち手が、ギギッと苦しそうな音をたてました。
「おっ、瑠威!」
笑顔で駆け寄って来たのは、彼の幼なじみ、坂城 亮君です。
そばまで来た彼に、成山君は弱々しい笑みを向けました。
成「やぁ、亮くん」
坂「ん?なんか元気なくね?どうしたんだよ?」
友人の異変にいち早く気付いた坂城君は、成山君の視線を追いました。
男子生徒の隣で笑う鮫中さんを見つけ、坂城君は、顔をしかめます。
「うっわ、リア充滅びろ」
――――リア充。
坂城君の口から飛び出た無意識な言葉に、成山君は心をえぐられました。
(やっぱり、そう見えるよね)
無言のまま歩き出した成山君を、坂城君は、「あっ、おい、待てよ!」と追いかけます。
どうせこの恋は、上手くいかない。
だから、傷付かないように諦めるしかない。
いつしか成山君は、そう考えるようになっていきました。
- Re: 成山君と鮫中さん 5 ( No.1 )
- 日時: 2022/11/23 11:09
- 名前: くろのも (ID: XL8ucf75)
追記
(ん?成山君……?)
その頃、鮫中さんは成山君の姿を見つけていました。
「成山く…」
声をかけようとして、言葉が消えていきます。
『いないことは、ない、かなぁ…』
いつかの彼の顔が、頭をよぎったからです。
(ダメ。成山君の好きな人は、私じゃないんだから)
うつむいた鮫中さんは、成山君のことを考えないようにしながら、早足で兄の元へと急ぐのでした。
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