コメディ・ライト小説(新)

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プラネット・ホットライン
日時: 2023/01/01 12:25
名前: むう (ID: viErlMEE)

『こんにちは。こちら【オート―星】。
 なぜかほかの星の電波も全部受け取ってしまう星です』
「……セキュリティ大丈夫?」
『知りません』

 この空のどこかにある、とある星【オートー星】の
 ちょっと変わったSFショート・トーク・ファンタジー。
 あなたの元にも、電話が来るかもしれません。
 ――――――――――――――――---

 はい、むうです。
 前の作品をまたゴミ箱送りにしてしまった人間です。
 もう私なんかが書いてもどうせ没だ……と思っていたらなんと、弟(日影@hikage)が小説を書き始めました。楽しそうに書いてます。
 ヤバい、何か書きたい。しかもなんか今大会やってるし。書きたい。
 そしてどうせなら今まで書いたことないジャンル書きたい。

 よし……今回はSFファンタジーにしよう。
 そしてとりあえず三話くらいで完結させてしまおう(保険かけるな)。

 弟・日影の方の小説もよろしくお願いします。

 ―――――――---

 【もくじ】
 ※この小説は会話だけで物語が進みます(電話なので)※

≪こちらはオートー星。あなたの星を教えて下さい≫

 1★「オートー星」>>01-02
 2★「優等星」>>03 「リーダー星」>>04
3★「異世界転星」>>05-06 「劣等星」>>07
 

Re: プラネット・ホットライン ( No.3 )
日時: 2022/12/29 11:50
名前: むう (ID: viErlMEE)

【優等星】

 「こちらオートー星。オートー星。応答願います」
 『はいマスター。新たな電波を確認しました。こちら優等星、管制室のヒメラギです。そちらは?』

 「おや、そちらもカウンセラーですか」
 『カウンセラーじゃない。星の機密情報を守る組織だ。いきなりほかからの電波が届いた。お前は誰だ』
 「僕は、オートー星で、カウンセラーをやっています。シツ・レイといいます」

『ひどい名前だな。私のとこでは、失礼という言葉は常識のない人の事をいうんだ』
「なんと……。そちらの星の名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
『こちらは【優等星】。ここらでは一番発展している星だ。住民はみんなIQが高く、飛び級なんて当たり前。お金は回るから経済にも困らない』

「それは素敵ですね」
『お前んとこは違うのか?』
「オートー星は、まだ出来立てほやほやの星です。なので情報管理がうまくいってません。その装置が故障して、今は色んな星の電波が一度に送られてきます」


『それはやばいね。その点、こっちはきちんとしてる感じかな』
「ヒメラギさんも、きちんとしておられますね」
『うちの星では【きちんと】するのが当たり前だ。服にホコリが一つでもついていたら部屋には入れない』
「手厳しい」

『くわえて出来の悪い人がいたら皆でいじめるんだ。だからみんな一番になろうとする。それでこんな名前がついたんだと』
「あら……それはなんというか。うちの星は投票制でしたので、名前が」
『投票制!? 投票制にしてはなんともダサ……ゴホンゴホン』
「ヒメラギさん!? どうしました?」
『なんでもない。話を続けよう』


 ―--------

「しかし、それだけ競争が激しいとなると、色々生きづらそうですね」
『まあな……。でも私は皆に比べるとそこまで頭がいい方じゃない。なんとか生き残ってるって感じだ』
「なるほど。あ、コレ聞くの忘れてました。足のサイズっていくつですか?」

『……前に一回同じことを聴いた奴がいるんだけど、なにそれ流行ってんの?』
「それ多分うちの同僚です。ということははじめましてじゃなかったかな。相手がどういうからだつきなのか調べるための暗号みたいなもんです」

『ふつうに人型タイプだよ』
「おっとレアではないか」
『ゲームみたいに言うなよ。足のサイズ? はかってないからわかんないけど多分小さいよ』
「了解しました。ちなみにヒメラギさんってなにか能力とかはあるんですか?」

『は?』
「前担当した人は、数メートルのハイパージャンプができるみたいでした」
『それ人じゃないだろ……多分。私はなにもできないよ。逆にお前はどうなの』
「言葉の力で相手の頭を痛くできる能力に目覚めました」
『大問題じゃねえか』



【X月X日 シラン人 優等星のデータを記録】

Re: プラネット・ホットライン ( No.4 )
日時: 2023/01/06 11:56
名前: むう (ID: viErlMEE)

 【リーダー星】

 「こちらオートー星、オートー星。応答願います」
 『はーいこちら夢幻屋……なにこれ迷惑電話?』

 「おっと、切らないでください」
 『あー、依頼? めんどくさい依頼は断るよ。要件は?』
 「いきなりすみません。僕はシツ・レイ。オートー星のカウンセラーです。うちの星は他の星の電波が一斉に……ああこの長すぎるセリフ疲れるなぁ……一斉に、送られてくるのでこうして対応をしているんです」

 『ふうん。要するに宇宙人か』
 「話が早くて助かります。そちらはどういった星ですか?」
 『星っていうより……街? ちょっと変わってるんだけど。あ、うちはその街の探偵屋です』

 「探偵さんですか。それはいいですね。貴方のお名前は?」
 『あー、一応リーダーやってます。くわって言いますけど。今日はほかの子は皆出かけてて、部屋にはボクだけだったから電話出ました』


 --------

 「桑さんですか。よろしくお願いします。僕はシツ・レイです。おかしい名前とよく言われますがそうなのでしょうか」
 『あはは、大丈夫。うちの街にはもっと変な人々がいっぱいいるよ。それこそきみみたいな宇宙人だっているし』
 「あら、やっぱり星では」
 『ちょっと特殊でね。まあそういう街だからさ』

 『うーん、でも依頼じゃないならなに話そうねぇ』
 「そちらのことを教えて下さい」
 『あはは、うちのこと? うちは、夢の住民が集まる街だよ。きみ、今日なんか夢見た?」
 「ハイパージャンプできる男の子が出てきました」
 『ハイパージャンプ……。まさかな……。きみの夢に出て来た場所が、この街にはあるんだ。きみが言うハイパージャンプの男の子も、いるかもしれないね』

 「つまり夢の国ですか? ネズミですか? 昔、地球という星のギャルという人たちが『ゆめかわ』とおっしっていましたが」
 『いろいろ突っ込みたいけど、そんなことかな~』
 「なんかワクワクするところですね」
 『好奇心とノリで営業しているようなもんだからね。うちは。そういう探偵屋です』
 「おっと口癖が盗まれてしまいました」


  -----------
 

 「それで桑さん。あなたの足のサイズを教えてもらえますか」
 『………ほおほお。足のサイズを教えることによって体系を把握するんでしょ?』
 「通じる人初めてです」
 『あ、マジで? ボクってすごー!  えー、いくつだろ。23くらいかなあ? 年齢の割に身長低いのがコンプレックスで……あ、ちなみに16なんだけど』

 「なるほど。僕の足のサイズは13です」
 『へえー。13…………13!? きみ何歳!?』
 「今年で七歳になりました」

 『……………ま、じ、か………。七歳か。七歳のカウンセラー。あー、うんうん。きみの星では成長速度が遅れてたりとかは』
 「いえ? しません」
 『おっと。ちょっとボクの色んな常識がこわれた音がしたぞ。これみんなが聞いてたらどうしてたかな……。あの子達の反応も見たかったなあ……』

 「どうしました?」
 『ああいや、世界は広いなあって思ってさ。また機会があればうちにも来てよ』
 「来れたら来ます」
 『はーい。あ、あとひとついい? 君が言ってたハイパージャンプの子って、もしかしてうちの後輩かもしれない』
 「世界って狭いのか広いのかわかりませんね。勉強になりました。つまり大は小を兼ねると言うことですね……あ……す……」


 『あ、それ基準で話しちゃダメだよ。ここが特殊なだけだからね……って、切れてるし……。あ、おっかえりー、いやあね、さっき宇宙人から電話が来てねぇ。うんうん」



 【X月X日 しらん街の探偵屋・夢幻屋のデータを記録】

※夢幻屋のお話は、カクヨムにあります!
 良かったら見て見て下さいね!



 

Re: プラネット・ホットライン ( No.5 )
日時: 2022/12/31 15:56
名前: むう (ID: viErlMEE)

 【異世界転星】

 「こちらオートー星。オートー星。応答願います」
 『……なんだこれは。【スキル】発動時の謎の声か!?』

 「ちょっと何言ってるのかわかりません」
 『ほほお。こういうのはだいたい訳わかんなくなるのはこっちなんだが、どうやら今回は逆と見た』

 「こちらはオートー星。シツと申します」
 『そしてそして、大賢者とか小賢者に名前があるパターンね。はいはい。うわー、ラノベの読み過ぎでどんな展開にも対応するボクやば』
 「全然対応してないですよ。らのべとはそちらの言語ですか?」

 『は? あーはいはい。またそうやってはぐらかして。そうだよな、だいたい皆そうやって一旦引くんだよ』
 「僕は違う意味でちょっと引いています」
 『さあ早くスキルくれよ。そんでよお、美少女とキャッキャウフフしてよお、なんかこう、和気あいあいとしたいわけよ!』


 「話が見えてこないのですが、そちらは何という星ですか?」
 『知らないよ、こっちが聞きたいよ。なんか、車に轢かれて異世界転生……ってよくある王道じゃん。でもボクが轢かれたのはなんだと思う?』
 「なんですか?」
 『三輪車だよ! 子供が横断歩道渡ろうとしてて危ないから駆け寄ったら肘に激突したわけ! その衝撃で車道に出て車にはねられたわけ! つまりあれだ……二次災害なワケ』
 
 「ええーと、話を整理するとあなたは事故られたというわけですか?」
 『そうだよ。まさかのそっちが異世界転生知らないパターン?』
 「僕はオートー星の住民です。大賢者? ってなんですか?」
 『え、待って宇宙人? リトルグレイみたいな?』
 「リトルグレイもわかりませんが……ま、そんなもんです」
 『うーわ、やべぇ。嫌な予感しかしないんだけど。あれだろ? スキル【触手】とかで、某漫画の先生みたいにタコになるんだろ? そういう能力を与えるつもりだろ?』


 ―――――――――ー

 「僕が与えられるのは多分コミュニケーションスキルくらいのものです」
 『コミュ障なめてんの?』
 「でも今は流ちょうに喋っておられますが」
 『オタク特有の早口って奴だよ空気読めよ! ……あ、相手宇宙人だった……。マジで宇宙人なの?』

 「そちらのくくりで言えばそうなります」
 『マジか……』
 「つまり要約するとあなたは自分のいる場所の名前も知らないと」
 『マジで何も分かんない。白い空間に横になってる。多分この後かわいい女の子オアあやしい集団が出てくると踏んでいたところにお前の声だ』

 「なるほど理解できません」
 『……てっきり神かなと思ったんだけど、そうか、リトルグレイか」
 「多大な誤解を生んでそうなのですか……」
 『そうだよね。まず文化が違う。ラノベもなにもないよな。ラノベっていうのはな、ふとしたことに男の子が車にひかれて、知らない場所で知らない女の子とイチャイチャする話のことだよ』

 「………ふとしたことでなるようなものなんでしょうか」
 『ファンタジーだからそこは突っ込まないでよ』
 「え、事故ったのになぜあなたはまだ生きているんですか?」
 『あー、そこからか!? そうだよな、そういう話の流れだったよ!』

  ――――――――――ー

 「あなたの話をもっと聞きたいです。貴方のお名前は?」
 『田口だよ』
 「……奇遇ですね。この前、同じ名前の人と話しました」

 『……ボクの弟がなんかブツブツ言ってたけど、もしかして足のサイズが何とか……』
 「それ僕です」
 『――――は!? マジで? なに、兄弟そろって呪われてんの? 【電話に出ただけなのに】と【転生したら大賢者が宇宙人だった件】で全国上映できそうだよ』
 「……わけがわからないよ」
 『【宇宙少年 マジカ★マジカ】も上映決定! ……ってなるかああ!』

Re: プラネット・ホットライン ( No.6 )
日時: 2022/12/31 15:59
名前: むう (ID: viErlMEE)

 【異世界転星】その2

 「つまり貴方方『田口』さんは兄弟そろって僕からの電話を受けているということですか」
 『そのうえ弟は無事テスト赤点取ったし、ボクは異世界転生したあげく……いや、まだ転生してないから転移? ま、どうでもいいけど宇宙人と会話してる。ふつうないよこんなこと』

 ―――――――ー

 「いやあ、僕もよみがえった人からの電話なんて初めてです」
 『あのな、異世界転生ってのは、死んだと思ったらちがう場所で寝てて、神から特殊能力を与えられて、仲間作って魔王を倒すってのが主流なの』
 「田口兄さんはなぜ、そんなに物知りなのですか? ご自分が死ぬことを理解していたのですか?」
 『そーだよ漫画の読み過ぎ! 冴えない陰キャの高校生! ワンちゃんあるんじゃねと思ったら本当に現実になった。現在ちょっと転移する世界がおかしい系ラノベの真っ只中にいる』

 「情報過多です」
 『そりゃこっちも同じだよ。なんか毒気が抜かれた気分だ』
 「特殊能力って話ですが、その神とやらはまだ来てないのですか? だったら異世界転生? ではなく、貴方のいる場所は地獄か天国か……」
 『やめろ夢を壊すな。実際一時間くらい経ってるけど』
 「……神などいないのではないですか」
 『やめろ、それ以上は自分が本当に痛い奴になるからやめろ』

  ――――――――ー
 
 「もしかすると魔王? のポジションが僕だったりします?」
 『……なにその冴えなさすぎるムーブ。あんまりだよ。論破で戦うんか? 宇宙人相手に?』
 「【スキル】 コミュニケーション、とか」
 『お前無駄に話対応するのやめろよ。傷をえぐるな。そして伏線を回収するな。すごいぞ回収しても虚しさしかない』

 ――――――――――ー
 
 「うーん、らのべ? ってやつは分かりませんが、僕の星にも主人公と仲間が悪を倒す話はあります」
 『マジ? どんな話?』
 「主人公が持ってるのは【対応力】という能力です。舞台は白いお部屋。敵さんは、ちょっとイラッとくる言語で攻撃を仕掛けます』
 『……ん?』
 「主人公とその仲間は、【対応力】で敵をやっつけます」
 『え、待って、クレーム対応じゃねそれ。いやいや、全然華もないストーリーじゃん』

  ―――――ー

 「生憎セキュリティに難のある星ですので、結局は言葉で封じ込めるしかないんですよ……」
 『哀愁を漂わせるな。コミュ障の傷が増えるからやめて。ことごとく失礼だねお前。弟から聞いてるけどマジで失礼。天然? っていうか、なんだろう、悪意のない言葉づかいがなんかなあ、心にこう、グッとくるんよ』
「【スキル】かどうかは知りませんが、僕は、自分の話がシラン人の体調不良につながるらしく」
『これが【コミュニケーションスキルに難のある】ってやつか……いや、一周回って怒りもないな』
「怒られると僕も困ります」

 ―――――――

「それで田口兄様。神はどこにおられますか? もしよろしければその、大賢者とやらのデータも取りたいのですが」
 『神はボクを見捨てたようだ。すげえ、言葉並びはめちゃくちゃかっこいいのに、めちゃくちゃダサいぞこれ』
 「美少女とやらは、どこにおられますか? キャッキャウフフの意味を拝受願いたいのですが」
 『二次元の中にしかいなかったみたいだ……」

 「……貴方のいる場所のお名前を、今一度確認したいのですが」
 『多分地獄だ。それかあれだ、【無駄に三輪車にはねられた男子高校星】だ。絶対これ異世界転生じゃない。ひどすぎる』
 「んじゃ、【異世界転星】としておきますね。グッドラック。……すみません僕は地獄には行けそうもないや」
 『また電話がかかってきたら、そんときは多分地獄でキャッキャウフフしてると思うから、こうご期待ってことで』
 「……その際もまた寝そべったままだってセンはないでしょうか」
 『そん時はまた、グッドラックって励ましてくれよ大賢者』


 【X月X日 シラン星『無駄に三輪車にはねられた男子高校星』を記録】
 

 

Re: プラネット・ホットライン ( No.7 )
日時: 2023/01/01 17:30
名前: むう (ID: viErlMEE)

 【劣等星】

 ※今回はヒメラギさんsideです
  ヒメラギさんは女の子です。
 
 「こちら優等星。ヒメラギです。そちらは?」
 『こ………こちっ、こちら………』
 「あれ、電波悪いかな。マスター、電波の確認をお願いします」
 『いやあの……僕の声が小さいだけですので、すみません……』

 「大きな声で話してもらえると嬉しいのですが」
 『あの………す、すみません……。話すのが苦手で……あ、あのわだッッ』
 「焦らなくて大丈夫ですよ。ゆっくり、深呼吸してください」
 『……スゥ。ハァ。……だ、大丈夫です。よ、用件は……なんでしょうか』
 「こちらは優等星。定期的にほかの星と交信してます。こちらは管制室。まあ、星の市役所みたいなところですね。私はヒメラギ。ほかの星との受信をするのが仕事。そちらはどんな星でしょうか」

 『ひうっ、ぼ、僕……あの、ミクルっていいます……』
 「ミクルさん? お仕事は何をされてるんですか?」
 『そちらと同じで……カウンセラーっていいますか。なんか、その、兄がやってたので、必然的に自分も……あの、女の子みたいな名前ですけど……お、男で、その、こっちは……【劣等星】です』
 「ミクルくんですね。よろしくお願いします」
『あ、はい……お願いします……。すみません新年一発目の交信が僕で……ほんと、すみません』
 「(自己肯定感が低い子だな)い、いえ、全然。お構いなく」

 ―---------


 「【劣等星】は、どんな星ですか?」
 『……自信が、ない人がその……大半です』
 「自信がない?」
 『星をおおう特殊な空気の成分で……やる気がそがれ……何をするにも億劫になって……自分にはなにもできない、そう考える人が自然と増える……そんな星です』
 「(うちの星とは正反対だな)なるほど」
 『ゆ、優等星のお話は、自然と入ってきます。……すごいなって、みんなのあこがれです。向こうに移りたいって考える人もいます……』

 「それはやめた方がいいです。この星はお勧めしない。生きにくい星ですし」
『そそそ、そうですよね。そういうのも、よく聞きます……。でも、なぜかみんな、違う星に移りたがるんです……。向こうなら、上手く行くかもって、思うらしいですね。近く、住民移住計画も発表されるようで』
「(そりゃ、劣等感抱えたままだと苦しいよな……。私もできることなら違う星に行きたいし)」

 ―-------

 「ミクルくんはどこかに移る予定ですか?」
 『……いえ、僕なんか、どこへ行っても足手まといになるだけです』
 「そんなことないと思いますが。現に、こうして頑張って仕事をやってるし」
 『そうでしょうか。……僕、なんか、ほんと……。達成感なんて感じたことないですよ』
 「私もそうですよ。上には上がいることを毎日感じています。頑張ったつもりでも周りは自分以上に成果を出している。それが嫌になる日もあります」
 『……僕も、なんでこんな仕事、続けてるんだろって、たまに考えます……』

 ―----------


 「オートー星という星を知っていますか?」
 『オートー星?』
 「まだ発展途上の星ですが、あの星は私らの星とは違うオーラがあります。カウンセラーの中に一人、ヤバい奴がいましてね」
 『お、お知り合いですか?』
 「知り合いと言うか、受信の相手がたまたまそいつでして、なんか向こうが私を気に入ったようで、休日毎日電話がかかってきますよ」
 『……その方は、どんな方ですか?』

 「頭のねじが外れまくっている、失礼極まりない、会話が全てどこかずれている、そういうやつです」
 『……そ、そんな方で大丈夫なんですか?』
 「あいつの失礼さは、ムカつくけどどこか救われます」
 『……え?』

 「あいつは失礼だけど、相手のことはちゃんと見ていると思います。ただ、他の奴より状況判断がちょっと遅れているだけです。」
 『そ、そうなんですか。……気になりますね』
 「移住するならあの星が一番いい。無駄に気負わず、リラックスできると思いますよ。まあちょっと、おかしいやつがたくさんいますが」
 『なるほど……か、考えてみます。ありがとうございます……』

 ーーーー
 
 『ヒメラギさんは、ど、どこかへ移ったり……されないんですか?』
 「移りたいのは山々ですが、この星全てが悪いわけでもなさそうですので。それに仕事が溜まってます。新年あけたら仕事ざんまいになる」
 『そうですか………』
 「お気遣いいただきありがとうございます」


 『あ、あの、ヒメラギさんっ』
 「なんでしょう」
 『あ、あの、僕……は、初めて人にお話、聞いてもらいました。そ、その……良ければ同じカウンセラーとして、と……」
 「と?」
 『ともだ……ともっ、ともだ……とっ、友達になっていただけませんか!?』

 「……友達」
 『と、友達が出来れば、僕、少しは……少しは変わるかも、しれない。少しは、変われるかも……話を聞いてくれるだけでいいです。それ以上はなにも……なにも望みません』

 「友達ですか」
 『……あああ、やっぱり無理ですよね。僕なんかが、そんな無責任なこと……すみません忘れて下さい申しわけないですちょっと樹海行ってきま』

「誰が友達にならないなんて言った? 勝手に自己完結しないでくれない?」
『え? ……い、いいんですか?』
「最近ではバディを組んでいる人も多いですよ。君と私、【優等星】と【劣等星】を足せば、プラマイゼロでいっちょ上がりじゃないですか」

『ぷ、プラマイゼロ……? いっちょ上がり……?』
「地球という国の言葉だそうです。良い言葉でしょ」
『……………………そ、そうですね』

 「というわけで今年もよろしくお願いしますよ、ミクルくん。あ、連絡先交換します?」
 『はひぃっ、よ、よろしくお願いします………』


 ―-------


 ★あとがきもといキャラ紹介★
 こんにちは、むうです。
『プラネット・ホットライン』閲覧ありがとうございます。

 こちらは私が小学生の頃、友達と「宇宙人からの手紙」という設定で、宇宙人になりきってノートに手紙(仮)を書いていました。
 それを数年ごしに物語にできるとは……すごいです。

 相変わらず個性的な人が多いですがよろしくお願いします。
 

 【プラネット・ホットライン の重要キャラクター】
 
 ●シツ・レイ
 →『オートー星』のカウンセラー。七歳(?)。
  丁寧な口調だが会話にやや難あり。
  類は友を呼ぶ……のかどうかはわからんが、
  対応相手もだいたいツッコミどころ満載の人が多い。

 ●ヒメラギさん
 →『優等星』のカウンセラー。女の子。年齢不明。
  めちゃくちゃ仕事が早い。頭もいい。多分一番常識人。
  シツからの迷惑電話が毎日かかってくる。

 ●ミクルくん
 →『劣等星』のカウンセラー。男の子。ヒメラギさんの友達
  話すのが苦手で内向きな性格だが根はやさしい
  シツと話すのが目標。

 ●田口兄弟
 弟(中学生) 兄(高校生、異世界転移中)
 シツからの電話を受け取った、悪運強すぎる日本人兄弟
 ちなみに兄の今後は作者も不明。


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