コメディ・ライト小説(新)
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- バイト先の護衛屋さん
- 日時: 2023/01/16 23:01
- 名前: 蠍蜘蛛 (ID: nRfTLgd9)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13592
こんにちは、蠍蜘蛛です。
文才が無いです。(not謙遜)
かなりスローペースでの連載になると思いますが、温かい目で見守ってくれると嬉しいです!
先にジャンルとあらすじを説明しておくので内容が自分に合っているかどうか確かめてから本文をお読みください。
───あらすじ───
親が死に、途方に暮れていた青年、立坂春樹(たちさかはるき)は、ひょんなことから自称『護衛屋』のバイトを始めることになる。
護衛屋総領の守屋(もりや)を始め、様々な個性的な人物たちに仕事を教わっていく春樹。
しかし、一方で怪しい動きを見せる男が居た──────。
頭のおかしい奴等が紡ぐアクション(?)コメディ!!
ジャンルはバチバチにコメディです。シリアスなんて言葉はこの話に存在しません。
あと、途中で投稿用の機種が変わると思います。そうしたらまた、お知らせします。
なんかもう言うこと多すぎて、なんだよって思われるかもしれないですが、キャラクターごとにイラストも投稿しようかな〜と思ってます。
むしろ、それがメインになる可能性すらあります。
ただし、絵の腕は三流どころか四流なので、期待しないでおいてください。
ということで、僕の初めての作品をお楽しみください。
ではでは!!
第一話「奇妙なきっかけの奇妙な邂逅」
親が死んだ。
特段悲しくは無いが、これから自分は如何(どう)なるのかという漠然とした不安は残り続けていた。
もう僕は高校を卒業している。親が死んだのが丁度、僕の卒業と同時だった。
親がいない寂しさよりも、学費が払えなくて大学に行けない淋しさの方が強かった。皆が楽しそうに燥(はしゃ)いでいる中、僕だけが喪服を着ていた。
こうしてみると、僕は随分と薄情で親不孝なようだ。今だって、これからの生活費は如何しようかと云う現実的な悩みで親の死を思い出したのだ。
普通は逆だろう。
借金返済に夢中だった親の遺した僅かなお金も、もう二ヶ月程度で尽きる。バイトでもしないと生きてはいけない。
と、街中を歩いていた僕の目に入ったのは、バイト求人の張り紙だった。
反射的に内容を見てしまう。
個人経営のラーメン店とよく解らない奇妙な風貌のお店の間の壁に張ってあるそれには、バイト内容が書かれていた。
「へぇ〜、『時給1000円以上で、一日6時間労働。接客を主にお願いします』か。バイトは高校生の時に一回したし……。そういえばその時も接客がメインだったなぁ。条件も悪くないし、これで試してみようかな」
張り紙には、奇抜としか言いようがない変な服を着た蜥蜴(トカゲ)が描かれていた。無駄に写実的で、ちょっと気持ち悪い。蜥蜴の雰囲気と、張り紙の位置がラーメンじゃない方のお店に寄っていることから、きっとこの変な店のバイト求人なんだと僕は思い込んでいた。
──────これが、失敗だった。
次の日。僕は早速、格好を整えて奇天烈な蜥蜴の前に来ていた。
横目に、募集のお店のこれまた奇妙奇天烈なロゴの看板を見る。
握り締めた手の中には、汗が滲んでいた。
「ふぅ〜!……よし!僕なら出来る!!」
覚悟を決め、店の扉を開く。
と───
「ああ、いらっしゃいませ……」
店の看板や風貌とはかけ離れたテンションで、一人の男性店員が僕に会釈をした。見たところ白髪が目立つ老人であったが、腰は曲がっておらず、格好のいい二枚目の顔で微笑を浮かべるその姿には、凛とした印象があった。
「あ、あの!僕、ここで働きたくて……!」
緊張のあまり、声が上擦ってしまった。何も、今日から働く訳ではないのに。これは僕の予想だが、バイトと雖(いえど)も大抵は当日中に働かせてもらえることは少ないんじゃないだろうか。精々、面接とかだと思う。
しかし、張り紙に電話番号が無かった所為(せい)もあって、所謂(いわゆる)アポという奴が取れていない。依って、僕は『わかったから明日にまたおいで』くらいの反応かと思っていた。
が。
「な、──────なるほど」
明らかに二枚目老人は困惑していた。アポを取っていないとはいえ、そんなに驚くものだろうか。
「えと───その───」
「──────解りました」
「え」
僅かな逡巡(しゅんじゅん)の後、老人は覚悟を決めたようにそう言って、僕に『こちらに来い』という意味であろう手招きをした。
すたすたと歩く老人のあとをついていくが───、これで、いいのか。
現在、僕は控室と思われる場所を通り越して、完全に裏方の場所にしてしまっている。しかも、あの老人の表情。気になるところが幾つもある。
そうして僕が通されたのは、白い机と椅子だけがあるこれまた白い壁紙の部屋だった。
老人は僕にお茶を出すと、一言断ってから部屋の外に出ていった。
待っていろということだろうが───、不安だ。
と、
「ええっ、マジですか!?」
「ハチハチ、どうしよう!?」
何やら二人の女性の声が聞こえてきた。相当慌てている。ハチハチとは何だろうか。気になる。
しばらくじっとしていると、今度は複数の大きな足音がこちらへと近づいてくるようだった。
「ねぇ、カゲ、どうすればいいですか、私!?」
「ぞぞぞ、存じ上げません!!指でも御詰めになったら如何です!?」
「あ〜、終わった」
相も変わらず大声で何かを話している。
すると、
バンッ!!!!!!
「うわぁっ!!」
轟音とでもいうべき大きな音が響き、僕は驚きで椅子から落ちた。
痛む腰を擦りながらに見上げると───、
「御待たせ致しました、こちらが我らが『護衛屋』総領の守屋優(もりやゆう)と側近の八蜂七(はちほうなな)で御座います」
焦りの表情とともに言う老人と、冷や汗ダラダラの二人の女性。
──────これが、奇妙な彼らと僕の出会いであった。
次回、第二話「土下座」
これからよろしくおねがいします!!