コメディ・ライト小説(新)

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2月の旅鳥
日時: 2023/01/27 20:13
名前: 此雨真狐 (ID: /m6A2I47)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13593

プロローグ
頑張る意味は無いんだって、私は4年生の夏に知った。
7月。夏期講習前クラス分けテストは上手くいき、無事塾内全国100位以内に入ることができた。ここは大手進学塾「clever kid」。クラスは成績順で決められており、私は年長の2月にここに入って以来ずっとトップのクラスである「λ1」を維持し続けていた。特に毎年、行われる夏期講習前クラス分けテストの成績はものすごく良く、約4000人の中で6位という好成績を残す事ができた事だってあった。しかし、そんな成績も、そう長くは続かなかった。4年生の春、新型コロナウイルスで学校も塾も休校となったのだ。ずっと家に引きこもるとなればそれなりに生活リズムが崩れていく。とうとう私は夏期講習後の月末テストで上から2番目の「λ2」に落ちてしまった。もちろん、それでも必死でしがみついた。「λ1」に戻れるように。でも、ダメだった。私はそのまま、上から4番目のiクラスに落ちた。初めてのブロック落ちだった。怖かった。このまま落ちて、落ちて、落ち続けるのではないか。堕ちて、堕ちて、堕ち続けて、母に
「受験は諦めなさい。」
と言われるかもしれない。怖い。怖い。やだ。やだ!これまでの努力を無駄にしたくない!
焦りと恐怖が混ざり合って、私は、目標を見失った。
あれ?なんで勉強してるんだろう?受験をするため?何のために受験をしているの?聖王立中学校に行くため?なんでそこに行きたいの?
なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?
頑張る意味なんてないじゃない。もう、疲れたよ。気づけば、勉強をしないまま、4年生も5年生も終わり、6年生になっていた。

これは僅かな希望を持って再度頑張ろうと足掻く、受験生と、その周りの人々のお話。

《主な登場人物》
小沢陽菜 おざわひな
荒海知華 あらうみちか
山岸結衣子 やまぎしゆいこ
水口恵里菜 みずぐちえりな
大越千歳 おおごえちとせ
植田冬也 うえだとうや
田中直哉 たなかなおや

《目次》
2月17日 新しい先生 >>01
2月19日 土曜日特別特訓 >>02
3月10日 行かないで(前編) >>03
3月22日 行かないで(後編) >>06
4月5日  6年櫻の宮野さん >>08
4月30日 全てにおいて無駄な行為>>17
5月4日 男子で勝手に妄想するな>>18
1月24日 お知らせ>>21
5月25日 高山先生デビルの重圧と仕返し>>22
6月4日 隣のクラスの田中くん。(起)>>26
6月9日 夜の鬱陽菜>>27


出来次第随時更新します。
初めは暗いけど最後は明るくなると思います。(多分)
それでは!

2月の旅鳥 ( No.1 )
日時: 2023/01/21 23:51
名前: 此雨真狐 (ID: /m6A2I47)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13593

2月17日(木)
「新しい先生」
久しぶりの「λ1」。お正月明けクラス分けテストでなんとか来れた。ところで、4年生の頃から算数B(テキスト)を担当していた増田先生が私達の担当ではなくなったらしい。増田先生は面白く、かっこいい先生であったため女子からの支持が大きかった。「λ1」の女子の大半は◯んでいる。でも、私ははっきり言って、どうでもいい。代わりの先生が算数A(テスト)の東先生や増田先生よりも面白ければいい。1ブロック下の吉村先生はやだ。解説が意味不明な事で有名だから。理科、算数Aと続き、ついに算数Bになった。来たのは...
「どーもー!」
はっきり言えば5、60くらいのおじさん先生だった。
「あ、堀川先生だ!」
大越さんが声を上げた。知っているらしい。
「あ、俺の事知ってるの?そう、堀川です。」
堀川先生が挨拶をした。後で知ったが、この堀川先生とは、凄い先生らしい。
「まぁ、そんな事はさておき、早速授業を始めますか!」
なんか、どうでもいいけど、めちゃくちゃポジティブ思考の先生な気がする...
「えっと、今日は、数の性質だね。東先生からテキストの説明はしてもらっているよね?それじゃあ早速3ページの大問3と4をといて。よーいスタート!」
先生は、黒板に貼られたタイマーは使わずに手持ちのストップウォッチで時間を測った。
「うわぁ、全くわからない!」
焦っている生徒たちもいるようだが、私は得意だからスイスイと解けた。あっという間に解き終え、見直しも終えた時、頭上から声がした。
「おぉ、小沢さん早いね。よし、じゃあ次のページ行こっか。」
その一言が、信じられなかった。早く終われば何度も見直し。それが当たり前だった私にとって、周りよりもテキストを進められるというのはすごく嬉しい事だった。タイマーがなった後の解説も面白かった。この先生の元でずっと学びたい。これが、今年度初めての「モチベーション」になった。

2月の旅鳥 ( No.2 )
日時: 2023/01/21 23:52
名前: 此雨真狐 (ID: /m6A2I47)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13593

2月19日(土)
「土曜日特別特訓」
今日から来年の1月23日まで土曜日特別特訓が始まる。
しばらくしたら、日曜日まで塾になるが、そうしたら学校の宿題が出来なくなるからかなりまずい。まぁそんなことはさておき、算数は堀川先生だろうか?まぁ堀川先生か東先生だろう。とにかく、大事な土曜日を潰されて落ち込む気持ちもあるが、少し楽しみでもある。

2月の旅鳥 ( No.3 )
日時: 2023/01/23 15:14
名前: 此雨真狐 (ID: /m6A2I47)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13593

3月10日(木)
「行かないで(前編)」
最近二人との間に距離を感じる。
私はいつも荒海知華ちゃんと一緒に総武線で帰っていた。知華ちゃんは面白く、私と同じ腐女子であったため、よくおしゃべりをしながら帰っていた。ところが、6年になって、2人の間に山岸さんが入ってきた。山岸さんはいつも、別の電車で帰っているのだが、知華ちゃんと一緒に帰りたいから、とかなり遠回りになる総武線を選ぶようになった。最初は山岸さんも知華ちゃんとくだらない話をしながら一緒に帰るのがよくてそうした行動をとっているのだと思っていた。しかし、違った。実は私は山岸さんと同じ学校であるのだが、ある日、クラスメイトに自慢話をしているのを見てしまった。
「私、ちかちゃんの親友なんだ!」
荒海ちか。それは、子役だった。しかも、父も母も芸能界ではとても有名な人で、ちかちゃん自身も有名で、よくテレビCMにも出ている。私たちが2、3年生の頃には紅白歌合戦にだって出た。どこの幼稚園、小学校でもちかちゃんたちの歌は少なくとも1度はかかったであろう。そういう有名人であった。
そう、山岸さんにとって知華ちゃんはアクセサリーだったのだ。「λ1」にいったことも両親が東大の医学部だということも、全て彼女にとってはアクセサリーでしかなかった。
それからも山岸さんは知華ちゃんにぐいぐいと迫っていった。知華ちゃん自身の芸歴から、お父さんの学歴、家元、お母さんの映画出演歴まで。事実、知華ちゃんさえも山岸さんのいないところでは怖い人だと言っていた。さらに山岸さんは知華ちゃんが他の人と話している時、無理矢理会話に割り込んで自分のペースにしたりと、段々エスカレートしていった。
私も2人との距離を感じざる追えなくなっていた。
3人で帰る途中も、駅のプラットフォームを歩く時も


                 歩幅は嘘をつかないから。 

Re: 2月の旅鳥 ( No.4 )
日時: 2023/01/22 08:26
名前: 黒猫夜空 (ID: O.mDLNUw)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

こんにちは。
黒猫夜空です!
あくまで個人の意見なので、お気になさらず…。
塾の名前は、「clever kid」はどうでしょうか?(英語で、賢い子供という意味です。)
中学の名前は、「王立中学」なんてどうでしょうか?(おうりつちゅうがく)
歩幅は嘘をつかないから。のところ、良い言葉ですね!
私もそのような言葉が湧いてくるように鍛えます!
あの、ネーミングセンスの方は気にしないでくださいね。
ではでは。

黒猫夜空さんへ ( No.5 )
日時: 2023/01/22 22:54
名前: 此雨真狐 (ID: /m6A2I47)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13593

黒猫夜空さん!コメント有難うございます!モチベになります!
そして、お返事遅れてごめんなさい...
塾に行っておりました。(帰宅21時)
「clever kid」も「王立中学」もいいですね!
早速使わせて頂きます!でも、ひとつだけすみません。陽菜の第一志望校はカトリック系にしたいので初めに「セント」だけ付けさせて頂きます。
ところで「机の上のグルメワールド」楽しみにしています!
両親二人揃って料理のプロにも関わらず美奈さんは料理が下手である。そんな設定に惹かれてしまいました。応援しています。

最後に宣伝とはなりますが、「初めまして。和泉家です。」と「日常組 脱獄4 目が覚めたら俺たちは新しい刑務所にいました」もよろしくお願いします。それぞれコメディ・ライト、二次創作小説で読めます。


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