コメディ・ライト小説(新)
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- 朱里と葵のフラワー・マジック
- 日時: 2023/02/21 14:43
- 名前: キャラメル・キャット ◆I3tGz4xJ9E (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
こんにちは!
キャラメル・キャット(元黒猫夜空)です(=^・^=)新連載スタート!
まだ小説が完結していないにも関わらずですが、よろしくおねがいします。
目次
第一話 「自然の力」>>1
第二話 「レッドとブルー」>>2-
ファンになった方はぜひ感想を書いて下さい。(専用スレに)
一人でもファンがいてくだされば、私の励みになります。
- Re: 朱里と葵のフラワー・マジック ( No.1 )
- 日時: 2023/02/21 08:53
- 名前: キャラメル・キャット ◆I3tGz4xJ9E (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
朝日が昇ってきた。
白く輝き、堂々としているその姿。
眩しいほどの衣をまとい、濃いめのアイボリーにも皎色にも見える。
ー私も、太陽になりたい。
太陽となって、世界を元気づけたい。
そんな少女の願いをなにも知らずに、穏やかに太陽は人々を見守る。
ー太陽は、太い陽気と読むのだろうか。
だが、本当にそのような太陽はあるのだろうか。
野原には春が近づいている。
花たちは、今か今かと待ち構えている。
春になった瞬間にこの蕾を開くのだ。
新しい未来へと突き進んでいくのだ。
そんな決心を胸に秘めていた。
ーあたしも、花になりたい。
花みたいに、美しくなりたい。
ある少女もそう願っていた。
ー花はどう考えてもかぐわしい香りをただ寄せ、鮮やかで美しい色をしていると思うだろう。
だが、本当にすべての花がそうなのだろうか。
- Re: 朱里と葵のフラワー・マジック ( No.2 )
- 日時: 2023/02/21 14:11
- 名前: キャラメル・キャット ◆I3tGz4xJ9E (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
初めまして。
私は、色谷 朱里(いろたに あかり)。
簡単に説明すると、エネルギッシュで積極的って言われている好奇心旺盛な小6って覚えてくれたら良いかな。
「はい。貴方のイメージカラーは赤ね。」
と占い師のお姉さんに言われた頃から、自分のイメージカラーが赤だということが自慢になった。
占い師のお姉さんの姿はとっても魅力的だった。
藤色と茜色が混ざった色、金色のふちがついている薄いベールをかぶり、黒くすんだ不思議な雰囲気をかもしだす瞳。
ツンと高い鼻。
フェアリーの耳かと思える少し尖った耳。
お姉さんの全てが魅力的だった。
そんなお姉さんから言われたことなら信じてしまうだろう。
「色谷 朱里です。」
この言葉を言うと一瞬クラスはざわついた。
私はこの学校に引っ越してきた。
「マジック・スクール」という名の学校だ。
さらに予想通り、あちらこちらから
「色谷ってアレだよね? アレ。」
「色と朱が絶妙にマッチしてるし〜」
そんなささやきが聞こえてくるのだ。
ささやきって本当にささやきなのだろうか。
私が左端の席なのに、右端の席に座っているささやきが聞こえてくる。
そう。私は色谷という名字だ。
色谷といえば、ひいおじいちゃんだ。
私のひいおじいちゃんは、昔世界一の魔法使いだったという。
今や世界中の魔法使いの憧れとなる師匠だ。
その時。
「自己紹介お願いします〜。」
と先生が言った。
私のクラスの担任の先生は、星月 湊(ほしつき みなと)先生。
高い声の女性の先生だ。
おっとりしていて優しいという評判を聞いたことがある。
さらさらな黒い髪の毛でくせ毛は一本もなく、ニコッと笑ったときの顔が可愛らしい先生だ。
今日はキラキララメ入りの星型のヘアピンを髪につけている。
まだ20代と聞いたが、だいぶ若そうだ。
「朱里さん?」
ハッと気がつくと、湊先生が目の前にいる。
「あ、色谷 朱里です。好きな食べ物はレモンパイです。友達たくさん作りたいです!」
私は流れ出すように早口で喋った。
自分でもなんと言ったかが聞き取れなかったくらいだ。
むろん、周りの人たちは冷たい目で私のことを見ている。
さっきまでのひいおじいちゃんのことで作り出された興奮が溶け出しているのだ。
だが、湊先生は顔色ひとつ変えずに話し出した。
「朱里さん、ありがとうございました。さ、みなさん拍手を。」
案の定、拍手はかなり小さい音だ。
無理にしている拍手と心から嬉しく思ってしている拍手だとやはり音は違う。
私は、ガタンと音をたてて席に座った。
この席は高すぎる。私の低い身長がそうぼやく。
仕方ない。
私の身長は平均身長よりも低いのだから。
- Re: 朱里と葵のフラワー・マジック ( No.3 )
- 日時: 2023/02/21 15:49
- 名前: キャラメル・キャット ◆I3tGz4xJ9E (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴った。
チャイムは高くてすんだ音だったはずなのに、どうしてか今の私には低くてくぐもった音にしか聞こえない。
ふと窓の外に目線をやった。
前の学校の頃は良かったなぁ。
みんなフレンドリーで、誰かが嬉しい時は一緒に喜びあって、誰かが悲しい時は一緒に慰めあって。
決して「いじめ」「嫌がらせ」なんていう言葉を聞かなかった。
前の学校の時はそれが普通だと思っていたが、やはり世間に出てみると幸せさがよくわかる。
窓の外は晴れている。
私の気持ちなんてこれっぽっちも知らずに。
「はい、みなさん! これからレクをしましょう!」
湊先生が言った。
ええ〜〜?という声が教室中に響き渡る。
それもそのはず、だって見ず知らずの人達がいる中でレクをやれなんて言われても楽しめるだろうか。
少なくとも私は楽しめない。
転校してきたばかりだもの。
そんな私の気持ちを読み取ったかのように、湊先生は言った。
「じゃあ、お隣さん同士でやりますか!」
え?
お隣さん?
私は隣の席の子をチラッと見た。
隣の席には、スタイル抜群の女子が座っていた。
小麦色に焼けた肌。腰までおろした薄茶色のウェーブの髪の毛。
すると、こちらの視線に気がついたのか、少女は横を向いた。
くりんとした瞳はブラックダイヤモンドのようだ。
「こんちゃ! あたし、高橋 花(たかはし はな)! よろしくね!」
少女はフレンドリーに私の手を握った。
握手のつもりなのだろうか。
私には手を潰されているようにしか感じられない。
少々握る力が強い。
「……私は…」
「あー、覚えてるよ!」
初対面にも関わらず、平気でタメ口で話す花を見ていて、私は心底驚いた。
「色谷 朱でしょ? 覚えてるに決まってる!」
彼女は自慢ぶったように話し、最後にビシッと敬礼した。
そんなに自信満々で大丈夫なのだろうか。
「あのー、火に水をかけるようで悪いけど、私朱じゃなくて朱里ね。」
私はさらっと訂正した。
火に油を注ぐ、を火に水をかけると変換したのは勝手に作ったことわざだ。
もちろん、そんなことわざは存在しない。
花は口を開いた。
- Re: 朱里と葵のフラワー・マジック ( No.4 )
- 日時: 2023/02/21 21:20
- 名前: キャラメル・キャット ◆I3tGz4xJ9E (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「朱、ごめん。私、記憶力悪いから。」
そう言ってそっぽを向いてしまった。
私はどうも思わなかった。
謝ろうだなんて一ミリも思わなかった。
また朱と間違えていることなんて訂正する気にもなれなかった。
「もう友達なんて必要ない。あっても無駄だ。」
そう思いが上書きされていた。
教室がざわついている中、湊先生はパンパン、と手を叩いて言った。
「はい、静かに! これからレクを始めまーす! お隣さんと10秒で自己紹介して下さい!」
えぇええええ!?
「10秒なんて無理ー!」
「先生意地悪ー。」
と嘆いている生徒がほとんどだったが、私だけは違った。
これは気まずい。
たった今喧嘩らしきことになった花とやるレクだ。
ろくに話せないだろう。
花は腕を組んで頬を膨らませてそっぽを向いている。
私は笑いそうになってしまった。
気が強そうな花が幼い子供のような格好をしていることがおかしかったのだ。
「何!?」
花はガタガタガタンッと机を揺らして立ち上がった。
その振動で床が揺れた。
花は地震の原因か。
気がつくと、全員がこちらに目を向けている。
マズい。
もともと冷たかったみんなの目がますます冷たくなったように感じる。
でも私は友達なんて作らない。
作りたくもない。
すると、その時。
「オイ。」
ドスの利いた声がした。
「お前ら、喧嘩なんてやめろよなー。」
「ちょっ、海君! やめようよぉー…。」
ええっと、色黒で大柄な男子のほうが村上 海人(むらかみ かいと)、色白美人さんの女子のほうが、南本 真梨恵(みなもと まりえ)だったっけな。
二人は恋人同士だと噂で聞こえたが、性格が真反対だから食い違いが多いのではないだろうか。
しみじみと思った。
「オイ。」
海人は私に向かって一言怒鳴る。
花は海人に震えまくっている。
さっきまで暖かく堂々としている太陽のようだったあなたは、いつから雲に隠されたのでしょうね。
「はい、そこまでー。」
湊先生が間に入ってきた。
「海人さん、人に向かっての暴言はやめましょう。」
「へい……。」
海人は渋々頭をペコリと下げた。
「朱里さん、偉かったですね。」
「え?」
「朱里さんは怒り任せに言い返したりしませんでした。」
「あ…ありがとうございます。」
湊先生はニコッと微笑んでからみんなの方に向かって言った。
「ではレクを開始します!」
花はぶっきらぼうに言った。
「で? どーすんの?」
私は無理矢理の作り笑いを浮かべた。
「よろしくお願いします。花さん。」
「ちょっ、かたいよ!」
- Re: 朱里と葵のフラワー・マジック ( No.5 )
- 日時: 2023/02/21 21:22
- 名前: キャラメル・キャット ◆I3tGz4xJ9E (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「よろしく、朱里。」
花は顔をりんごのように赤く染めて言った。
今のあなたこそ、朱里になれるよ。
と言いたかったが、控えておいた。
「10秒はかります!」
と湊先生が言うなり、タイマーが動き始めた。
「えっえっと、私は朱里!イメージカラーは赤!好きな食べ」
ピピピッ!と
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