コメディ・ライト小説(新)
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- アクティブ・グループ
- 日時: 2023/03/01 19:32
- 名前: 栗 ◆sUOXLav4ic (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
どうも、まろんです。
私初の小説を書いていこうと思います。
下手なのはお見逃し下さい。
1レスで1000文字は執筆していこうと思います。
>>1だけは文字数が少ないですが、目を閉じていただいて。
目次
第一話 「朝日の影魔法」 >>1-5
登場人物紹介
#黒崎 陽菜(くろさき ひな) 魔法タイプ ?
この物語の主人公。
「ハーブスクール」に通う小学5年生の女子。
イメージハーブカラーは「黒」
ミステリアスで神秘的な存在。
ハーブマジックを使うことが得意。
#大又 宗介(おおまた そうすけ) 魔法タイプ ?
「ハーブスクール」に通う小学5年生の男子。
イメージハーブカラーは「赤」
活発で、生徒たちに恐れられている、問題児的存在。
ハーブマジックを使うことは意外と得意。
#松川 愛梨(まつかわ あいり) 魔法タイプ ?
「ハーブスクール」に急転校してきた。
陽菜と同い年。
イメージハーブカラーは「ピンク」
人気者の存在。
陽菜と並ぶ優等生。
#森本 昴(もりもと すばる) 魔法タイプ ?
「ハーブスクール」の教師。
陽菜たちの担任。
イメージハーブカラーは「緑」
若くて爽やかな先生で、生徒からの人気はあまりない。
教師の中では、ハーブマジックが不得意な方。
- Re: アクティブ・グループ ( No.1 )
- 日時: 2023/02/28 17:52
- 名前: 栗 ◆sUOXLav4ic (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
第一話 「朝日の影魔法」
朝だ。
体が反応する。
まぶたがピクピクと開く。
そう。シャッターが開くかのように。
そう。ブラインドが開くかのように。
まぶたと目の隙間から、まぶしい光が入り込む。
黄色でもない白でもない、「まぶしい」という色の光だ。
そして、光の正体を知るために窓に寄る。
ピカピカに磨かれた窓は、光を反射していっそうピカピカ光る。
窓に手をつき、外の景色を眺める。
はぁっと息をすると、窓が曇る。
そんなことをやりながら、窓から見える空を眺める。
空は大きくて雲ひとつない快晴だ。
快晴というものほど恐ろしいものはない。
快晴は、晴れているようで晴れていない。
影のようなものが存在している雰囲気が漂っている。
私、黒崎 陽菜(くろさき ひな)は目を覚ました。
私はどうってことはない小学生5年生の女子だ。
運動が特別苦手だが、勉強は自分で言うのもなんだがそこそこできる。
友達は指で数えられるくらいの数はいる。
友達は多ければ良いってものではない。
今の友達で十分だ。
私は「ハーブスクール」という学校に通っている。
「ハーブスクール」は、この「ハーブタウン」の中でも一番古くて大きい小学校だ。
名前の通り、ありとあらゆるところにハーブが伸びており、ハーブの周辺には芳しい香りが漂っている。
「ハーブスクール」というよりかは、「ハーブタウン」と言ったほうが良いだろうか。
街全体がハーブいっぱい自然いっぱいで有名な街だからだ。
「ハーブスクール」には、「ハーブマジック」というものがある。
葉に使う魔法のことだ。
「魔法」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
きっと、呪文だとか魔法陣だとかが思い浮かぶ人がほとんどだろう。
だが、「ハーブマジック」は違う。
葉に色を染めたり、葉を切ったりすることで生み出す魔法のことだ。
私は、その「ハーブスクール」の生徒の一人だ。
これから「ハーブスクール」に向かう。
- Re: アクティブ・グループ ( No.2 )
- 日時: 2023/02/28 17:50
- 名前: まろん ◆p4Tyoe2BOE (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
私は下へ降りていった。
誰もいない家中に私の足音だけが響いているが、この感覚は慣れている。
冷たい木造りの階段に足が触れるたび、冷たさが染み渡っていくようだ。
私は小5だが、実質一人暮らしをしている。
父は私のことを見捨て、母と離婚した。
母は病気で倒れた。
父と別れたショックと疲れが原因だろう。
親戚は全員私には無関心。
関心があったとしても、私の苦手な小さな子供がいるか、私のアレルギーの犬や猫を飼っているということだ。
もちろん、どちらも無くすことは不可能だ。
そのため、渋々私は暮らしている。
お金などはちゃんと振り込まれるため、心配がない。
私は大きな冷蔵庫を開けた。
そして背伸びをして、奥に手を突っ込む。
ゴソゴソと漁ると、硬いものが手に当たった。
そのものを掴みだすと、「栄養満点!! アロエヨーグルト」という黄緑色の文字が目に入った。
私は毎朝このヨーグルトを食べている。
安くて栄養があるため、ピッタリだ。
それから、食パンをトースターに入れる。
最初のうちは慣れなかったが、もうかれこれ1年は経つ。
そのため、もう慣れてしまった。
チーンという良い音が響いた後、私はトースターからこんがりと焼けた食パンを取り出す。
表面は焦げ目がついていて美味しそうな香りが漂っている。
白くて丸いお皿に食パンをのせ、ミニトマトと小さくちぎったレタス(昨日の余り物)を添える。
食パンの上にスライスチーズをのせて、準備完了。
いつもの朝食が、窓が遮ることができなかった光に照らされ、なお美味しそうに見える。
「いただきます。」
と、誰も「はい。」と応えてくれるはずのないダイニングへ向かって言う。
言わないよりはマシだ。
まず、食パンにかぶりつく。
さくさくとした食感ととろっとしたものが重なり合い、ハーモニーを奏で出す。
食パンを半分ほどかじったところで、ミニトマトを口の中へ放り込んだ。
少し酸味のある味だ。
赤い衣装をまとい、つやつやとしている。
ミニトマトは全てで3個だった。
少し物足りないなと思いながらも、レタスを食べる。
水気があるだけで、レタスにはほぼ味がない。
レタスも食べ尽くし、食パンの残り半分をお腹に運ぶ。
一旦、ぐいっとコーヒーを飲んだ。
小5でコーヒーを飲むのは渋いのだろうか。
私はコーヒーが大好きだ。
……とはいっても、ミルクたっぷりなのだが。
まろやかなコーヒーを喉に流し込み、アロエヨーグルトの蓋を開けた。
ぷぅんと、辺りにみずみずしい香りが広がる。
私は銀色のスプーンをカップの中に突っ込み、どんどん口の中へ送り込んだ。
一口食べるごとに、ひんやりとした感覚が口を通して伝わる。
「ごちそうさまでした。」
静かな家の中に、私の声が響いた。
- Re: アクティブ・グループ ( No.3 )
- 日時: 2023/02/28 21:06
- 名前: まろん ◆p4Tyoe2BOE (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
私は時雨色のミニコートを羽織り、メープルブラウンのランドセルを背負った。
ズシン、と体に来るその重みは、まるで憂鬱の重みのようだ。
今日は月曜日。
週で一番嫌な日だ。
重くて暗い気持ちを背負いながらも、ガチャッとドアを開ける。
外の空気が玄関に入ってきた。
誰もあがってと言っていないのにあがるなんて図々しいな、と思いながらも靴を履き、外へ出た。
太陽が眩しい。
今日は晴れ渡っている。
晴れの日こそが嫌いだ。
よく、雨の日が嫌いだと言っている人を見かけるが、晴れのほうが嫌いだ。
なぜって、良い印象を持っているものほど影では悪知恵が働いているからだ。
照りつける太陽は穏やかで優しいようだが、髪の毛を痛み付ける。
雨は確かにジメジメしているが、肌が潤う気がするだろう。
雨があがると、虹がかかる。
私はその虹を見るのが大好きなのだ。
救われたシンボルのようで。
などと思いながら、角を曲がった。
いつもの通学路が見えてくる。
緑色に茂った木は、私が通るとざわざわっと揺れる。
私をお出迎えしているのか、私を邪魔しようとしているのかはわからないが。
太陽の光を反射して、きらきらと葉が光る。
このような美しい風景を見たときには、やはりこの世に生まれてよかったなと思う。
グレーに染まったコンクリートに、私の藍色の靴を打ち付ける。
トントンタントンとコンクリートは鳴る。
その音は、私の下がっているテンションをさらに下げるようだ。
私の心を壊そうとしているのではないだろうか。
なぜ、月曜日が嫌いなのか。
それは後で分かるだろう。
しばらく歩くと、どっしりとした門が見えてきた。
灰色で硬く、とても大きい門だ。
この門は、「ハーブスクール」の顔だ。
それなりに立派だ。
「ハーブスクール」と、札には書いてある。
私は、いつものように門をくぐり、生い茂っているハーブを踏まないように気をつけながら歩く。
ローズマリーにラベンダー。あれは、セージだったかな。
若葉色。春草色。エメラルドグリーン。松葉色。
緑は緑でも、様々な濃さがある。
そんなハーブを見ていて、私はとても楽しい。
このときだけはテンションが上った。
そう。
このときだけは……。
「おっす!」
校庭中に、耳をつんざくような声が響く。
これだ。
私が月曜日が嫌いな理由。
大又 宗介(おおまた そうすけ)
彼こそが、私のマンデーライフを邪魔する者だ。
声と体がやたらと大きく、ドスの利いた声で年上もビビらすような人だ。
喧嘩をして先生に叱られたという噂も聞く。
「黒崎!」
ひえっ。
- Re: アクティブ・グループ ( No.4 )
- 日時: 2023/02/28 21:26
- 名前: まろん ◆p4Tyoe2BOE (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
太陽のようなオーラが満載の彼に話しかけられ、私は飛び退いた。
どちらかというと横幅がかなりあり、縦幅はあまりない彼に返事をする時は、下を向いて話さなければならない。
かなり不便だ。
ー朝日の影魔法。
太陽の裏には、なにかが潜んでいる。
そう。
影だ。
人々には見えない影。
みんな、何かしら企んでいる。
そんな言葉だ。
「黒崎。俺が誰か知っているか?」
私はうへぇと思った。
月曜日の毎朝、決まってこの質問をされるのだ。
「大又 宗介でしょう?」
「当たり。偶然だな。」
いや。偶然なんかではない。
毎週このやりとりをしているから暗記できてしまうのだ。
大又の勘が鈍いだけだろう。
そう自分に言い聞かせ、昇降口へ向かった。
昇降口を抜けると、下駄箱に靴を入れた。
そして、階段へ向かおうとした。
すると、背中の方から声がした。
「あのー……。」
「はい?」
私は後ろを振り向いた。
すると、小さな少女が立っていた。
誰だろうか。
「あたし、今日から転校することになった、松川 愛梨(まつかわ あいり)です。」
転校とは。急だな……。
新学期の始まりでもないのに。
全くうちの学校の先生はどのような先生なのだ。
「あの……黒崎さん、靴……私のところに入っていませんか……?」
おどおどしながら愛梨は喋ったが、そのとおりだった。
私の黒い靴が「松川 愛梨」というところに入っている。
私は自分の顔が火照ってくるのを感じた。
「すみません!」
その言葉だけ伝えて階段へダッシュした。
恥ずかしすぎて顔をまともに見ることができなかった。
だが、同じクラスだ。
また会ってしまう。
変な人だと思われなかっただろうか。
私がクラスに入ると、教室中がざわついていた。
転校生のことだろう。
「ねー、今になって転校してくるなんて珍しいよねー。」
「どんな子なんだろう?」
などとみんなの会話が弾んでいる中、友達のいない私だけは机に突っ伏していた。
愛梨と会ったらどんな顔をすればよいのだろう。
ふと、教室のざわめきがおさまった。
なんだろうと思い、前を見てみると、さっきの愛梨が歩いて入ってきた。
「松川 愛梨です。よろしくおねがいします。」
高い声でそう言い、ぺこりとお辞儀をした。
愛梨が背負っている赤いランドセルも、コトンと音を立ててお辞儀をする。
こうしてみてみると、愛梨は小さい。
私の二分の一くらいの身長だ。
だが、つやつやさらさらのロングヘアーをしているし、ロングヘアーは丁寧に束ねてある。
見たところ普通の少女だ。
- Re: アクティブ・グループ ( No.5 )
- 日時: 2023/03/01 16:32
- 名前: まろん ◆p4Tyoe2BOE (ID: O.mDLNUw)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
愛梨が席につくまで、皆は静まっていた。
きっと皆の今の感情は、期待で溢れているのだろう。
私だけは違うが。
心の中では、ひたすらさっきのことがエコーされていた。
……愛梨に、恥ずかしいところを見られてしまった。
……転校生が来たなんて。
……私の友達に誘おうと思ったけど。
……そんなこと、できるわけないよ……。
後から後からマイナスな言葉が溢れ出てきた。
その思いは、水瓶から溢れ出てきた水のようだ。
止めようとしても止めることができない。
まるで、もがけばもがくほど引きずり込まれる蟻地獄のようだ。
次第に私の目から、涙が溢れてきた。
心の水瓶に溜まりに溜まったマイナスな言葉は、ついに抑えきれなくなり、体の外へ出てきてしまったのだ。
ダメだ。
皆の視線が向いてしまう。
ダメだ。私。
ダメだ。
ぽん、と柔らかな音がした。
私はぐいっと手の表面で涙を拭うと、音の正体を見るために後ろを向いた。
そこには、愛梨が立っていた。
私は驚きで言葉を失ってしまった。
「黒崎さん、大丈夫ですか?」
心から心配している顔だ。
周りの皆の目が気になる。
だが、その目は私に向けられた目ではなかった。
私は友達0の、影のような存在だ。
私に目を向ける人などいない。
だが、愛梨はじっと私のことを見ていた。
優しい目だった。
「……あたし、黒崎さんと友達になりたいなぁと思っていて。」
私はさらに驚き、声が出なくなった。
その場に、シーンとした空気が流れた。
パン、パン! という音が静まった教室によく響いた。
「そこまでです。続きは後で。」
教卓の前に、一人の先生が立っていた。
先生は黒板へ背を向け、白いチョークで何かを書き始めた。
「森本 昴」と、少し癖のある字が書かれている。
たったの三文字なのに、黒板の三分の一を使っている。
「もりもと すばると読む。これからよろしくな!」
森本先生は、愛梨に向かってにかっと笑った。
白い歯が、窓からくる光に照らされて、キラリと光ったように見えた。
「さて、まず、自己紹介からしようか。」
転校生が来たら、必ずこれだ。
なぜにこの中途半端なときに転校生が来るのかも不明だが。
「愛沢 香(あいさわ かおり)です!」
「伊藤 実弥(いとう みや)です。」
あいうえお順に、ひとりひとり自己紹介をしていった。
私の番になると、一斉にシーンとなる。
それもそのはず。
私はいてもいなくても良いような存在なため、別に賑わうこともない。
「黒崎 陽菜です……。」
最後の方は消え入りそうな声になってしまったが、とりあえず自己紹介を終えた。
そして一番最後に、
「松川 愛梨です。」
と声がすると、一気に教室中は拍手で包まれた。
転校生は祝わないと、という勝手な言葉が皆の頭には貼り付いているのだろう。
これからどうなるのだろうか。
そんなことを思いながら、窓の外を眺める。
窓の外には、相変わらず晴れ渡っている空が広がっていた。
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