コメディ・ライト小説(新)

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最強執事〜悪役令嬢の下僕に転生したのでシナリオ改変します〜
日時: 2023/03/04 00:12
名前: ひなぎ。 (ID: HGEDmJJJ)

第一話・俺、転生。


『ラティオーズ公爵令嬢、シルヴィア・エル・ラティオーズ!!聖女である未来の王妃を殺害しようとした罪で_____』

『処刑を命ずる!!!!』

『そんな!!嘘ですわ!!その女に騙されているのです!!』

『潔く黙れ。おい、連れて行け!』
『そんな_____!!!!』


「やべー!!!悪役令嬢シルヴィアちゃんがまさかの処刑?!容赦ない乙女ゲームだなあ!!」
俺は27歳のしがないサラリーマン。趣味でゲーム実況動画なんかを投稿している。
今は、「あなたと共に、愛を」通称「ともあい」という、乙女ゲームの実況動画を取っていた。
アラサーのおじさんが乙女ゲーム実況、ということで、少し話題になってたりして、嬉しいばかりだ。
カンッ__  一通り編集作業が終わって、眠気覚ましに飲んでいたエナジードリンクを置く。
ってか、乙女ゲームだってのに今どきはなかなか残酷なんだなあ、処刑だなんて。

そんなことを呑気に考えていたときだった。
「あれ__?」突然視界が狭窄して、世界がグルっと回ったような強いめまいと吐き気に襲われ、俺は意識を失った。

_会社での残業、その後の撮影での疲労とエナドリの過剰摂取。俺は死んだ。



_____はずだったのに!!!






今、俺の目の前には、豪華で趣味の悪いごてごてした飾りのついた真っ赤なドレスを身にまとう少女が、これまた豪華な椅子に座っている。なんか見たことあるよーな気もするけど、マジで誰?!?!

俺がワケも分からず突っ立っていると、目の前の少女は突然、持っていたティーカップをこちらへ投げつけた。同時に、熱い紅茶らしき液体が俺めがけて飛び散ってくる。

「あっっつい…!!」
「うるさいわね!!!なんなの、このまずい紅茶は!?さっさと入れ直していなさい!!」
「は__??」 なにいってんだ、こいつ??
「このシルヴィア・エル・ラティオーズ様に口答えする気??ルディ、あんたは奴隷なのに能力が高いからお父様が雇って差し上げてるのよ!!黙ってわたくしに従えばいいのよ!!!!」
 

少女が言葉を発した瞬間、俺の頭は真っ白になった。
今、シルヴィアって__?
「あっ__!」

思い出した。目の前にいるこの少女は、『ともあい』の回想シーンにあったシルヴィアちゃんの幼少期の姿に間違いない。そして俺は、もう一つ大事なことに気がつく。
今立っている、美しく磨かれた大理石の床。そこに映る、俺の顔。俺じゃなかった。
でもまちがいなく、これは俺だ。同じ動きをしてるんだから。

「まさか___!」
目立ってはいなかったが、いつもシルヴィアちゃんの隣に立っていた、死んだ魚のような目の青年。

「ルディ!!あなた聞いてますの?!?」

シルヴィアちゃんが叫ぶ。やっぱりそうなんだ。

俺は、悪役令嬢の執事のルディ。ルディに転生したのか__!!
そこで、俺の意識は途切れた。
                                                                                    






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