コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 地縛霊の自発令!!
- 日時: 2023/04/23 14:04
- 名前: 信者 (ID: NdgXheZW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13658
学校生活。インターネット。友達関係。スポーツと、全部うまくいかず、いつもセンチメンタルな男、『帳 漣(とばり れん)』。
そんな彼は、ある日の部活の途中、腹痛に見舞われ、未だ行ったことのない、体育館のトイレに思いっきり駆け込んだ。
とそのとき、トイレには何故か女の子が突っ立っていた。
「あ。私、地縛霊よろしく」
彼女は、自分を地縛霊と語る。
そして漣はその地縛霊に、【欲求不満】を満たすためのパシリとして、使われる日々となっていった……。
============================================================================================
・毎週日曜連載予定です。
-お知らせ等-
・すいません、スレ主です。ご勝手ながら、報告等一切なしに、約一か月ほど休載いただいておりました
- 地縛霊の自発令!! ( No.1 )
- 日時: 2023/03/25 16:52
- 名前: 信者 (ID: NdgXheZW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13658
~人物紹介~
・帳 漣(とばり れん)
・A君(仮名)
・地縛霊
・柊 千里(ひいらぎ ちさと)
・柊の手下たち
~目次~
Ep.0『オレの入学録』 >>2
Ep.1『一人と一人』 >>3
Ep.2『おにぎりの借り』 >>4
- Ep.0『オレの入学録』 ( No.2 )
- 日時: 2023/03/12 15:00
- 名前: 信者 (ID: NdgXheZW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13658
『あ。私、地縛霊。よろしく』
俺は、【帳 漣(とばり れん)】。
普通の高校一年生。
俺は今絶賛、よくわからない【地縛霊】とやらに絡まれている。
それも、学校の男子トイレでだ。
なぜこうなってしまったか。
それについては、おおよそ一時間ほど前まで遡ることとなる……。
☆
「……なんでなんだよっ! 」
--奈良県 橿原市 【橿原神宮前学園】
それが俺の入学した高校の名。
この高校は平均の偏差値が【65】と、中々、高めの数値となっている。
とはいっても、俺はなかなかのバカであり、到底この学校に入学できるレベルの風上にも置けない程だった。
だが、俺は、受験の前日に、あることを行っただけで入学できてしまったのだ。
さすがにカンニングだとか、テスト用紙を奪ったとかそんなずる賢いことは行わずにだ。
実をいうと。
【徹夜】を行っただけである。
そこまで焦らすほどのことでもなかっただろうが、これだけで入学してしまった。
とはいえ、高校の内容は一切分からず、日ごろから勉強を積まなかった自分を恨みつつもある。
☆
-徹夜勉強のデメリット!-
・集中力が低下する!
・記憶力が低下する!
・寝不足になる!
・血圧が上昇する!
↓
・作業能率の低下!
※帳漣調べ
☆
それでは次、なぜこの高校を選んだのか。
ということについてだ。
理由は一つ。
【友達と合わせるため】である。
かつての自分は高校など一切決まっておらず、勉強なども一切していなかった。
そこで、中学生時代の友人【A君(仮名)】とそろえることとなった。
ちなみに揃える、といったことは、Aが提案してきたことで、そこまで賛同はしていなかった。
と、そこまで乗り気ではなく、過ごしていると、もう中三の三月。
勿論絶望に浸ったが、もういいや、となって結局Aと同じ所へ。
言っちゃ悪いが、Aもなかなかにバカで、どうせろくな高校を選んでなんかないだろう、なんて考えていたのだ。
だが、その考えも相当裏目に来て、受験のおよそ前日に、高偏差値の高学歴の集うエリート校だということを知ってしまう。
そんな訳で、前日に徹夜を加え、いざ受験へとむかったらまさかの受かった。
実をいうと、俺の家は、天理のほうで、いちいち橿原までくる必要なかったのだが、逆に、俺の友達の皆が皆、天理の高校に入学するとは限らない。
そんなわけで、結局確定で友達のいる高校へ。
といった成り行きだったのだが。
まさかの、Aが、受験に落ちやがったのだ。
さらにさらに、名簿を見ても、知らない人ばかり。
そんなわけで、ただの天理市民(陰キャ(ド偏見))が、腐れ橿原市民(陽キャ(ド偏見))の集会へ、一人残されたまま、およそ三か月。夏休み。
それが今。につながってくるわけであった……。
- Ep.1『一人と一人』 ( No.3 )
- 日時: 2023/03/14 12:54
- 名前: 信者 (ID: NdgXheZW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13658
夏休みに入って、10日ほど経っただろうか。
月も八月に入り、猛暑は、絶頂を迎えつつあった。
夏休みということもあり、街が繫栄しているのに反比例し、学校内はある意味寂しさを感じてしまいそうなほどすっからかんだった。
一部は、夏休みも部活だが、『夏期講習』だとか『実家に帰るだとか』そんな言い訳だけを残して、家で引きこもってゲームをしている輩も大量にいることは知っている。
あえて、顧問には言わないでやっているが、これは俺の利益のためだけである。
そんな俺が入部したここ、陸上部は、夏にも構わず、超熱血指導で、熱中症で倒れてもおかしくない程だった。
また、記録をガンガン伸ばしていく人もいれば、俺みたいに、常に下からトップを独占してる奴らもいる。
その一方で、俺らは、大会には出られず、暑さでばてて、ベンチに居座り続けていた。
ただ、ベンチに居座る輩たちは、一切知りもしない人で、俗にいう陽キャ。
人見知りで、陰キャで、コミュ障で、運動神経皆無で、頭の悪い俺には、到底仲良くなれないような人だった。
そしてまた1つ、ここには、俺のストレスの元凶が存在していた。
そいつの名は、【柊 千里(ひいらぎ ちさと)】。
女だ。
こいつにはおしとやかさは一切なく、というかその逆。俺にとっては邪魔でしかなかったのだ。
だが……100m走の記録は陸部の中でも、トップで、もう数か月ほど、キープしている。
巷では超新星だとか、騒ぎ立てられすぎている。
普通の人にはしっかりと優しいこいつだが、俺らみたいなこっち側の人間に見せる顔は、悪。
その一言で十分だった。
さらには、こいつは、何人か手下を従えており、俺がベンチに座れば、軍を指揮し、こっちにやってきては、数人が『なんで陸部はいったのよ』だなんて捨て台詞を残していった。
おれはそういわれるたびに、センチメンタルな気分に酔い、すぐそこのトイレに籠る。
☆
と、今日もそいつらはやってくる、今日も同じく軍を従え、こちらに。
そして。
「いつも逃げてばっかりね、いっそのことやめちゃえば? 」
と、残していく。
いつも通りうつむきながら、トイレに行こうとすると、そいつは俺の襟あたりを掴んでこういった。
「今日はトイレ空いて無いわよ、工事中。だってさ笑」
その言葉を聞くと、俺は数秒間停止し、体育館の方向へ走り出す。
一応体育館にトイレがあることは知っていた。
別にトイレではなくてもいいが、周りの目を気にしてしまうと、結局トイレに籠る。
もちろん、用は一切満たさず、数分籠って腹痛を演じていたが、あいつにはばれていたらしい。
そう考えていると、体育館のトイレまで籠ろうとする俺がバカらしかった。
侮辱されても、トイレに逃げる俺。
その途端、あるうわさが俺の耳に流れた。
☆
「体育館のトイレさ、出るんだって」
「何が」
「……幽霊が」
「馬鹿らしい」
☆
そう思いだしたころにはもう遅く、すでに、トイレの前に立っていた。
このまま引き返そうと思ったが、そのとき、トイレの方向へ歩く、足音が聞こえてくる。
ここでばったり会ってしまっては、気がまず過ぎる。
そのまま、出る。と噂のトイレにダッシュしていった。
『出る』と噂されていた割には、中々綺麗なトイレで、明るく、桃の花のにおいが漂っていた。
「いや、出ないやんけ」
そのとたん、にゅるっとした感覚に襲われた。
そして、若い女の子の声が流れてくる。
「いらっしゃい……」
どこからか聞こえてくる声に、俺はトイレをぐるりと見まわしたが……。
居た。
幽霊ってこんなはっきり見えるもんだっけ。
口に手を当てつつ、囁いていた。
最初は、その幽霊も、俺が見えてるとは知らなかったような感じだったが、数秒程俺が見つめると、そいつは、気づいたらしい。
「えっと……お邪魔しました? 」
急いでトイレから出て、扉を閉める。
そうしたら、トイレから大声が聞こえてきた。
「ちょいちょいちょーい! 」
「え、は? 」
急にトイレの扉があき始める。
「私のことを知ったからには、逃がさへんで」
バリバリの関西弁をしゃべりつつ、すこし驚いた様子で俺を見つめる女の子がいた。
「えっと、何でしょうか」
「何でしょうかじゃあらへんやろ。どうせお前私のこと周りにばらすんやろ」
「え、あ、いや、僕、友達いないんで」
それを言ったのが悪かったのか、彼女は、素っ頓狂な顔をしてこちらを見つめる。
そして、笑い出す。
「ふふふふ……あんたおもろいな。気に入ったわ。あんた今日から私のパシリな」
「うん。っては!? 」
「あ、自己紹介忘れとったな、ありがとう」
そういうと、彼女は手を胸に当てつつ、こういった。
「私、地縛霊。よろしく」
オレの体から何かが折れる音がした。
- Ep.2『おにぎりの借り』 ( No.4 )
- 日時: 2023/03/25 16:51
- 名前: 信者 (ID: NdgXheZW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi
『バタッ』
個室中。いや、トイレ中に倒れる音が響いた。
地縛霊何て、空想上。はたまた現実にいてるわけなどないだろう。
とりあえず、理性がぶっ飛んだ。
「……? 大丈夫か? 」
かすかに聞こえてきたが、彼女は。
---笑っていた。
☆
「と、いうわけで、君……」
「漣です。帳漣」
「漣には、私の『パシリ』になってもらいます」
さて、どう考えたとしてもこうはならないだろう。
トイレに女子と二人きり。それも男子トイレで。それも地縛霊と。
「……」
「うーん。まあ、なんか買ってきてくれーとかそんなもん」
と、俺は彼女に触れる。
やはりというか、透けた。
「……? 」
それを確かめると、俺はすぐに質問した。
「も、物に触れるんですか……俺はあなたには触れませんけれど」
「食べ物は触れるよ。人以外ならね」
『なんと都合のよい設定だ』。
そう思った。
「ということで、ファーストミッション! 」
「……」
「ほらテンション上げなよー! 」
「いや、でも、自分で行けばいいじゃないですか」
「はぁ、あのね、私地縛霊。ここから離れられません」
『なんと都合の良い設定だ』。
俺はまたそう思った。
「はい、ということで行ってらっしゃい。梅おにぎり2個で。購買のね」
「……幽霊もおなか減るんですか」
「何君ー。私のこと知ったからには報い。をね」
「……」
「はいはい、答えね。イエスだよ」
『なんと都合のよい設t……
「感謝してくださいね」
「うっす」
☆
と、購買についたはいいものの、俺は一度も購買に入ったことがなく、もちろんどこに何があるのかさえ知りもしなかったのだ。
『パン』『ごはん』……。
購買にしてはでかいが過ぎるだろう。
途中途中にコーナー分けの看板があったが、『おにぎり』コーナーなどなかった。
仕方なく、店員さんに質問をした。
「おにぎりの場所ってどこ……ですか」
「あ、あっち。ごはんのとこにあるよ」
少し呆れた。
そこには、チャーハンをはじめ、沢山の『ごはん』が揃っていた。
また、その横に影薄く、おにぎりが並んでいた。
俺とおにぎりの影が重なった気がして、勝手に病んだ。
それがいやになり、梅二つと、自分用にツナマヨも買って、レジを通し、すぐに出た。
そういえば部活から抜け出して、10分ほど経過しただろうか。
と、時計を見ると、示すは30分後。
いつの間にか俺は30分も抜けていたのだ。
さすがに焦りを感じ、右側歩行の廊下を右側疾走した。
いつの間にかトイレに戻っており、少しだけ陸部での頑張りを感じてしまっていた。
「おぉ、お帰り、遅かったね」
「最後の言葉いりませんよ」
と、俺は自分のツナマヨを抜き、おにぎりの入った袋を、彼女に渡した。
「はい、どうぞ」
「ありやとやした」
「……? 」
と、俺は、ツナマヨを手に隠し、トイレから出た。
すると。
「おいー! 」
トイレから声、幸い、周りに人はいなかった。
「なんですか……」
「今! 何隠した!」
---結局自分用に買ったツナマヨおにぎりも、彼女のものとなってしまった。
- Ep.3 オカルト研究部 ( No.5 )
- 日時: 2023/04/23 14:44
- 名前: 信者 (ID: NdgXheZW)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi
「……すいません」
「え……」
いつも通りの学校生活、一人隅に固まっていると、おそらく同じクラスの子だろうか、眼鏡をかけた男子が恐る恐る話しかけてきたのである。
「……うう」
「ど、どどうした?」
「あの……」
彼はずっともじもじしており、なかなか言い出そうとしない。
「よし」
そうすると彼は拳で胸をたたき、己を鼓舞し、語り始めた。
「あの、いつも放課後……というか何というか、君…多分あなた?の独り言がトイレから聞こえるんですが……もしかしてトイレに何かあるんですか……別に貶すとかじゃないんですけど」
図星。
どうやら聞かれていたようだ。あまりの展開に固まる。
そうなれば彼は何なのだろう。迷惑だから辞めて下さい的な感じか?と考える。
「あ……聞かれてた? 」
「は、、はい。心外丸聞こえです! 」
「……実はね、僕には彼女がいて、」
「もしかして『お化け』ですか! 」
図星(part.2)。
これはどっちなのだろうか、否むべきか、認めるべきなのか。
「だから! 実は彼女と電、」
「あの! もしかしたら幽霊なら言ってほしいのですが! 」
「なんで? 」
「そうですね、まず自己紹介からです。僕の名前は 小艾渡 學(おかると まなぶ)と申します」
「急に改まるね」
「そして、オカルト研究部です! 」
オカルト研究部。名前の通り、オカルトを研究する部活ではあるのだが、実は俺、その部活があることさえ知らなかった。
「ちなみに部員は僕と姉だけです」
「おぉ……」
自信満々に悲しいことを語るときの彼の目はきらきらに満ち溢れていた。
「そんなこんなで、結局どっちなんですか! 白なのか黒(幽霊)なのか」
「あ……えっと、幽霊です。ごめんなさい? 」
あーあ、やってしまった。確かあいつと約束したのに、誰にもばらさないって。きっとパシリもひどくなるだろう。南無阿弥陀仏。
「……嘘じゃないですよね」
「ああ、嘘じゃねえ」
「やっぱりでしたか! さすがは僕の勘ですね。やはり僕こそオカルト研究部の物調にふさわしいです!」
「……で、それが? 」
「きっぱり言わしてもらうと、あなたはその『幽霊』と話した重要参考人なんです! ぜひ、オカルト研究部に入ってほしいなと」
「あ、ごめん俺陸部。本当にごめん」
「そこをなんとか……」
彼は、本気で懇願している。
断りにくい。そんな空気だ。
「……ん」
「ん? 」
さて本当にどうしようか。
ぶっちゃけ、入れないのだが。
さすがに……
続く……
Page:1