コメディ・ライト小説(新)

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孤独な私と使い魔の沖田くん。
日時: 2023/03/29 10:58
名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: 0K0i.3Zc)

『あらすじ』

私立の名門・雨宮中学に通う中学3年生の文音。
ある日、友達が1人もおらず孤独なことに気付く。
大の新撰組ファンである文音は沖田総司そっくりの使い魔を作ることを決意し…!?

『登場人物』

仲野文音なかのふみね→中学3年生。新撰組ファンで、沖田総司推し。剣道部。人気者になることを夢見て、中学生活を始めるも、友達ができず、孤独に。実はめっちゃ頭いい。

沖田総司おきたそうじ→文音の石に宿った使い魔。とにかくイケメン。文音のために尽くしてくれる優男かつ、史実と同じように明るい性格。

佐藤梨花さとうりんか→文音のクラスの担任。文音と同じ新撰組ファンで、土方歳三推し。文音と新撰組の話で意気投合。新米教師。

鏡見瑛翔かがみえいと→文音の幼なじみでクラスメイト。学級委員長。剣道の腕前は文音に負けない。優里亜達にいじめられている文音のことを気にかけてくれている。

栗橋優里亜くりはしゆりあ→文音のクラスメイト。いわゆる陽キャ。文音のことをなぜか敵視していて、意地悪をしている。

『目次』

・プロローグ>>1

『コメント』

オタクちゃん史上初の小説執筆開始です。
今までは雑談掲示板にて活動していたのですが、小説を書き始めることにしました。
初心者ですが、頑張りまーす。
よろしくお願いします。

Re: 孤独な私と使い魔の沖田くん。 ( No.1 )
日時: 2023/05/20 11:53
名前: オタクちゃん ◆vb3RuM0UK. (ID: aOtFj/Nx)

【プロローグ】

初夏の日差しが差し込む川崎駅のホーム。
電車の扉が開いた瞬間、人々が一斉に押し寄せ、人混みの中に、仲野文音なかのふみねは身を委ねる。
今は、学校へ向かう登校の最中。

しかし、その圧迫感は、文音が想像するよりもはるかに深刻だった。
漠然とした不安が文音の頭を巡り、文音は思わず立ち止まった。

「私は、この先どうなってしまうのだろう…?」
文音は、自問自答した。

中3になっても、友達がいなかった。
一人でいることが苦にならなかったわけではないが、時折、「友達」という存在について考えることがあった。
だが、推しに心を奪われていることで、文音は何とかなると思っていた。
しかし、本当にこのままでいいのだろうか。

「お前は…お前は、誰だ?」もう一人の自分が問いかけた。

まるで狂気のように、文音は自分自身を見失いかけていた。

Re: 孤独な私と使い魔の沖田くん。 ( No.2 )
日時: 2023/05/26 02:42
名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: xlcSC1ua)

【第1話】

「わぁ…!」
空き教室の隅で弁当箱を開いた文音は、その中身に感激した。
優里亜たちがうるさいのでいつもここで弁当を食べることにしているのだ。
今日は、サンドイッチ弁当だった。
母は娘が空き教室で弁当を食べているとは思わないだろう。
そんな思いが一瞬、文音の胸を痛めた。
しかし、箸を手に取る。
「いただきます」
そう呟き、サンドイッチを口に入れようとした。
しかし、その瞬間、扉が開く音がして、肩をふるわせた。

「文音さぁ、またここで弁当を食べてるの?」
声の主は、文音の幼なじみでクラスメイト、学級委員長の鏡見瑛翔かがみえいとだった。
「どこで昼食を取ろうが個人の自由です。学級委員長がわざわざ訪ねる必要はないんじゃないですか」
と文音は冷静に答えた。
「でもさ、寂しくないの?」
瑛翔の言葉に、一瞬、返答に詰まった。
本当は小学校の頃のように、誰かと一緒に食べたいと最初は思っていた。
しかし、この3年間、こうして食べてきたので、何も感じなくなってしまった。
「中学3年間で『寂しい』という感情を感じない脳の設計になってしまったので何も感じません」
と言い、文音はサンドイッチを口に放り込んだ。
瑛翔はなにか言いたそうな顔をしたが、
「そっか」
と言って、空き教室を出た。

人間はなぜ、これほどにも仲間を欲しがるのだろう。
文音は不思議に思った。
友達なんて居なくても、生きていけるはずなのに。
そんなことを考えつつ、文音はサンドイッチを食べ、昼食を終えた。

Re: 孤独な私と使い魔の沖田くん。 ( No.3 )
日時: 2023/05/26 11:10
名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: OxFItNy1)

【第2話】

「バンッ、バンッ」
という叩く音が響き渡り、黒板を消していた文音は身を後方を振り向いた。
その音の正体は、優里亜が黒板消しを叩き合わせていた音であった。
「うわっ」
と、舞い上がった粉が顔面に飛び散ると、文音は顔をしかめた。
それを見て、優里亜たちはキャッキャッウフフと騒ぎ立てた。
この頃、自分が敵視されていると感じることが度々ある。
また嫌な気分に陥ってしまった。
不安感にかられながら、文音は深いため息をついた。
このままでは、自分が壊れそうな気がしていた。

そんな様子を遠くから見ていた瑛翔は、優里亜たちの様子に、何か引っかかるものを感じた。
取っかかりをつかめ。
奴らの本性を暴きだせ。
傍観者になるな。
文音の腕を引っ張ることのできる人になれ。
今まで学校生活でいじめを防ぐため、散々言われてきたことを思い出した。
学級委員長として、幼なじみとして、瑛翔は文音を助けるための方法を模索していた。
「待ってて、文音。絶対、助けるから」
と瑛翔は心の中で決意すると、自分自身に向き合い、精神的な強さを養った。
大切な幼なじみのために、自分の力を使い切るつもりであった。

「おい、優里亜」
「委員長じゃん。なんか用?」
「お前、なにをする気だ」
「別になんにも。ただ黒板消しパンパンやってただけ」
冷静を保つ優里亜に瑛翔は軽い動揺を感じ始めていた。
彼女は一見すると優等生のように見えるが、実際にはいじめの加害者であった。
それも、徐々に心を蝕んでいく頭を使ったいじめの。
受験して入った名門校である。
いじめも一筋縄では解決できない、深刻なものだった。
たとえ、自分が立ち向かう相手がどれだけ強力だろうと。
文音を守るためには屈しない覚悟でいた。


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