コメディ・ライト小説(新)
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- 蝶になれない僕らは花の名前を覚えていない
- 日時: 2023/03/30 20:00
- 名前: 叶汰 (ID: 5R9KQYNH)
あの子の妄想が叶う日まで。
- Re: 蝶になれない僕らは花の名前を覚えていない ( No.1 )
- 日時: 2023/03/31 21:02
- 名前: 叶汰 (ID: 5R9KQYNH)
人物紹介
澳田李月/イッくん 男 19歳
大学1年生。高校の頃に初恋の相手が交通事故で亡くなって以降、心を開かなくなった。顔はいい。
南原朱莉/ねえさん 女 19歳
大学1年生。風格が姉すぎて、小学校の頃からこのあだ名である。モテる。
西野純/じゅん 男 18歳
大学1年生。爽やかイケメンでモテる。人当たりがよく、欠点がない。
峯岸翠奈/あきな 女 16歳
高校1年の8月に交通事故で死んだ。なぜか幽霊として李月たちの前に現れた。李月の初恋の人。
- Re: 蝶になれない僕らは花の名前を覚えていない ( No.2 )
- 日時: 2023/04/02 16:36
- 名前: 叶汰 (ID: 5R9KQYNH)
第1話「あの夏に戻れるなら」
燦々と輝く太陽は、アスファルトを溶かすかの如く照りつけていた。
7月28日、俺こと澳田李月はツルが絡まった建物に入ろうとしていた。
「ねえさんとじゅん、遅すぎるだろ...」
ねえさんというのは南原朱莉、じゅんは西野純のことだ。こいつらは俺の同級生で幼なじみであり、そしてこの古びた建物___秘密基地で遊んだ仲間だ。
今日は大学が夏休みになったので、久々に集まろうとねえさんとじゅんが発案したのだが、肝心の二人がいない。イカれてる。
メッセージは『先入ってて』である。ちなみにこれは2時間前のメッセージだ。
「先入っててじゃねえよ...」
愚痴をこぼしつつも、扉を開けて中に入った。
建物内は意外にも汚れておらず、二人が掃除したのだろうと思うと、多少怒りが収まった。
(あれ、なんで天窓が開いて)
ハンモックに揺られて本を読んでいる制服を着た少女。垂れ目で、長いウェーブのかかった空色の髪は後ろで縛られている。
忘れるはずもなかった。
「あき、な」
「イッくん、久しぶり」
死んだはずの初恋の相手に再会した。
「それで?あきながなんでここに?」
峯岸翠奈、高校1年の夏に交通事故で死んだはずの幼なじみだ。
「いやー、それが私も分かんないんだよねー...」
「やっぱりあきなは相変わらず頼りにならねえ」
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